皆さんこんにちは!科学コミュニケーターの鎌田@自宅です。

おそるおそる体重計と向き合う日々が続いております。皆さまはどのように健康維持(体重管理...)されているのでしょうか。ぜひ教えていただきたいです(切実)。

 

さて、月~金曜日の12時から放送しているニコニコ生放送「わかんないよね新型コロナ だからプロにきいてみよう」。皆さまはすでにご覧になっているでしょうか?

この番組は、国立国際医療研究センター国際感染症センターの堀成美さんと一緒にお送りしております。新型コロナウイルス感染症に対する気になる話題について、感染症対策のプロである堀さんに現場のお話を聞きながら、私たちがどのように向き合っていくべきかを一緒に考える番組です。

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このブログでは、5/18~5/22の放送内容から一部をピックアップしてお伝えします。また、各回にお届けした内容の一覧は、この記事の最後に記載しています。番組はいまからでも無料で視聴いただけます。ほかにも、未来館公式チャンネルのYoutubeでも順次公開しておりますので、詳しく知りたい項目があればぜひ動画をご覧ください。

なお、カッコ内の数字は放送開始からの経過時間です。ご視聴の際の目安にお使いください。



■各回のお話、ピックアップ

◆5/18(月)第一波はどうなったら終わり?(13:10~)

39県(5/23現在は42府県)で緊急事態宣言が解除され、今後全面的な解除に向かっていく中で、私たちの今後の生活はどうなるのかについての話を展開していきました。

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新型コロナウイルス感染症の第一波が収束するとはどういうことなのでしょう? 感染者が出なくなるということではなく、感染拡大を抑えられるようになることだと堀さんは言います。それには、新規感染者が出たら濃厚接触した人を把握してスムーズに検査をすること、そのあとに陽性者に適切な医療を提供できることが必要だと言います。そして、マスクやガウンなどの医療物資の不足による混乱がなくなることも、第一波の終わりというには必要ということを伺いました。

 

◆5/19(火) 奥州市民の緊急事態宣言への反応は?(06:16~)

緊急事態宣言が解除された県でどのように今後の対応を取っているのか、いくつかの県での対応について取り上げてお話をしていきました。そのうちの一つ、感染者がゼロのまま緊急事態宣言を迎え、そのまま終えた岩手県について、岩手県奥州・一関保健所長の仲本光一先生をゲストに招き、地域の対応についてお話を伺いました。

岩手県ではかつての東日本大震災の経験から、この感染症を災害としてとらえている市民が多く、災害対策としての意識が高いそうです。県知事が早い段階から情報を発信していたり、保健所でもホームページを閲覧しない高齢者のために新聞でも情報を出したりして注意喚起を行うなど、積極的に市民へ働きかけていると仲本先生はおっしゃっていました。

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ちなみにこのすてきな背景について、堀さんは地元横須賀の海、仲本先生は釜石の桜だということでした。状況が落ち着いたら実物を見に行きたいですね。

また、仲本先生が司会をされる、新型コロナウイルス感染症に対する一般向けの講演会についてもご案内をいただきました!

講演者の中には、以前番組にもご出演いただいた国立国際医療研究センター国際感染症センター長の大曲貴夫先生もいらっしゃるそうです...!

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第9回ジャムズネット東京講演会 「With Corona 世界の状況」

2020年6月28日(日) 13時〜15時

詳細は下記のリンクよりご覧ください。

https://is.gd/kNCzuG

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◆5/20(水) ワクチン開発の流れと開発状況 (11:30~)

今後の動向が気になるワクチン。ワクチンはできるのか?いつ使えるのか?など、気になることはたくさんあるのですが、残念ながら今言えることは「わからない」ということ。今後ワクチンができたらどうなるのか?できなかったらどうなるのか?というお話をしていきました。

