雨宮天(あまみやそら)。8月28日生まれ。東京都出身。ミュージックレイン所属。主な出演作は『彼女、お借りします』水原千鶴役、『理系が恋に落ちたので証明してみた。』氷室菖蒲役、『アイドルマスター ミリオンライブ!』北沢志保役ほか

新型コロナウイルス(COVID-19)の急速な感染拡大や症状の重さなどにより2020年4月7日、政府から「緊急事態宣言」が発出された。アニメ・ゲーム・声優業界ではこれを受け、アフレコやラジオ番組の収録ストップ、演劇やライブといった人が集まるイベントの開催延期・中止を多数のコンテンツが判断した。宣言が解除された今も、"いつも通り"からはまだまだ遠い状況が続く。

そんな状況下でも、リモートでの番組収録、YouTubeチャンネルの立ち上げや配信、Twitterでの近況報告やライブ配信など、“いま、自分ができること”を考え、行動に移している人たちがいる。その配信で「元気」「勇気」をもらっている人は少なくないだろう。筆者・M.TOKUもその一人だ。

マイナビニュースでは、そんな活動や込められた想いを多くの人に知ってもらうため、「私たちのおうち時間」企画を実施。それぞれの「おうち時間」企画を振り返ってもらったほか、自粛期間中の過ごし方、そして、こんな時だからこそ、自身が感じる“エンターテイメントのチカラ”について話を聞いた。

今回は、声優の雨宮天に直撃。「そらのはるやすみ」と題した絵日記企画を自身のボイス付きでアップしている彼女に、メールインタビューを行った(取材は5月中旬)。

●声優として、やはり声を届けようと

――絵日記企画専用Twitterアカウント「そらのはるやすみ」を立ち上げた経緯を教えてください。

自粛期間に入り次々とライブやイベントが中止になってしまい、アニメや声優ファンの、「好き」という気持ちのやり場や楽しみが消えていってしまうのが切なかったんです。なので、多方面に活動させていただいている身として、何かエンターテイメントをお届けできないかと思い始めました。

――様々な手法があったかと思いますが、絵日記を雨宮さんの声とともに届けるスタイルにした理由は?

声優として声を届けようと思ったものの、自宅では高音質の録音はできないので、声だけでは厳しいと思ったんです。だから動画にすればそういった部分もあまり気にならないのでは、と思いました。たまにイベントグッズなどで出す絵が好評だったというのもあり、「はるやすみ」にもかけて絵日記という形にしてみました。

――「絵日記企画」はこれまでにない経験だったと思います。実際にやってみていかがでしたか?

絵日記の内容は全て事実なのですが、私は自分の日常を積極的に話したいタイプでもないし毎日決まったことしかしないので、内容を考えるのが大変でした。

それが分かっていたので、あまり内容がなくても成立するように、年齢を下げた声質にしたんです。それでも毎日続けていると見てくれる人が飽きてしまうのではないかと思ったので、読み方などを工夫してバリエーションを出しました。これもまた難しかったのですが、想像力を働かせながらキャラクターを立体的にしていく作業は声優としてやりがいがあり、楽しかったですね。形にならないと思っていた短い自作曲をテーマソングにして皆さんに気に入っていただけたのも、とても嬉しかったです。

――自粛期間中は家で過ごす時間が増えたかと思います。家ではどのように過ごしていますか?

「そらのはるやすみ」にも書きましたが、最近はゲームをしながらそのロード時間に筋トレをして過ごしています。自粛期間中は運動量が減り太ってしまったのですが……もう夏直前! 衣装でも露出が増えるので、撮影前になんとか体を絞ろうと奮闘中です。

――その他、自粛期間中に新しく始めたことがあれば教えてください。

海外ドラマを見始めました。以前にも英語の勉強になるかなと思い見ていたことはあったのですが、その時は日常会話を意識してコメディばかりを見ていたんです。ただ、なかなか合うものがなく、海外ドラマは自分には合わないのかなと。でも、友人に勧められた『ブレイキング・バッド』というサスペンスドラマがとても面白くて! これからも「海外ドラマ観賞」は趣味になりそうです!

●心を動かせるものを届けられるように

――雨宮さんと同じように、自粛期間中に動画をアップされたり、朗読をされたり、オンラインでお芝居をされたりしている同業者の方がいらっしゃいました。その中でも雨宮さんが印象に残っている企画はありますか?

たくさんの声優さんが、物語の朗読をされていましたよね。「声優」という職業を生かした素敵な試みだと思いました。物語に触れることが減った方も、懐かしさとともに触れるいい機会にもなったと思います。そして、みなさんのクオリティがあまりに素晴らしかったので、「浅学非才の自分は到底ここには混ざれぬ…!」と思ったのが、今回の企画を考えたひとつのきっかけでもありました(笑)。

  • 「そらのはるやすみ」イメージ写真

――自粛期間中に3rdアルバムの発売&ライブツアーの開催が発表されました。こちらの制作が決まったときのお気持ちを聞かせてください。

2020年1月に行った幕張メッセでのライブで、「今できることはやり切った!」という気持ちでいたので、ツアーを提案された時は正直断る気でいました。しかし、音楽チームが新しくなったというのもあり、また、短期間で繰り返し公演を行うツアーだからこそ見せられるものもあるのではないか。そう思ったんです。なので、アルバムも、さらに次のステップへ進ませてくれるような曲たちばかりです。しっかりと形にするのは簡単ではないものになりそうなので、全力で臨み、妥協せず仕上げていきたいです!

――雨宮さんは「エンターテインメント(エンタメ)」に対して、どのような想いを持っていらっしゃるか、教えてください。

体の健康と同じくらい、時にはそれ以上に心の健康は大切だと思うのですが、まさに「エンターテイメント」こそ、その心を支えているものだと思います。さまざまな刺激に晒され心が疲れてしまう時、その疲れを癒してくれたり明日を生きる力をくれたり……。人が人を思って、本気で作り上げたものには大きな力があるのだと、携わらせていただきながら感じています。

だから、例えば今回のような未曾有の事態、不安に陥りそうな時ほどエンターテインメントに触れて、心をプラスに動かして欲しいです! 私も作り手の一人として、心を動かし心を込めて、心を動かせるものを届けられるように頑張ります!

――日常がある程度戻ってきたら、どんなことをしたいですか?

とにかくバーベキューをやりたいです!!! 去年の夏にバーベキューの楽しさを知り、暖かくなったらすぐにやろうと心待ちにしていたのに外出自粛! 落ち着いたら、募りに募った気持ちを全て持っていって、これでもかと楽しもうと思います!

●『雨宮天ライブ2020 “The Clearest SKY”』

発売日:2020年7月8日
価格:7,000円(税抜)
・初回生産限定盤
価格:9,000円(税抜)
スリーブケース仕様
特典映像として、1月18日(土)の1日目公演のドキュメントと本作にライブ映像収録されている19日(日)当日の裏側がみえるドキュメントを長尺収録

●雨宮天3rdアルバム発売決定

●『雨宮天ライブツアー2020 (仮)』

9月5日東京・中野サンプラザホール
9月12日福岡・ももちパレス 大ホール
9月13日大阪・フェニーチェ堺 大ホール
9月19日東京・中野サンプラザホール
9月21日愛知・日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
9月27日神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホール