コロナ後の住まい方。子育てが楽しくなるプチ田舎の「平屋」という選択肢

新型コロナウイルスの影響が長引き、小さいお子さんがいる方は大変な日々を過ごされていることでしょう。お子さんが一日中家にいられるはずもなく、かといって、子どもが遊べる施設や大きな公園も閉鎖されていると、行き場がなくなってしまいますね。

今回はこんな問題を少しでも解消できるかもしれない、子育てが楽しくなる平屋の家について解説します。

コロナ後の働き方と住まい方

今回の新型コロナウイルスによる影響で、働き方が大きく変わりました。パーソル総合研究所の調査(緊急事態宣言(7都府県)後のテレワークの実態調査)によれば、緊急事態宣言後の正社員のテレワーク実施率は全国平均で27.9%となり、3月半ばの13.2%から1ヶ月で2倍以上増えています。

特に東京都のテレワーク率は49.1%で約半数の人はテレワーク経験者です。対面が当たり前だった研修や会議、就職活動も、オンラインが次々と導入されています。

テレワークが進めば、今までのように月曜日から金曜日まで決まった時間に出勤という働き方は少なくなっていくでしょう。現在は共働きで都心の会社に毎日通勤という事情から、職住接近の都心のマンションに住まう子育て世代も多いですが、週に数日の出社となれば、郊外の一戸建てで子育てをしながら共働きを続ける、という選択肢もあるでしょう。

働き方が変われば、住まいも変わります。オフィスで過ごす時間が短くなる分、「土日と平日の夜だけ帰る家」から「家族と長時間過ごす家」「家事も子育てもしながら仕事もする家」を欲しいと思う人も増えるでしょう。

郊外でのびのびと暮らせる平屋の家

こうした暮らし方の変化の中で、郊外、または新幹線など通勤に便利なプチ田舎の「平屋」で子育てする、という選択肢も考えられます。都心から離れれば土地の値段は安くなり、その分土地を広く買うことができ、平屋の家を建てられる可能性も増えてきます。

特に子どもが3~4歳くらいまでは危なくて目が離せない時期。平屋のメリットはいろいろとありそうです。

1. 階段がないので目を離したすきに階段から落ちる心配がない

階段の2階と1階に柵を付けている家はよく見かけますが、それでも少し知恵がつけば柵を外して、または乗り越えて、気づかないうちに階段から落ちることも! そもそも階段がない平屋の家ならそんな心配もなくなります。子どもに目が届きやすい家、とも言えますね。

2. 掃除・片付けがしやすい

平屋の家は、階段の掃除をしなくてすみます。階段は隅っこにほこりがたまり結構面倒ですね。掃除機を持って、子どもの手を取って一緒に階段を上る、という手間もありません。また、玄関や1階で着替えた服を2階にしまう手間もありません。平屋は掃除や片付けが楽な家でもあります。

3. 将来自分たちが高齢になってからも、楽な動線で住み続けられる

高齢になって足腰が弱ってからも、階段がない家なら長く住み続けられます。人生100年時代ですから、階段の昇り降りが厳しくなっても、車いすになっても住み続けられる家は大切です。

緑の多い自然が近い地域の平屋でのびのびと子育ては、とても幸せな選択肢に見えます。しかし、2階建てに比べると広い敷地が必要になるため、土地選びは価格だけでなく、どんな家が建てられるのかという視点も忘れないようにしましょう。

そのために知っておきたいのが、建ぺい率と容積率です。

同じ土地の広さでも建てられる家の広さが違う

たとえば、30坪の平屋を建てるためには30坪の土地を購入すればよい、というわけではありません。敷地により建ぺい率と容積率が決まっているからです。建ぺい率とは敷地面積に対する建築面積の割合を言います。容積率とは敷地面積に対する延べ床面積の割合です。

建ぺい率とは:敷地面積に対する建築面積の割合
容積率とは:敷地面積に対する延べ床面積の割合

たとえば「建ぺい率40%、容積率80%」という地域では、30坪の土地に1階面積12坪、2階面積12坪の24坪の家までしか建てられません。平屋なら建ぺい率の上限である12坪の家しか建てられません。

土地:30坪、建ぺい率:40%、容積率:80%の場合
1階面積が12坪、2階面積が12坪の24坪の家となる

これではのびのびとした子育てするにはちょっと厳しい広さです。30坪の平屋の家を建てるには75坪の敷地が必要になってしまいます。

これが、建ぺい率60%の土地なら同じ30坪の家を、50坪の土地で建てられます(下図参照)。1坪30万円の土地なら50坪の土地代は1,500万円ですが、75坪の土地が必要なら2,250万円となり、建ぺい率の違いで750万円も予算が上がってしまいます。平屋を建てるときは特に建ぺい率に注意した土地選びが重要ですね。

街を選ぶポイントは?

いくら郊外やプチ田舎の家とはいえ、どこでもいいというわけではありません。最後に子育てしやすい街を選ぶポイントについても考えておきましょう。

  • 1. 交通の便利さ

  • 出勤日数が少なくなるとはいえ、通勤に不便な土地では結局会社の近くにパパだけ家を借りて、週末のみ家に帰ってくる、ということにもなりかねません。自宅から会社までのアクセスは街選びの大きなポイントの1つです。郊外から勤務地につながる鉄道の沿線や、新幹線で1時間程度で通勤可能な街は今でも人気があります。

  • 2. 買い物や生活の利便性

  • 「買い物難民」という言葉があるように、スーパーや幹線道路沿いの大型店、ショッピングモールなどが全く近くにない、という地域では、子育てや将来自分たちが高齢になってからの生活が不便になります。もちろんオンラインショッピングもどんどん便利にはなっていますが、日常のお買い物ができるお店が近くにあることは重要なポイントです。

    子どもと一緒にお出かけできる楽しい公園や施設などのスポットや、お出かけや仕事で疲れてご飯を作れないとき、家族でおいしく楽しくご飯が食べられる飲食店の存在も大切ですね。

  • 3. 子育てにやさしい地域性

  • 子育てのための平屋なら、子育て支援が充実した街選びは必須です。保育園への入りやすさ、保育費や医療費の補助など、子育てに必須のサービスはもちろん、病児保育や家族の病気や介護時の緊急保育など、相談窓口がしっかりした自治体を選ぶことで、いざというときのストレスが大きく軽減されるでしょう。

    子育てというとどうしても待機児童や補助金に目が行きがちですが、地域の人たちとの交流も大切です。「郷に入れば郷に従え」という言葉があるように、地域のコミュニティに自分たちがなじめるかどうかも大切なポイントです。ご近所さんや自治体の活動など、住む前に何度か訪れて街との相性を感じておくのもよいでしょう。

  • まとめ

  • テレワークの普及とともに、今まではあきらめていた郊外の平屋の家という住まい方も選べる時代になってきました。子育てにやさしい家や街は、高齢になっても暮らしやすくやさしい家や街だと思います。

    ぜひ、この機会に自分がどう暮らしたいのか、そのためにはどこにどんな家を建てるのがよいのか、ということをご家族、ご夫婦で考えてみてはいかがでしょうか。

  • 執筆者:有田 美津子