リクルートマネジメントソリューションズは6月2日、「ミドルマネジャーの役割に関する実態調査」の結果を発表した。調査は3月、従業員規模300名以上の企業に勤務する課長相当の管理職601名を対象にインターネットで行われた。

  • マネジャーの月間労働時間とその長さの要因

    マネジャーの月間労働時間とその長さの要因

同調査では、管理職の5つの役割(業務マネジメント/方針づくり/部下マネジメント/対外的活動/プレイヤー業務)と、それぞれにどの程度の時間を配分しているかで、それぞれ他のタイプに比べて多く時間を割いている役割を名に冠して、「業務マネジメント重視タイプ」「方針重視タイプ」「部下マネジメント重視タイプ」「対外活動重視タイプ」「プレイングマネジャータイプ」と5つのタイプに分類している。

マネジャーの月間労働時間を聞いたところ、「プレイングマネジャータイプ」は、月間200時間以上の長時間労働者の割合が最も高かった(43.1%)ことから、プレイヤー業務がマネジャーが忙しくなる要因の一つであると言える結果に。

そこで、プレイヤー業務を担う理由を教えてもらったところ、「難度の高い業務を遂行する人材が少ないため」(57.2%)や、「難易度は高くない業務だが、遂行する人材が不足しているため」「イレギュラーな業務が発生した際に、自分が対応する必要があるため」(いずれも51.5%)が上位に並び、全体的に、仕事を任せられる人材不足が大きな要因であることがわかった。

  • 管理職としての役割を果たす上で、あなた自身が困っていること、課題とかんじていること

    管理職としての役割を果たす上で、あなた自身が困っていること、課題とかんじていること

続いて、「管理職としての役割を果たす上で、あなた自身が困っていること、課題とかんじていること」を聞いたところ、やはり「部下に仕事を任せきれない」がトップに。「プレイングマネジャータイプ」に限らず、全タイプにおいて同項目が最多となった。

ただし、「部下に仕事を任せきれない」ことに悩む「方針重視タイプ」の割合は、全体平均よりも10ポイント以上低い結果に。「方針重視タイプ」は、部下に仕事を任せ、プレイヤー業務の時間を10%程度に抑え、方針づくりと業務マネジメントにおよそ30%ずつ時間を配分していることから、時間を割いて作った確かな方針と業務マネジメントにより、部下に仕事を任せやすくなるという好循環が伺える結果となった。

  • 時間配分タイプごとの時間を増やしたい/減らしたい業務

    時間配分タイプごとの時間を増やしたい/減らしたい業務

次に、役割にかける時間配分をどう変えたいか尋ねたところ、いずれのタイプでも、最も減らしたいのは「プレイヤー業務」。一方、もっと時間をかけたい役割の一番人気は「部下マネジメント」だった。

時間のかけ方を変えることがどの程度難しいのかを問うと、86.9%のマネジャーが「とても難しい」「やや難しい」と回答。具体的案方法を尋ねたところ、「人員の確保が一番だが、なかなか難しい(営業・販売)」などの認識の一方、「自動化と権限委譲(開発)」「仕事の断捨離と他担当との業務分担見直し(企画・事務)」など、一層の業務効率化が可能であるとの見通しが伺えた。また、「人材力の底上げ(営業・販売)」「経営幹部の意識改革(企画・事務)」など、組織力の向上を期待する声も見受けられた。