世界中でワクチン開発が進められており、治験段階のワクチンは現時点で8つあります。ワクチン開発がこぞって行われていること、治験のどのフェーズに差し掛かっているのか、また治験の前の段階にもたくさんあるということをマラソンに例えながら絵で説明をしていきました。

治験をクリアした先に何があるのか、さらにはゴールと思っている場所も本当にゴールなのか、まだまだわからないことだらけです。

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◆5/21(木)認知症の方とできる感染症対策 (31:06~)

この日のテーマは「介護」。ただ、介護といっても、高齢者の場合や障害をお持ちの方の場合、はたまた施設へ入居されている場合や家庭で介助を行っている場合など、状況はさまざまではあるものの、いずれにしても「密接」の場面は生まれてしまいます。介助における感染症対策や会えない不安への対策について扱っていきました。

認知症の方には、状況がわからないことへの不安を感じる方が多くいらっしゃいます。そのため、毎日の日課を続けることやニュースに触れる頻度を減らすことなどが良いと提案されています。また、感染対策を気にするあまりに手洗いや距離を取ることを強制してしまうことは注意した方が良いそうです。

医療や介護の現場では、フェイスシールドやマスクという見た目から患者さんや利用者の方へ不安感を与えてしまいかねないため、なぜそのような装備をしているかの説明などコミュニケーションが重要であると堀さんは言います。「自分がどう見られているのか考える」「不安感を与えない」という点は、医療でも介護でも通じるところではないでしょうか。

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◆5/22(金)科学コミュニケーターが考えたコロナ対策の仕掛け(1:25:12~)

この日の前半は新型コロナウイルス感染症に対する治療薬候補のお話、そして後半はやらされていると感じない「仕掛学」の2本立てでお送りしました。

先週から今週にかけての5月中旬、新型コロナウイルス感染症への治療薬の早期承認をめぐる議論がありました。いち早く薬を使えるようにするために、薬を承認するための通常プロセスを緊急的な措置として特例的に緩和する動きと、安全性や有効性の確認が十分にならないのではないかと懸念する声があります。前半ではこの一連の流れについてのお話をしていきました。

 

そして後半は仕掛学の研究をしている大阪大学の松村真宏先生をお迎えして、これからの新しい生活様式を楽しく取り組めるような仕掛けについて一緒に考えていきました。

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さて、皆さまは「仕掛学」についてご存知ですか?耳慣れない方も多いのではないでしょうか?

仕掛学とは、強要されて行動するのではなく、ついその行動をとりたくなるように誘導するような仕掛けを研究する学問です。松村先生は普段は大学で学生と研究をすることが多く、校外での研究や依頼を受けて仕掛けを考えるということもされているそうです。

仕掛けには仕掛けられる側と仕掛ける側の目的が違う、目的の二重性が必要、と松村先生は言います。例えば、過去に先生が手掛けられたライオン型の手指消毒器の例では、仕掛けられる側はつい楽しそうで口に手を入れてしまいますが、仕掛ける側には消毒の実施率を上げるという目的があります。これはたしかに手を入れたくなる...私なら間違いなく仕掛けにはまります。

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今回は新型コロナに関連して、素人ながら科学コミュニケーターがこれからを楽しむための仕掛けを考え、それらについて松村先生から仕掛学の観点で、堀さんから感染症対策の観点でコメントをいただきました。

下の図は科学コミュニケーター片平による、子どもが楽しくマスクをつけられるようになるアイデアです。マスクについているQRコードを読み取ると、なんと仮面ライダーに変身!

仕掛学の観点から、松村先生には「目的の二重性があり、楽しい気持ちで実施ができそう」というコメントをいただきました!また、感染症対策の観点から、堀さんには「人が集まるところや飛沫が飛ぶ可能性のある時など、マスクの着用が必要になるときがある。マスクを意識できるのは良い」というコメントをいただきました。

そしてお話をしていく中で、街中に置いてあるサイネージで表示ができると面白い、など新たなアイデアも生まれてきました!いろいろなアイデアが浮かび、ワクワクしますね。

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このほかにも片平・三井・高橋明子による3つのアイデアを紹介しております。これらについてもぜひ動画でご覧ください!



