鈴木みのり(すずきみのり)。10月1日生まれ。愛知県出身。e-stone music所属。主な出演は『マクロスΔ』フレイア・ヴィオン役、『アイドルマスター シンデレラガールズ』藤原肇役、『カードキャプターさくら クリアカード編』詩之本秋穂役など。アーティストとしても活動しており、6月3日にはTVアニメ『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません』第二部のEDテーマ曲「エフェメラをあつめて」を配信シングルとしてリリース
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新型コロナウイルス(COVID-19)の急速な感染拡大や症状の重さなどにより2020年4月7日、政府から「緊急事態宣言」が発出された。アニメ・ゲーム・声優業界ではこれを受け、アフレコやラジオ番組の収録ストップ、演劇やライブといった人が集まるイベントの開催延期・中止を多数のコンテンツが判断した。宣言が解除された今も、"いつも通り"からはまだまだ遠い状況が続く。

そんな状況下でも、リモートでの番組収録、YouTubeチャンネルの立ち上げや配信、Twitterでの近況報告やライブ配信など、“いま、自分ができること”を考え、行動に移している人たちがいる。その配信で「元気」「勇気」をもらっている人は少なくないだろう。筆者・M.TOKUもその一人だ。

マイナビニュースでは、そんな皆様の活動や想いを多くの人に知ってもらうため、「私たちのおうち時間」企画を実施。それぞれの「おうち時間」企画を振り返ってもらったほか、自粛期間中の過ごし方、そして、こんな時だからこそ、自身が感じる“エンターテイメントのチカラ”について話を聞いた。

今回は、2020年4月19日に「#みのりんごとおうち時間」と題したTwitterでのライブ配信を行った、声優の鈴木みのりにリモートでインタビューを行った(取材日は5月中旬)。

●皆さんが安心できる何かをしたい

――鈴木さんは4月に「#みのりんごとおうち時間」を配信されました。これにはどのような経緯があったのでしょうか。

自粛期間でなかなか自身の活動を発信できなくなったとき、自分の身を案じてくれている方々が安心できる何かをできないかな、と思ったんです。その発信方法は色々とあるかと思いますが、私は、インターネットを通じて活躍されているエンターテイナーさんのようなことをやりたくって。

――インターネットで活躍されているエンターテイナーさんといえば、YouTuberさんやニコニコ動画の配信者さんなどでしょうか?

そうですね。私は元々、歌い手さんが歌唱していらっしゃる動画などが、すごく好きだったんです。歌が大好きになったのも、「自分も歌ってみたい」と思ったのも、歌い手さんがきっかけでした。そんな配信者の皆さんから、私は元気や勇気をもらってきたんです。それなら、同じように私が配信をやってみることで、皆さんに元気を届けられるかもしれない。そう思ったので、今回は準備なども自ら行う形での生配信にチャレンジしてみました。

――配信では、ご自身の好きなエンターテイメントについてもお話されていました。実際にやってみて、いかがでしたか?

ラジオなどで一人しゃべりをすることもあるので、特別難しいということはなかったです。ただ声優、歌手である私が趣味に走りすぎていいのかな、ということに悩みました。それでも、私の自然体やいまの日常が皆様の元に届いて少しでも安心してもらえれば、と思ったので、自分らしく、趣味全開の内容で配信しました。

――Twitter上では「#みのりんごとおうち時間」がトレンド入りしましたね。

まさかするとは思っていなくて……!ありがたいです。

―― 色々な人が鈴木さんの配信を楽しみにされていた結果がそのまま表れたのだと思います。

そうだと、すごく嬉しいですね!

●やるからにはこだわりたい

――今回は準備段階からご自身でされたとのことですが、機材や配信環境を整えるうえで苦戦したことはありましたか?

苦戦した……というよりも、やるからにはこだわりたい! という意思が働いてしまって(笑)。配信すると決めた時、性能の良いマイクを事務所からお借りできたんです。だったら、そのマイクを活かすための環境づくりをしないといけないと思ったんですよね。だから、吸音材や遮音材を通販で購入して、簡易的な防音室みたいなものを自宅内に作りました。DIYみたいで楽しかったのですが、遮音材がすごく分厚くて重くって! しかも、なかなか釘が刺さらなくて、組み立てるのに苦労しました。

――こだわっていますね!

防音ボックスが完成したときは、達成感がありましたね(笑)。その防音対策が終わると、次は配信ソフトをどうしようか考えました。世の中には色々なソフトがあるのですが、声の仕事をしているので、特に音質にはこだわりたかったんです。

――日常のことを伝えるとしても、声優である点は意識していた。

そうですね。声を聴いて喜んでもらいたいという気持ちが強かったです。結局、今回は、普段から生放送やゲーム実況をされている方々が使用されているソフトを参考にして選びました。でも、設定方法が全然分からず……。そこはいつもラジオの配信などでお世話になっているスタッフさんのお力を借りつつ、試行錯誤しながら準備していきました。

――自身も興味があったこととはいえ、スタッフさんたちと協力しながら配信環境を自身で整えられるのはすごいです。

みんなでインターネットの情報を照らし合わせながら、環境を整えて、何とか配信することができました……! 今回の配信をやってみて、ひとつの作品や番組を作るにしても、色々な方のおかげで成り立っているということが、身に染みて分かった気がします。普段のラジオ収録などだと、プロの方が音を録ってくださり、台本も考えてくださっているから、心が満たされていたんですよね。それは、とても幸せなことだと、実感しています。

――なるほど。鈴木さんはご自身のブログで、また「#みのりんごとおうち時間」をやりたいともおっしゃられていましたね。

次は雑談だけじゃなくて、普段のお仕事のことや、いつものライブでは歌わないような曲を許される範囲で「歌ってみた」のノリでやってみたいです! 何も決めずにただコメントを拾ってみるという、視聴者さん次第の企画もいいですね。あとは……今はお芝居が全然できない状況なので、セリフなどの読み上げや朗読みたいなこともやりたいです。