きょう31日に放送されるフジテレビ系特番『池上彰 緊急スペシャル! ~世界を変えた新型コロナ 未来を生き抜く私たちの闘い~』(20:00~21:54)では、ジャーナリストの池上彰氏が、新型コロナウイルスについて解説する。

  • 進行の高島彩(左)と池上彰氏=フジテレビ提供

今回は、過去の人類とウイルスとの闘いで得た教訓を踏まえ、この先、私たちがどう立ち向かっていけばいいのかを、池上氏が徹底解説。「過去の失敗から学んだ台湾、韓国の闘い」「100年前のスペイン風邪での対策を元に闘った日本」「新型コロナと闘うために作り出した2つの武器」を紹介するほか、“パンデミック第二波”に、どうやって立ち向かっていくべきかにも言及する。

収録を終えた池上氏は「緊急事態宣言が、解除されたこの段階で中間まとめのような形で、これまでに何が分かってきたのか、あるいは治療薬・ワクチンとして、どのようなものが、どこまでできているのか、ということをキチッと皆さんに伝えることができたんじゃないかと思っています」と手応えをコメント。

また、「新型コロナウイルスに“打ち勝つ”みたいな言い方をしますけど、やはりウイルスに打ち勝つというのは非常に難しいんです。やっぱり人間というのはずっとウイルスと闘ってきて、共存してきました。実は、人間の遺伝子の中に取り込んでいるウイルスもあるんです。ウイルスによって人間が進化してきた部分もあるので、ウイルスとの共存、あるいは共生というのを考えていかなくてはいけないと思います」と語る。

その上で、「治療薬あるいはワクチンが完成しても、新型コロナウイルス自体がなくなることはないので、共に暮らしていかざるを得ないという“覚悟”は必要だし、さらに言えば、我々はちょっと傲慢(ごうまん)になりすぎていたんじゃないかと思います。いろんなことに打ち勝つなんて思っていましたが、やっぱり自然に比べると人類って弱いものだなと思ったり、これからどんどん環境破壊が進み、温暖化が進んだりすると、また未知のウイルスが出てくるかもしれません。環境を守るということは本当に必要なことだと、改めていま思い知らされたんじゃないかと思います」と話した。

さらに、政府・国に対し、「やはり、経済も大事、感染防止も大事、という中で、“経済が大事”ということにちょっと重きを置いているのではないかという不安はあります。第二波をどうやって抑えるのか、あるいは第二波が起きそうなときに、いち早くまた元に戻れるのか、という時に、国民にどういう説得力のあるメッセージが出せるのか、ということをしっかり考えてほしいと思っています」と要望した。

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