【本日オープン】ユニクロ原宿店のここがスゴイ 『情報製造小売業』の価値を伝えるコラボ、DXの仕掛け

原宿店で「情報製造小売業」の価値を発信
ユニクロは6月5日、JR原宿駅前の複合施設「WITH HARAJUKU」に、「ユニクロ 原宿店」を開設した。原宿はユニクロが都心型店舗を初めて開設した地であり、その店舗がフリースブームの火付け役となった。8年ぶりに原宿に店を構えるユニクロは、ビリー・アイリッシュや村上隆といったアーティスト、ディズニーやハローキティといったキャラクターとのコラボレーション(コラボ)を用意し、着こなしアプリと連携したスペースも設け、体験を重視した店作りに注力している。原宿店は”ただの店舗”ではない、ユニクロの目指す方向が感じられる。


8年ぶりに原宿に開設する「ユニクロ原宿店」の外観イメージ

よくある郊外型のカジュアルウエアショップだったユニクロのイメージを変えたのが、フリースブームであり、その着火点が原宿店だった。オリジナルのフリースにより、「機能性」「スタイル」「価格」の三拍子そろったブランドというイメージを与えたユニクロは、エアリズムやヒートテックでそのイメージを確固たるものにした。その発信源であった原宿店で、ユニクロ次に何を発信するのだろうか?その答えはユニクロが再三アピールしている『情報製造小売業』という業態によって提供できる価値ではないか。

ユニクロはファッションのインフラを目指している。高い機能性のベーシックアイテムに強みを持ち、さまざまなブランドやキャラクター、アーティストとコラボレーションすることで、多様な個性を手にしている。SPA(製造小売)という強みの上に、トレンドやクリエーティブといった情報を付加することで、常に変化し続け、世界中で支持され続けるブランドになろうとしている。

ビリー・アイリッシュ、村上隆、ディズニー、キティなど豪華なコラボ
「ユニクロ原宿店」はそのユニクロの目指す方向性を体現している。その1つが、米国の人気シンガーソングライターであるビリー・アイリッシュと、世界的アーティストである村上隆とのコラボだ。ユニクロのグラフィックTシャツブランド「UT」において2人のアーティストとコラボしたTシャツを販売する。Tシャツ自体はECサイトや他店でも買えるが、原宿店には、村上隆が制作した高さ約3メートルの巨大なビリー・アイリッシュ像を展示。その巨像はもちろんコラボTシャツを着ている。アートと体験と商品を融合させ、話題を振りまくことで、コラボTシャツの価値は高まる。


巨大なビリー・アイリッシュ像

注目のコラボはこれだけではない。これまでも展開しているディズニーとのコラボ企画の最新版として、AMBUSHのクリエイティブディレクターYOONが制作したミニーマウスの新作バッグとワンピースを販売する。原宿店ではバッグと同じデザインの、ミニーマウスの特大ぬいぐるみを展示している。


ミニーマウスの特大ぬいぐるみ

他にもハローキティとのコラボTシャツなども用意している。ユニクロのベーシックプロダクトへの評価とこれまでのコラボの実績の積み重ねが、特別なコラボの実現につながっている。そして、そのコラボの魅力を体験できる仕掛けを原宿店に用意しているのだ。

240台のディスプレイで着こなしアプリ「StyleHint」をリアルに体験
店舗内には、着こなし発見アプリ「StyleHint」をリアルに体験できるスペース「StyleHint原宿」も設けた。店内の壁面を埋め尽くす240台のディスプレイでは、インフルエンサーやモデルの投稿写真が並ぶ。多くの「着こなし」から、「トレンド」を体感したり、自分に合った着こなしを発見できる仕掛けだ。気になった商品が店内のどこに置いてあるかも確認できる。


「StyleHint原宿」の壁面を埋め尽くす240台のディスプレイ

気に入ったスタイルを見つけ、スムーズに購入するという体験こそが、「StyleHint」がスマホアプリで提供している価値だ。ユニクロのベーシックアイテムでも組み合わせや着こなしによってさまざまなスタイルを実現できることをアプリでは紹介しており、まだアプリを利用したことがない人も、原宿店でリアルに体験することで、その価値に気付いてもらいたいと考えているのだろう。

ユニクロは他にも、原宿店のオープンを記念し、音楽配信サービス「Spotify」の特設ブースを期間限定で設置する。ブースには原宿店のオープニング企画に登場したアーティストが選曲したプレイリストを試聴できる。「音楽」という体験も原宿店では提供しているのだ。

ユニクロは6月19日、銀座に同社のコミットメントとして掲げる「LifeWear」を体現するグローバル旗艦店「UNIQLO TOKYO」を開設する。トータルクリエイティブディレクターは原宿店と同じく佐藤可士和氏だが、建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞や高松宮殿下記念世界文化賞を受賞したスイスの建築家ユニット、ヘルツォーク・アンド・ド・ムーロンをデザインチームに加えている。

「UNIQLO TOKYO」はトレンドを意識した原宿店とは異なり、国内外の顧客に向けて「ユニクロとは何たるか」をアピールする店舗となりそうだ。