Amazon、Facebook、Instagram各社、音楽テックの新プロジェクトを始動

4月末、マシュメロとホールジーは新曲「Be Kind」を事前告知するにあたり、TikTokで一番人気のチャーリー・ダマリロの手を借りた。先週、2人はAmazonのスマートスピーカーEcho向けに「いまだかつてない音楽体験」を提供し、またもやクリエイティブなマーケティング手法を繰り広げた。

ホールジーの所属レーベルCapitol Recordsによると、5月27日から6月2日までの期間中、「アレクサ、マシュメロ(またはホールジー)は今日何を考えてるの?」とEchoに尋ねると、セレブの胸の内を覗くことができるという。

【動画】「アレクサ、マシュメロは今日何を考えてるの?」

だが――偶然か否か――ホールジー&マシュメロのアレクサ企画がお披露目されたのと同じ日、FacebookとInstagramの大手プラットフォーム2社も、音楽業界と絡んだ新機能を発表した。

Instagramは先週、音楽に「反応」する新エフェクト作成機能を発表した。Spark AR Studioというアプリを使えば、音楽と同期して動く拡張現実エフェクトを――画像や動画フィルターという形で――誰でも作ることができる。理論的には、これによって音楽発掘の場としてのInstagramの地位も高まることになりそうだ(先月には、とある曲がSnapchatのフィルターのおかげでチャートを急上昇した例もある)。

Instagramの最先端ARエフェクトが発表されてからものの数分と経たないうちに、同社の親会社Facebookも音楽関連の新企画を発表した。Facebookの研究開発チームNPE Groupは、ミュージックビデオを共同制作できるCollabというアプリを開発した。Collabを使えば、ユーザー同士でアップロードした動画を組み合わせて、オリジナル音楽やマッシュアップの動画コンテンツを作成することができる。ただし、現時点ではまだベータ版で、承認されたユーザーしか使用することができない。

これら3つの音楽新機能は、はっきりと若者層に狙いを定めているわけではないが、いずれもITに長けたZ世代(すでに音楽重視のTikTokは彼らの独壇場だ)が主なユーザーになりそうだ。昨年行なわれた消費者調査によると、Z世代の73%前後がソーシャルメディアで勧められているものを購入しているという。

ソーシャルメディアを利用する時間は1日平均3時間。また2019年にBusiness Insiderが行なった調査でも、Z世代の65%が毎日Instagramをチェックし、他のプラットフォームよりも頻繁に利用していることが分かった。Instagramでお勧めされているから、という理由で商品を購入したくなるのであれば、同様に音楽のダウンロードやストリーミングにも乗り気になるだろう。


ケイティ・ペリーは発売日を意図的に「リーク」

現在も自宅待機が続く中、こうしたプロジェクトはIT企業にとって、音楽業界とのコラボレーションの新たなチャンスでもある――ライブイベントの中止でとくに被害を被っている音楽業界も、時代に順応して革新を起こしたいと考えている。

「今日は何を考えているの?」というAmazonが打ち出した奇抜なマーケティング手法は、同社が繰り出す一連の音楽テクノロジープロジェクトの最新の例だ。ここ最近では同じくCapitol Recordsのケイティ・ペリーが、来たるニューアルバムの発売日を故意に「リーク」した。ファンがスマートスピーカーにペリーの新作の時期を尋ねると、アレクサがご丁寧に答えてくれるという仕組みだ。さらにAmazonは音楽部門で、「これから1年、我々とともにワクワクするような新プロジェクトを立ち上げ、歴史を作りましょう」という募集広告で、ソフトウェアエンジニア職の求人を行なっている。ローリングストーン誌のコメント取材依頼に対し、Amazon代表者からの返答は得られなかった。

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