■あなたの疑問もプロにぶつけましょう!

いかがでしたか?もっと詳しく知りたい!と思った方は、ぜひタイムシフトでご覧ください。各回へのリンクは、このブログの末尾に記載しています。

5/25からの週も毎日正午から番組を放送します。金曜日は2時間スペシャルでお届けする予定です。

皆さまからの質問にもたくさん答えていきたいと思いますので、新型コロナウイルスについて気になること、聞いてみたいことがありましたら、ぜひ下記のslidoにお寄せください。匿名での投稿が可能です。また、ニコ生でのコメントもお待ちしています!

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この番組は日本科学未来館の臨時休館が続くかぎり、月曜から金曜まで毎日、お昼の12時から配信予定です。月曜から木曜までは30分、金曜は2時間の拡大版でお送りしていきます。

音声認識字幕アプリ「UDトーク」による情報保障もおこなっています(詳細はこちら https://www.miraikan.jst.go.jp/info/2004081325755.html)。

放送中の質問は、ニコニコ生放送のコメントから。※コメントの投稿には、ニコニコ生放送へのアカウントの登録(無料)が必要です。

放送時間外は、アンケートサービス「slido(https://www.sli.do/jp)」から。アクセスコード「#97984」をご入力の上、ご記入ください。

番組ツイッター「わかんないよね新型コロナ@ニコ生(https://twitter.com/channel_covid)」でも受付中です。「#わかんないよね新型コロナ」とつけてツイート、または番組ツイッターにメンションしてください。

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■各回の内容一覧

今週お送りした各回のテーマとトピックを一覧にしました。ぜひ気になるところから、過去の放送を覗いてみてください。すべて無料でご視聴いただけます。

https://ch.nicovideo.jp/miraikan

◆5/18(月)科学コミュニケーター伊達の気になる今後の話(担当:伊達)

https://live2.nicovideo.jp/watch/lv325965869

【39県での緊急事態宣言解除を受けて】

・医療の受け入れ態勢に余裕はできた?(03:55~)

・今後感染症対策面で変更はある?(08:40~)

【今後の対策における緩急の考え方】

・第二波の兆候、何を見たらよい?(12:20~)

・第一波はどうなったら終わり?(13:10~)

・今の医療現場での目標は?(14:00~)

・韓国でのクラスター発生、どう見る?(15:50~)

・緊急事態措置の解除の水準について(21:25~)

・水準をクリアしているのに解除されない場所があるのは?(22:10~)

・陰性証明についてどう思う?(24:26~)

・職場や学校に行っていいかどうか、どう判断?(32:27~)

◆5/19(火)各地域の取り組み、その特徴は?(担当:小林)

https://live2.nicovideo.jp/watch/lv325965883

【感染者ゼロの岩手県における対応~奥州・一関保健所長 仲本光一先生ご登場!~】

・市民の緊急事態宣言への反応は?(06:16~)

・現在、市民にどのような働きかけをしている?(07:52~)

・広大であり過疎化が進む県ならではの苦労は?(09:00~)

・検査や入院などの準備態勢は?(13:22~)

・岩手は予防に注力している?(16:20~)

・避難所でのコロナ対応を考えている?(17:56~)

【離島が多い沖縄県における対応】

・なぜ離島への移動を制限するの?(19:30~)

【1都3県が近い茨城県や群馬県における対応】

・規制の緩和は1都3県の流行状況に左右される(23:21~)

【業界ごとのルール作り】

・ガイドライン監修のお仕事は増えている?(28:27~)

・ガイドラインを作成するときに気を付けるべきことは?(29:01~)

◆5/20(水)わかんないよね コロナのワクチン(担当:高橋)

https://live2.nicovideo.jp/watch/lv325965891

・ワクチンについて気になるアレコレ、まだ全然わかりません (03:11~)

