フェラーリ・ジャパンは最新のクーペ「ローマ」(Ferrari Roma)の注文を受け付けている。V8エンジンを搭載する2+クーペ(4人乗り)のローマは2,682万円から。内外装は幅広いカスタマイズが可能で、自分だけの1台を手に入れることができる。発注から納車までには約1年か、それ以上かかるケースもあるとのことだ。

  • フェラーリ「ローマ」

    フェラーリ「ローマ」の実車が展示してあるとの情報を得たので、見てきた

現代版の「甘い生活」がコンセプト

「ローマ」のコンセプトは「La Nouva Dolce Vita」(新しい甘い生活)。ローマを舞台にマルチェロ・マストロヤンニが豪奢で退廃的な生活を送るフェデリコ・フェリーニの映画『甘い生活』が下敷きになっている。フェラーリ・ジャパンによると、このクルマは「1950~1960年代におけるローマの自由なライフスタイルを現代的に再解釈したものであり、その発想からローマと名付けた」のだそうだ。

3,855ccのV8ターボエンジンはキャビンにほど近い場所(ミッドフロント)に積んである。最高出力は620ps、最大トルクは760Nmで、停止状態から時速100キロに到達するまでの時間(ゼロヒャク加速)はわずか3.4秒だ。ボディサイズは全長4,656mm、全幅1,974mm、全高1,301mm。可動式のリヤスポイラーはリヤウィンドウに格納してあり、高速走行時には自動で展開して空力を得る。これも、エレガントな外観を邪魔しないための工夫だ。

  • フェラーリ「ローマ」

    「ローマ」の価格は2,682万円からだが、写真の車両には約820万円分のオプションが付いているとのこと。受注生産で作る「ローマ」は幅広いカスタマイズが可能だそうだ。このボディカラーは「ローマ」専用の「ブルーローマ」という色

フェラーリのクルマでありながら、いかにも速そうなスーパーカー然としたたたずまいとは無縁の「ローマ」。展示会場で話を聞いたフェラーリ・ジャパンの岡田祐樹さんは、このクルマを「正装したF1マシン」という言葉で表現した。もし乗ることができたならば、本気を出せば620psの馬力を発揮する「ローマ」を、あえてしっとりと走らせる大人のカッコよさを追い求めてみたいものだ。