リコーは6月10日、2020年6月15日より開催されるコンピュータビジョンの主要国際学会「CVPR2020(IEEE/CVF International Conference on Computer Vision and Pattern Recognition)」のワークショップ「OmniCV: Omnidirectional Computer Vision in Research and Industry」において、同社が進めてきた360°画像の付加価値をさらに高める研究成果の1つとして、AIを活用した超解像技術(Image Enhancement)に関する成果を発表することを明らかにした。

同社の「RICOH THETA」に代表されるような360°カメラは撮影範囲が広く、どこでも好きなところを見ることができるという利点がある一方、画像を拡大した際に、解像度が一般的なデジタルカメラに比べて劣ってしまうという問題があった。

そこでリコーとリコーソフトウェア研究所(北京)の研究グループは、同社の高画質コンパクトデジタルカメラGRの画像を教師データとして、RICOH THETAの画像とペアにしたデータセットを作成してAIに学習させることで、RICOH THETAの画像を改善させることに挑戦。その結果、RICOH THETAで撮影した360°画像全体の解像度、ノイズ、色収差などの多くの要素を全面的に補正し、画質の向上を実現したという。この技術は、すでに「THETA 360.biz」にアップロードされた360°画像をクラウドサービス上で高画質化するサービスとして提供されているという。

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    AI学習のイメージ (提供:リコー)

なおリコーでは、今後も360°画像処理技術の進化を図ることで、ユーザーに魅力あるサービスの提供につなげていきたいとしているほか、はたらく人の創造力を支え、ワークプレイスを変えるサービスの提供も同時に実現していきたいとしている。

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    左が撮影された画像。右が超解像+明るさ補正を施した画像 (提供:リコー)