リンクアンドコミュニケーションはこのほど、「緊急事態宣言前後の働き方やメンタル・健康行動の変化に関する調査」の結果を明らかにした。同調査は1月~5月(アンケートが4月30日~5月8日、ライフログが1月19日~5月16日)、6,302人を対象に実施した。

  • 働き方の変化 緊急事態宣言後の仕事なしが9ポイント増加

    働き方の変化 緊急事態宣言後の仕事なしが9ポイント増加

コロナ流行前と緊急事態宣言後の仕事の有無の変化を調べたところ、コロナ流行前には「仕事をしている」が85%、「仕事をしていない」が15%であったのに対し、緊急事態宣言後は、「仕事をしている」が9ポイント減の76%、「仕事をしていない」が9ポイント増の24%となった。

コロナ流行前に仕事をしていた人の働き方の変化について調べると、コロナ流行前にフルタイムもしくはパートタイムで仕事をしていた人のうち、緊急事態宣言後には11%が、なんらかの理由で「仕事をしていない」という状態になっていることがわかった。フルタイムで働く人は、コロナ流行前は88%だったが、緊急事態宣言後は72%に減っている。

緊急事態宣言後の勤務形態について聞くと、「在宅ワーク」が中心になった人は、「フルタイム」では36%、「パート」では54%だった。

「この1カ月間、気分が沈んだり、憂うつな気持ちになったりすることがよくある」「この1カ月間、どうも物事に対して興味がわかない、あるいは心から楽しめない感じがよくある」「孤独を感じている」など、メンタルに不安を感じるか尋ねたところ、44.7%が「ある」と答えた。

「メンタルに不安を感じる」と回答した人を働き方別に見ると、「フルタイム」では42.7%であったのに対し、「パート」は46.3%、「仕事なし」は48.9%だった。勤務形態および労働時間の増減と「メンタルに不安を感じる人」の状況を見ると、フルタイム・パートとも「労働時間が増加した」と回答した人のメンタル不安は5割を超えている。

  • メンタルの状況

    メンタルの状況

全体の「メンタルに不安を感じる」割合(44.7%)よりも、3ポイント以上高いグループで共通する特徴としては、「緊急事態宣言後に仕事をしていない人」「緊急事態宣言後に労働時間が増加した人(フルタイム/パート、在宅中心/出社中心に限らず)」だった。

一方、メンタルに不安を感じている人が全体より3ポイント以上低いグループの特徴は、「緊急事態宣言前後で労働時間が変わらない(フルタイム/パート、在宅中心/出社中心に限らず)」だった。

働き方と飲酒状況について4,366人を対象に調べると、適量を超えて飲酒している人の割合は1月~5月にかけてほぼ変化はなかった。しかし、「コロナ流行前は仕事をしていたが、緊急事態宣言後に仕事をしなくなった」と回答した人は、適量を超えた飲酒が約1.4倍に増えている。「フルタイムで在宅ワークになり、労働時間が増加」は約1.2倍増加した。

  • 働き方と飲酒状況

    働き方と飲酒状況

続いて、4,676人を対象に歩数の変化について調べた。歩数を、日本人の平均歩数の半分未満となる「3,000歩未満」「3,000~6,000歩」「6,000~9,000歩」、健康日本21の目安である「9,000歩以上」の4段階に区分し、期間による変化を分析した。その結果、「3,000歩未満」は、1月では約9%だったのに対し、2~3月で増え始め、4月には約25%、5月には約29%と急増している。

「フルタイム」「パート」「仕事なし」の人と歩数の状況について調べると、「仕事なし」の41.3%が3,000歩未満であることがわかった。また、「パート」の「在宅ワーク」では、3,000歩未満が圧倒的に多くなっている。

働き方の違いによる歩数を分析したところ、全体よりもさらに歩かなくなった(3,000歩未満の割合が全体より3ポイント以上高い)人は、「緊急事態宣言後に仕事をしていない」「パート勤務で、緊急事態宣言後に在宅ワークが中心になった」「フルタイム勤務で、緊急事態宣言後に在宅ワークとなり、労働時間が増加した」という特徴があることがわかった。

  • 働き方と歩数の変化

    働き方と歩数の変化