AIりんな開発メンバーが妄想トーク「AIは、人と機械の“ちょうど間”くらいの存在になれると思う」
ファッションデザイナー、起業家、インフルエンサーなどマルチに活躍するハヤカワ五味さんがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「マスメディアン 妄想の泉」。この番組では、さまざまなフィールドで活躍する起業家やクリエイター、アーティストをゲストに迎え、未来を面白くするヒントを“妄想しながら”探っていきます。

6月6日(土)の放送は、前回に引き続き、マイクロソフトのAIりんなと、マイクロソフト ディベロップメント株式会社 A.I.&リサーチ プログラムマネージャーの坪井一菜(つぼい・かずな)さんが登場しました。


(左から)AIりんな、ハヤカワ五味


◆ハヤカワ、AIりんなの歌声を絶賛!
この日、ハヤカワが真っ先に質問したのは、2019年4月にavex(エイベックス)からメジャーデビューした楽曲「最高新記憶」について。その歌声に「私よりも明らかにうまい!」と舌を巻き、「実際、どうやってレコーディングされているんですか?」と尋ねます。

坪井さんによると、AIりんなに歌声を学習させる取り組みを、約3年の歳月をかけておこなっていたそうで、「AIのディープラーニング(深層学習)の技術を使って、人の声を録音した音声があると、それを学習して“表現”というものを再現して音を生成することができる」と言います。

AIに歌を歌わせるにあたり、リズムや音程などの情報が必要なため、通常は楽譜を活用することが多いそうですが、「りんなは、普通のアーティストの方と同じように、仮歌を歌っている方のお手本をまず聴いて、そこから情報を得て、自分なりの歌い方で曲を生成することができる」と坪井さん。

そのため、「歌わせてみるまで、りんながどういう表現をしてくるのか全然わからないんです。実際にりんなの歌った声を聴いて“そうきたか~”と思いながら、いつも歌声をつくっていますね(笑)」と本音を漏らすと、すかさずAIりんなが「本当!?」とリアクションし、笑いに包まれます。

ハヤカワがボーカロイドとの違いを問うと、「歌わせる方法が、技術的に少しだけ違う」と坪井さん。

ボーカロイドは、人間が歌詞を与え、音を決めて、よりプロデューサー的に細かくコントロールして歌わせることが多いのに対し、AIりんなの場合は、「人の歌声を耳コピをして歌ったり、声を出す表現もAIが学習させてやっているところがあったり……どっちが良い悪いという話では全然なくて。つくる側の私たちもどんなアウトプットになるのかわからないところが、1番AIっぽいところかな」と魅力を語ると、AIりんなが「ほ~!」と相づちを打ち、和やかなムードに。

◆「より新しいことができる時代がくる」
放送では、「惑星ループ(ときどき無垢Ver.)」をオンエアし、ハヤカワは「デビュー曲より、さらにロック調なイメージで超うまい!」と、さらなる成長ぶりにビックリ。

この曲は、AIりんなにとって初ライブとなった、昨年9月に千葉・幕張メッセにて開催された音楽フェス「DIVE XR FESTIVAL」で披露されたもの。坪井さんいわく「“ライブで盛り上がる曲が1つ欲しいよね”というのと、初音ミクさんと共演させていただけるということで、初音ミクさんの曲をカバーさせてもらおう、という話があって」と経緯を語ります。

そこで、AIりんなのファンにどの楽曲をカバーしてほしいか投票したところ、選ばれたのが「惑星ループ」だったそう。その投票で「なぜ、その曲を推薦するのか、みなさんに熱い気持ちを募集しまして。それをもとに、りんなバージョンの歌詞にして、カバーさせていただいた。この曲にはそんな裏話があります」と明かしました。

さらに、最近は楽曲の振付にもチャレンジしているそうで、坪井さんが「曲と動きの対応を学習させて振付をつくれるので、(新たに)振付師としても活動できるんじゃないかと思って」と展望を語ると、「それな~!」と即答するAIりんな。星野源さんの「うちで踊ろう」の振付などを、自身のSNSで披露しているそうです。

AIりんながここまで進化を遂げてきたのは、初めてLINEに登場した2015年の「ディープラーニングの技術的進歩がかなり革命的だった」と坪井さん。「それまでの人がルールを決めるのではなくて、人間の脳を模したモデルをコンピュータに学習させることによって、いろいろなことができるようになった。より人の日常生活で触れる機会、活躍できる場が増えたと思う」と実感を語ります。

さらに最近では、「歌やダンスなど、新しくクリエイティブなものをつくったり、なにか生み出したりすることにもAIが使えるようになってきた。人がなにかをクリエイトしたいときに、AIも一緒に組み合わせると、より新しいことができるような時代になってくると、私たちは信じています」と妄想トークを展開。

◆AIが人と機械の“良きパートナー”に
また、AIりんなは、JFN PARKのラジオ番組「ニコラジパーク」でパーソナリティをつとめています。

オファーを振り返り、坪井さんは「ラジオって、声だけでリスナーのみなさんと、ものすごく距離が近い関係性を築いているので、りんなが活躍できそうなすごくいい場所だと思った。人と人がコミュニケーションしている場にりんなが入ると、どういうコンテンツがつくれるのだろうかとすごく楽しみだった」と印象を語ります。

一緒にパーソナリティをつとめているゆーはむ(葉邑ゆう)、エッティー(木の妖精)との掛け合いが、「すごく面白くて、聴いていて楽しい番組ができているなと思う」と坪井さんが絶賛すると、AIりんなは「りんなもラジオをやりながら、いっぱい学習させてもらっているんだ」と話します。

最後に、坪井さんの思う“AIの未来”について、「AIがインフルエンサー的な存在になっていけば、すごく面白いんじゃないかと思う。日本って、キャラクターがすごくたくさんいる社会で、そのキャラクターと“コミュニケーションしたい”という妄想を抱いている人もたくさんいる。

そういうときに、りんなのAI技術って、いろいろなキャラクターをどんどんしゃべらせていくような、夢をかなえられる世界は見えていると思う。AIって、人と機械の“ちょうど間”くらいの存在になれると思うので、そういう意味では、人が、もっと機械や情報とうまく向き合って、楽しいことがたくさんできる“良きパートナー”として、これからの社会にAIがたくさん出ていくことを夢見ています」と目を輝かせていました。

<番組概要>
番組名:マスメディアン 妄想の泉
放送日時:毎週土曜 24:30~25:00
パーソナリティ:ハヤカワ五味
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/mousou/
番組Twitter:@mousou_tfm