トヨタ自動車は日本国内で販売する新型車「GRヤリス」のラインアップを発表した。グレードは1.5L直列3気筒エンジンを積む「RS」、1.6L直列3気筒直噴ターボエンジンを積む「RZ」、競技ベース用の「RC」の3種類。すでにweb予約の受け付けを開始しており、これまでに日欧で約6,000件の先行予約が入っているという。発売は2020年9月頃の予定。

  • トヨタの「GRヤリス」

    トヨタが「GRヤリス」のラインアップを発表! 画像は「RS」のプロトタイプ

「GRヤリス」は2020年2月に発売となった小型車「ヤリス」をベースとし、トヨタがモータースポーツから得た知見を活用して仕上げたスポーツカーだ。「FIA世界ラリー選手権(WRC)で競争力のあるクルマづくり」を目指し、開発初期から社外プロドライバーによる評価を受けたという。トヨタ自動車の豊田章男社長はGRヤリスについて、「市販車をモータースポーツの世界に持っていくのではなく、モータースポーツ用に開発したクルマを市販化するという逆転の発想で開発した最初のクルマ」と表現している。

アッパーボディにはアルミ素材のエンジンフード、バックドア、ドアパネルに加え、形状自由度の高い「SMC(Sheet Molding Compound)工法」で成形した炭素繊維強化プラスチック(CFRP)素材のルーフパネルを採用。車体の軽さと優れた空力性能を両立させた。サスペンションは前後でセッティングを最適化してある。世界のあらゆる道で思い通りに操れて、誰もが安心して意のままに運転できるクルマに仕上がったそうだ。

グレードごとの特徴を押さえておくと、「RS」はGRの研ぎ澄まされた走りを気軽に楽しめるモデルであるとのこと。最高出力120ps、最大トルク145Nmの1.5Lエンジンに、パドルを使ってマニュアル感覚の操作を楽しめる10速シーケンシャルシフトマチック付きCVTを組み合わせる。駆動方式は前輪駆動(FF)だ。

残りの2モデルはマニュアル車となる。「RZ」は最高出力272ps、最大トルク370Nmの1.6Lターボエンジンに、多板クラッチによる前後駆動力可変システム採用の新開発スポーツ4WDシステム「GR-FOUR」を組み合わせる。「RC」は「走りに必要なモノ以外を極力排除した軽量モデル」であり、エンジンとトランスミッションはRZと同じだが、例えばディスプレイオーディオなどは付いていない。

  • トヨタの「GRヤリス」

    2020年1月の「東京オートサロン」で世界初公開となった「GRヤリス」

日本国内で先行Web予約が始まっている限定モデルの特別仕様車「RZ“High-performance・First Edition”」(456万円)と特別仕様車「RZ“First Edition”」(396万円)の予約受け付け期間は6月30日まで。先行予約限定モデルではマットブラック塗装の仕様が選べる。先行予約すれば指定した販売店で7月中に商談を行うことができる。成約後は予約順に優先的な生産を行ってくれるとのことだ。