・なぜワクチンが注目される? (07:23~)

・ワクチン開発の流れと開発状況 (11:30~)

・治験の中間発表をどう見たらよい? (20:04~)

・感染症が流行していると、治験のサンプル数が増えますか? (22:26~)

・ワクチンができない可能性もある? (24:00~)

・ワクチン開発と、ウイルスの変異との追いかけっこになる? (27:44~)

・ワクチンができない場合、できた場合 (30:39~)

・ワクチンを打つ優先順位はどう決まる? (33:53~)

・新型コロナのワクチンは免疫が長続きしない? (36:21~)

・ワクチンは、今後の生活スタイルを変えうるゲームチェンジャー (38:45~)

・はしかで見る、ワクチンの効果(死亡者数の推移) (39:20~)

◆5/21(木)接触が避けられない介護、どう対策する?どう理解してもらう?(担当:田中)

https://live2.nicovideo.jp/watch/lv325965906

【会えない不安をどう解決する?】

・ビニールカーテン越しの面会 (05:22~)

・オンラインでの面会 (06:25~)

・他の国ではどうしてる?面会の工夫 (09:40~)

・田中が選ぶ、面会に役立ちそうなロボット技術 (14:20~)

【介助が必要なとき、感染対策をどうする?】

・障害者施設での集団感染例ではどうしていたか (19:33~)

・介助の現場でできる工夫の紹介(24:53~)

・堀さんによる介助アドバイス (26:20~)

・介助者を助ける「ノーリフト」の考え方 (28:15~)

・認知症の方とできる感染症対策 (31:06~)

・知的障害の方とできる感染症対策 (34:39~)

◆5/22(金)COVID-19の治療薬候補とやらされていると感じない「仕掛学」の話(担当:鎌田)

https://live2.nicovideo.jp/watch/lv325965918

【新型コロナウイルス感染症の治療薬候補】

・COVID-19治療薬の早期承認を巡る議論(04:55~)

・臨床試験にまつわる用語の解説(08:21~)

・日本医師会「COVID-19治療薬開発についての緊急提言」(12:00~)

・治療薬が「効果がある」というためには(18:40~)

・問題が起きた時の責任の所在は(23:05~)

・アビガンとその臨床研究(25:25~)

・その他の治療薬候補(35:34~)

・薬の評価で「致命的なことが起こる」とは、具体的に何を指す?(38:13~)

【雑談タイム】

・科学コミュニケーター山本による「アリの巣とSTAY HOME」 ※虫の画像注意(47:00~)

【やらされていると感じない「仕掛学」 ~松村真宏先生ご登場!】

・「仕掛学」とは?(1:01:43~)   

・仕掛けの例:JR大阪駅の階段(1:04:43~)

・仕掛けを成功させるコツは?(1:10:08~)

・感染症対策につながる仕掛け~つい手を入れたくなる「真実の口」~(1:14:31~)

・感染症対策を徹底させるための医療現場の工夫(1:21:31~)

・科学コミュニケーター片平・三井・高橋明子が考えたコロナ対策の仕掛け(1:25:12~)

・何かを「させる」のと「させない」のと、どちらが難しい?(1:45:12~)

・仕掛けの失敗例はある?(1:46:30~)

・学校の授業時の感染症対策(1:49:27~)

・園児の手洗い習慣のための仕掛け(1:53:48~)

・松村先生のお仕事についてもっと知るには?(1:57:24~)



Author
執筆: 鎌田 芽生(日本科学未来館 科学コミュニケーター)
病気で入退院を繰り返した経験より、漠然と「将来は医療に関わる仕事をしたい」と思うようになる。「医学と工学を結びつける」という学問に興味をもち、理工学部へ進学。研究活動をするにつれて、「医療の現場に関わりたい」と強く思い、治験コーディネーターとして勤務。そして「科学の基礎知識を深め、もっと多くの人と関わりたい」と思い2018年10月より未来館へ。