軽自動車の税額や納付期限、廃車・譲渡した場合、税金の納付が遅れてしまった場合など基本的なことを整理してみました。

◆軽自動車税とはどんな税金か
軽自動車税とは、4月1日現在の軽自動車の所有者に対して課せられる地方税です。自動車税の課税権者(=課税する者・課税する権利を持つ者)が都道府県なのに対し、軽自動車税の課税権者は市区町村となります。

言い換えれば、「4月1日現在の軽自動車の所有者に対して市区町村が課す税金」、これが軽自動車税です。

◆軽自動車税の対象となる車の種類
軽自動車税の対象となる軽自動車は、おおまかに以下のように区分されます。

●原動機付自転車:総排気量125cc以下のバイク
●軽2輪:総排気量125cc超250cc以下のもの、および総排気量660cc以下の雪上車
●小型特殊自動車:小型のトラクターやフォークリフトなど
●軽自動車:総排気量660cc以下の自動車

上記の区分からさらに排気量別に税額が決定される仕組みとなっています。

◆軽自動車税の税額
軽自動車税の税額は、軽自動車の種類や排気量ごと、あるいは事業用か自家用かなどの基準に基づき画像のように決められています(種類別といいます)。
上の図は原動機付自転車、軽2輪、小型特殊自動車、2輪の小型自転車の軽自動車税額、下の図は3輪・4輪以上の軽自動車の軽自動車税額<出典:大阪市ホームページ>

つまり、通常、家庭で乗る軽自動車を購入した場合、いままでは7200円だったものが、今後1万800円、あるいは1万2900円に増税されることになるということです(詳細は後述)。

なお、4月1日の所有者に対して全額が課税されるので、4月2日以降に廃車・譲渡等してもその年度分の税額をすべて納める必要があります。言い換えれば、「月割り課税などで納めた税額の一部が戻ってくる」ということはありません。

◆軽自動車税の納付方法
軽自動車税の納付にあたっては、まず市区町村が4月1日時点の所有者を把握し、所有者へ納税通知書が発送されます。所有者は納税通知書をもとに軽自動車税を納付します。

◆軽自動車税にまつわる近年の税制改正~軽課と重課
まず軽自動税においても自動車税と同様、環境負荷の小さい車については軽課、つまりグリーン化税制が行われています。軽乗用車の場合、概要は以下のとおりとなっています。

■電気軽自動車等であれば……概ね75%の税率軽減
■令和2年度燃費基準を20%上回って達成した場合……概ね50%の税率軽減
■令和2年度燃費基準を達成した場合……概ね25%の税率軽減

となります。金額にすると上から2700円、5400円、8100円となります。

その一方、車歴の長い、つまり環境負荷の大きい軽自動車ほど重税になる税制改正が行われています。

重課になるポイントとしては、

●平成27年3月31日以前に最初の新規検査をした車両
●平成27年4月1日以降に最初の新規検査をした車両

いずれかによって税額の適用形態が異なってきます。

◆軽自動車税重課の概要
たとえば4輪の軽自動車(自家用)なら、画像のようなケースに分類されるでしょう。
軽自動車重課の概要<出典:総務省ホームページより>

◇平成27年3月31日以前に最初の新規検査をした車両のケース
上記のケースでは7200円だった軽自動車税が、最初の新規検査から13年を超えると1万2900円にアップされるパターン(図の上から1番目、もしくは2番目のケース)です。

以前より軽自動車を所有していたという方は、おおむねこのパターンに該当するのではないでしょうか。

また、車歴が13年を超えないのであれば、7200円が当面継続するパターン(図の上から3番目)のこのケースに該当します。

◇平成27年4月1日以降に最初の新規検査を受けた車両のケース
税制改正後の重課がいきなり適用されるケースがコチラ(図の上から4番目、5番目)です。もちろん、所定の燃費基準を満たしていれば、グリーン化特例を受けることは可能ですが、翌年度より1万800円の軽自動車税の負担となります。

◆軽自動車にも環境性能割が
税制改正により、2019年10月1日、つまり消費税率アップ時に軽自動車税に新たに「環境性能割」が創設されました。

これに関連して、現行の軽自動車税は、「種別割」へと名称が変わり、軽自動車税の全体像は「環境性能割」と「種別割」の2つで構成されることとなります。

環境性能割の概要は表のとおり。
軽自動車税環境性能割の概要<出典:栃木県矢板市ホームページより>

こちらも燃費性能が優れていれば、非課税、もしくは税負担が軽減されるという傾向が踏襲されています。

◆軽自動車税を滞納するとどうなる?
すでに述べたように、軽自動車税は4月1日時点の所有者に対して全額が課税されます。たとえば、4月2日以降にバイクを友人に売却、もしくは廃車、壊れていて使えない状況にある、といった場合でも、その年度分の納税通知書は送られてきます。

そのため、市区町村の担当に連絡するなどして、「友人に売却」「廃車した」「壊れていて使えない」といった状況を伝える必要があります。

ただし、「廃車した」ことなどによって翌年度分からの納税義務が消滅しても、その時点で滞納している軽自動車税があれば、その軽自動車税は納税する義務があります。

また、軽自動車税には月割り課税制度はありません。したがって、4月2日以降に「友人に売却」「廃車した」というようないずれの場合にも全額課されるので、注意しておきたいところです。

軽自動車税の納付期限は5月末日です。納付を滞納したら、法定税率によって計算された延滞金も課されることになります。たとえば東京都を例にとると、

●納付期限1カ月以内……特例基準割合+1%
●納付期限1カ月後……特例基準割合+7.3%

が法定税率です。なお、特例基準割合も下表のとおり推移していますので、押さえておきましょう。
延帯割合の基準となる特例基準割合<出典:東京都主税局より>

たとえば、令和2年を例にとると、

■納付期限から1カ月を経過するまで……1.6%+1%=2.6%
■納付期限から1カ月経過した日以降の期間……1.6%+7.3%=8.9%

ということになります。

いずれにせよ、滞納しているなら、税負担が大きくならないうちに何らかの対応を取ることをお勧めします。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響により、令和2年度の軽自動車税については法令の要件を満たすことで、申請することにより、原則として1年以内の期間に限り、換価の猶予あるいは徴収の猶予が認められるなどの制度が設けられている市区町村もあります。

詳しくは各々の市区町村の担当課の問い合わせてみてください。

文=田中 卓也(マネーガイド)