「収入が少なく貯金もできないので先行きが不安」、「収入はそれなりにあるけど、いつもギリギリ……」こんな状況から脱却したいと思っても、なかなかうまくいかないと感じている方は多いでしょう。

何とかしてこのような現状を脱却し、安定した生活を送りたいものですね。そこで本稿では、自分を変え、貧乏体質から脱却するにはどうすればいいのか考えてみましょう。

  • 貧乏体質から脱却するには?

なぜ貧乏体質なのかを考えてみよう

現状を何とか変えてみたいと思った時、やるべき最初の事は、今の状況を正確に把握することです。なんとなくわかっているとしても、本当に改善するための行動を起こすところまで突き詰めていくことが大切です。その作業を行わないから、現在の状態があると言っても良いでしょう。

現状を踏まえて、明らかに収入が少ない場合は、増やすしかありません。本気になってやりたい仕事を探り、正社員を目指すか、自営で食べていけるところまでのストーリーを作り出してみましょう。もし資格などが必要であれば、アルバイトなどで収入を増やして、勉強のための資金などを捻出しましょう。副業は今では多くの方が行っています。いろいろ手を広げていく間に、意外な突破口が見つかるかもしれません。

また、贅沢はしていないはずなのに、なぜか貯金ができないというケースもあるでしょう。その際は、本当に無駄がないのか家計の出費を見直してみてください。

飲み会や外食も、1回の出費はさほど出なくても、回数を重ねれば大きな出費となります。家計簿をつけるのが面倒だという方は、無駄を直視できる方法として、「レシート赤丸方式」をお勧めします。

レシート赤丸方式とは、とにかくレシートだけは必ずもらいます。赤のボールペンやサインペンで無駄であったと思う出費に赤丸を付けます。1週間や1か月といったタイミングで、赤丸がついた金額を合計します。これだけでOKです。1か月経つとかなりの金額になって驚くと思います。

月賦やリボ払いで、モノを買ってしまうという人は要注意です。月賦やローンで買ってよいものは、買ったものが消費財でなく、資産として残るものだけであり、住まいや明確な人生設計に基づいた資格取得などの自己投資や、仕事に不可欠な道具や機材等です。

ただしこれらも上を見れば際限がありません。実力に応じた選択が大切。資産として残るもの以外は、月々の収入を積み立ててから購入するのが鉄則です。

趣味に使うものが高額でも買ってしまうという人もいるでしょう。実は、これはなかなか厄介です。趣味が人生の目的である方もあって当然です。問題なのは、あれこれ始めては高額の道具を買い、飽きて、また別の趣味へと目が映っていく、永遠の自分探しのパターン。本当に満たされるのか、続けられるのか、すぐに見直してください。

趣味が生きがいであれば、お金とは別の豊かさがあるはずです。それであれば、貧乏体質とは言えないでしょう。

とにかくブランド品に目がないというケースもあります。日本と比べ、欧米の若者は自力で大学へ行くと言われています。当然、彼らが高価なブランドを買うわけがありません。本来ブランド品は、それにふさわしい収入と人生経験と地位が伴ってこそのものです。購入する前に、本当に自分に見合っているのか考えてみてください。

負の連鎖から脱却するためには「教育」が一番?

貧乏体質と負の連鎖とは少し意味合いが違うと思われるかもしれませんが、根本は同じです。負の連鎖を断ち切るためには「教育」が重要と言われています。では貧乏体質と教育は関連があるのでしょうか。

教育を経験や想像力という言葉に置き換えてみましょう。若い時は、なかなか将来のリスクに思いが至らないものですが、人生経験が豊富になり、物事に対する想像力もつくと、自分をコントロールもできるようになるかもしれません。とはいえ、それを待っていては、貧乏体質から抜け出るのがいささか遅すぎます。

その人生経験に代わるものが教育なのですが、大人になってからも学ぶことは可能です。例えば、教育訓練給付制度などを利用して資格を取得しても良いでしょう。何よりも、学ぶ場での同年代や年の離れた熟年世代との交流は自分を変える刺激となります。彼らとの交流で経験値は増えますし、想像力も養えます。

皆さんの周りの仲間はどのような方々でしょうか。飲み友達、学校の友達、趣味の友達、同僚など様々だと思いますが、大人の学びの友達は少し違います。年齢にも幅があり、より広範囲の経験値に接することができます。また、学ぶ場であるということは、明確な目的意識を持っている集まりだということです。

普段の仲間よりは、より計画的な人生観に触れられ、刺激になるでしょう。今の生活でもギリギリなのに、給付金があるとはいえ、月謝を支払うのは大変だと思います。とはいえ、資格取得等をし、収入をアップするための頑張りどころです。

節約や投資のノウハウよりも、意外に仲間の計画的生活設計を知ることの方が、自分を変えられるきっかけになるように思います。資格を得て収入もアップすれば一石二鳥です。

ここで大切なことは、今後の人生の中で、当たり前ですが、今が一番若いということです。一番エネルギーに溢れていて、体力もあり、一番頑張れる時期なのです。

最低生活費を把握し、短期集中で節約してみる

現状を把握し、資格取得や人間関係の整備等できることを考えたら、最後は支出のコントロールを意識しましょう。

せっかく安定した収入があっても支出がコントロールできなければ意味がありません。資格取得のための勉強を始めたら、その期間はそれだけに集中して今まで自分が支出してきた他の支出項目は、一旦切り捨てて我慢します。

特に勉強の必要がない場合は、最低3か月程度は集中して節約に努め、最低生活費を把握してみましょう。中でも最初の1か月の集中し、それをイベントのようにして楽しんで行うことがポイントです。

買わない、外食しない、飲みに行かない……など、徹底的に無駄をなくします。最初の1か月で極力まとまった余剰金を捻出して勢いをつけます。それでも思ったほど残らないのであれば、家賃や通信費などの固定費が、収入に比較して高すぎることになります。

さらに、短期間でも収入をアップできる手段があればトライしてみましょう。無理をしては体を壊しますので、集中節約期間だけでも可能であれば、実践してみてください。節約の体験と最低生活費の把握のほかに、短期間の集中節約や収入アップにより、ある程度の貯金ができた、という実体験を得ることも大切なです。

お金以外の豊かさも考えてみよう

地方では満足な働き口がなく、都会に出てくるのが通常のパターンかもしれません。しかし、都会では何事もお金がモノをいいます。都会で安定した収入の道を見つけられなければ、貧乏体質から脱却はなかなか難しいでしょう。

しかし田舎の暮らしは、また別の価値観が働きます。収入は多くは得られないかもしれませんが、衣食住の費用はさほどかかりません。自分の庭で野菜や米、果物なども作れますし、パリッとしたスーツなどもあまり必要としません。また都会のワンルームの家賃と同額で広い家が借りられます。

何よりもゆったりとした時間の流れの中で、貧乏かもしれませんが、貧乏体質とはかけ離れた暮らしができるのではと思います。極端な例かもしれませんが、考え方ではお金ではない豊かさの追求が大切なような気がします。最近コロナで家呑みや料理にこだわる方も増えたと聞きます。お金を使わずに自分を楽しませることも貧乏体質脱却には大切ではないでしょうか。