【ファッション小売】ライブコマース続々、スタッフの接客力でEC売上拡大

大手ファッション小売企業がライブコマースを積極的に展開している。ビームスやシップス、ベイクルーズは、店舗スタッフによるライブコマースを実施。アダストリアはライブ配信した動画をまとめたサイトを開設した。緊急事態宣言が終了しても実店舗の売り上げはすぐに戻らない。スタッフの接客力を生かし、EC売り上げの拡大を図る。
 
ビームスは3月27日、同社初となるライブコマースを実施した。雑誌などにも登場する有名スタッフが動画で商品を紹介。視聴者の質問に答えながら商品の特徴や着こなしのアドバイスを行った。
 
シップスは5月22日、アダストリアは同29日、ライブコマースを実施した。店舗スタッフが商品や着こなしを紹介しながら販売する。
 
シップスは、「まずは1カ月間トライアルで実施する。初回の放送は手探りの部分が多かったが、さまざまな課題が見えてきた。反響を見ながら、今後の展開を計画したい」(デジタルマーケティング部・萩原千春課長)と話す。

アダストリアはライブ動画をまとめて紹介  
アダストリアは5月29日、「インスタグラム」を通してライブ配信した動画をまとめて紹介する特設ページ「.st CHANNEL(ドットエスティ・チャンネル)」を開設した。配信ページには、動画で紹介している商品情報を載せ、すぐにネット購入できるようにしている。
 
特設ページでは20以上のブランドで働く約1500人のスタッフが発信動画をまとめて掲載している。「インスタグラム」を通して各店舗で動画を撮影することで、動画コンテンツの量産が可能になった。ライブ配信でリアルタイムに顧客に訴求するだけでなく、まとめることで動画を効果的に再利用できている。

コーデ投稿の下地が生きた  
ファッション小売大手がライブコマースや動画配信を続々と実施している背景には、店舗スタッフがコーディネート(コーデ)画像を投稿する取り組みがあった。店舗スタッフがSNSでの情報発信やECサイトのコンテンツ作成に参加する下地があったからこそ、ライブコマースを抵抗感なく実施できているのだと思う。
 
店舗スタッフによるコーデ投稿のムーブメントを作ったのは、紛れもなく、バニッシュ・スタンダードのコーデ投稿アプリ「スタッフスタート」だ。店舗スタッフがスマホアプリで手軽にコーデ画像を投稿でき、ECサイトの商品情報との連携もできる。
 
このサービスを導入することで、店舗スタッフは積極的にコーデ画像を投稿するようになった。投稿から発生したEC売り上げを可視化できるため、個人の発信を評価する仕組みもできている。
 
新型コロナウイルスの影響で、店舗スタッフの発信のレベルは一段階上がったと思う。今後、ファッション業界では「ヒト」の力を生かしたECサービスが次々と生まれてきそうだ。