島津製作所は5月26日、4月20日より発売を開始した「新型コロナウイルス検出試薬キット」を用いて、従来の鼻咽頭拭い液ではなく、唾液でのPCR検査の精度を調べたところ、鼻咽頭拭い液と遜色ない結果を得ることができたと発表した。

PCR検査における鼻咽頭拭い液の採取は、感染者の咳やくしゃみなどによる医療従事者への飛沫感染が懸念されていたが、唾液を用いた検査ではこうしたリスクを低く抑えられ、かつ採取自体もより簡単になることから、検体採取数の増加に伴う検査機会の拡大が期待されることとなる。

唾液による検査の実際の精度評価については北海道大学病院が協力。同大学病院では、入院患者の手術時に新型コロナウイルス感染症の罹患の有無を調べるスクリーニング検査で試験的に採用したという。

なお、同社の試薬キットは発売以来2000キット(20万検体分)を超す数を提供しており、予想を超す反響から当初の月間1000キット(10万検体分)から3000キット(30万検体分)に生産量を引き上げたという。

  • 新型コロナウイルス検出試薬キット

    2020年4月より島津製作所が提供している「新型コロナウイルス検出試薬キット」