スーパー戦隊シリーズ第43作『騎士竜戦隊リュウソウジャー』は、2019年3月から2020年3月までテレビ朝日系にて放送され、子どもたちを中心に大好評を博した。人間のマイナス感情などを利用して、怪物「マイナソー」を生み出す戦闘民族ドルイドンと戦い、人々を守る使命を帯びた6人のヒーローの活躍を描いた本作では、"強さ"の象徴「恐竜」に"正しさ"の象徴「騎士」を組み合わせたヒーローキャラクターが創造された。

  • 小原唯和(おばら・ゆいと)。2002年生まれ、島根県出身。2015年にジュノン・スーパーボーイ・コンテストのファイナリストになったのがきっかけで芸能界入り。2017年のテレビドラマ『あなたのことはそれほど』で俳優デビュー後、『相棒16 元日スペシャル』(2018年)『ジグナル 長期未解決事件捜査班』(2018年)などのテレビドラマ、『花は咲くか』(2018年)『OVER DRIVE』(2018年)『愛唄‐約束のナクヒト‐』(2019年)といった映画作品、『湘南ゼミナール』『モンスターストライク』などのCMに出演する。撮影:大門徹

従来のスーパー戦隊シリーズでは、テレビが最終回を迎えた直後に「ファイナルライブツアー」と称して全国各地をめぐるアクションショーが開催されることになっていたが、今年(2020年)は新型コロナウイルス感染拡大防止のため全公演中止となってしまった。

しかし「ファイナルライブツアー」の開催を楽しみにしていた全国の『リュウソウジャー』ファンの思いに応えるべく、このたび、ドラマCD『「騎士竜戦隊リュウソウジャー ファイナルライブツアー」おはなしCDスペシャルセット』(5,000円/税込)として発売されることが決定した。

今回は、序盤はまだまだ未熟な一面を見せながらも、終盤では頼りになる戦士へと成長したリュウソウグリーン/トワを演じる最年少の小原唯和が登場。一年を経た自身の変化、そしてCD化されることが決定したFLTへの思いを聞いた。

――小原さんにとって、リュウソウジャーとして活躍した一年はどんな時間でしたか?

まずは1年間芝居ができる環境にいられるということがうれしかったですし、トワというキャラクターを大事にしたいなと思いました。1年間同じ役をやるということはあまりないことなので、1年を通してずっと成長し続けることができたなというというのは感じます。普通のドラマは3か月とかで、そこで結果を出さなきゃいけない。でも1年間あるその幅の違いというのは大きかったように思います。

――トワ自身はもっとも成長したように感じました。

最初は子供っぽさを意識して、テンションを高めに明るく元気な声を出して芝居をしていました。でも話を重ねていく中でトワの成長が描かれ、少しずつ僕に近づいている印象があったので、実際の声に近づけながらお芝居をするようにしていました。終盤では、そういうところもすごく感じていただけるのではないかと思います。

――その構成は最初から計算されていたのですか?

全然そんなことないんです。でも、台本の上でテンションの高いセリフが少なくなっていったり、考えているところや熱い気持ちになるところが描かれるセリフが増えてきたので自然と芝居の方法もそうなってきたのかなと思います。最初は明るい声を出すのに苦労した面もあったんですけれど、最近は普段の声で芝居できるようになったので、そこはトワが寄ってきてくれたのかなって。

――小原さんご自身が特に成長を実感した回は?

それは本当に20話なんですよね。上堀内監督が演出してくれた回です。僕が上堀内監督にしっかりと演出してもらったのは、映画と20話と32・33話、そして最終話。1・2話をやっていないぶんみんなより少ないんです。20話はトワ回だったので、監督とたくさんお話をさせていただきました。監督がどうしようと思っているのか、一方で、僕はこうしようと思っているんです、ということをワンシーンワンシーンで話して、トワの変化や成長の部分を引き出していただきました。20話をやって、トワとしても役者としても成長を感じました。

トワは一人になるとどういう気持ちになるのか。一人で考えて解決策を見つけようとする過程で挫折しそうになったりする気持ちも、鮮明に引き出していただきました。演じていて僕も気持ちよかったですし、とてもしっくりくる感じだったんです。そこは本当にポイントになる話かなと思っています。