岡田健史

いくえみ綾の人気コミックを実写化したFODオリジナルドラマ『いとしのニーナ』が配信中。主演を務めているのは、ドラマ『中学聖日記』(TBS系)で鮮烈デビューを果たした岡田健史だ。

主人公は、岡田演じる高校生の外山厚志(通称あっつ)。幼なじみのマサ(望月歩)が憧れの美少女・ニーナ(堀田真由)を拉致した事件をきっかけにニーナのボディーガードをすることになった厚志は、心に傷を負ったニーナの力になりたいと思ううち、彼女に恋心を抱いていく。

先述の通り、岡田は2018年10月期に放送された『中学聖日記』で俳優デビュー。ドラマ放送前のプロモーションは一切なし。第1話でいきなり“黒岩晶”として登場した彼は、教師・末永聖(有村架純)に恋をするあどけない中学生から、大人の色気溢れる社会人までを演じきり、視聴者の心を鷲づかみにした。

その後、1st写真集は発売前に重版となり、20歳の誕生日に行われたファンミーティングには4000人のファンが集結。「アリナミンMEDICAL Balance」や「JR SKISKI 2019-2020」などの広告キャラクターに起用されるなど、その注目度は一向に衰えず。

『中学聖日記』以降、地上波ドラマへの露出は控えめだったとはいえ、FBS福岡放送の開局50周年記念スペシャルドラマ『博多弁の女の子はかわいいと思いませんか?』やAbemaTVオリジナルドラマ『フォローされたら終わり』に主演したほか、今年3月公開の『弥生、三月 -君を愛した30年-』で映画初出演を果たすなど、俳優としての経験を着々と積んできた。

そんな岡田が『いとしのニーナ』で演じるのはヘタレ男子。マサがニーナを拉致するという衝撃的な幕開けとなった初回では、学校一の不良・牛島(笠松将)に怯えながらも、ありったけの正義感でニーナを救出。その後、事の経緯を説明しようとニーナの自宅を訪れるが、ニーナから暴言&ケーキを顔に食らうと何も言えなくなってしまう。厚志は子犬のような眼差しでニーナを見つめ返すのが精いっぱいだ。

振り返れば、『中学聖日記』で岡田が演じた黒岩晶の魅力は、なんといっても“危うさ”にあった。俳優デビューとなる岡田自身がまとう“危うさ”と、年上教師に禁断の恋をする少年の歯止めのきかない“危うさ”が重なり、黒岩晶という人物を一層魅力的にしたのである。

加えて、初芝居の“初々しさ”やある種の“堅さ”を武器としていた当時の岡田だが、『いとしのニーナ』では、表情、仕草、セリフ……そのすべてが柔らかに。自身の性格を表すようなまっすぐな瞳はそのままに、経験を積んだ岡田の余裕をも感じられる厚志には、感慨深さを覚えるほど。そして、実力ある同世代俳優との“演技のキャッチボール”をのびのびと楽しむ姿は、第2話への期待を高めるのに十分だった。

さらにワクワクするのは、岡田が演じている人物が“外山厚志”であること。たとえば『G線上のあなたと私』(TBS系)の加瀬理人(中川大志)のように、いくえみ作品で描かれる男性キャラクターは「いくえみ男子」と称され、王子様やヒーローではないけれど、なぜか心惹かれてしまう男子たち。強みを前面に打ち出すキャラクターではないだけに、人としていかに魅力的に見せるかは、俳優の技量にかかっているのだ。

岡田は「『いとしのニーナ』徹底分析SP」(FODで無料配信中)で、役作りについて「原作に引っ張られることだけが正しいことでもない」「自分にしかできない“あっつ”を作っていこうと思った」とコメント。だからこそ、岡田ならではの厚志がどのように視聴者を惹きつけていくのか見逃せない。

5月25日(月)からは『中学聖日記』(TBS系 ※一部地域を除く)の特別編が放送されるため、今後ますます飛躍するであろう岡田の“原点と今”を同時に堪能できるとは、願ったり叶ったり。さらには、現在放送延期となっている星野源&綾野剛との共演ドラマ『MIU404』(TBS系)をはじめ、『劇場版 奥様は、取り扱い注意』『ドクター・デスの遺産 -BLACK FILE-』の公開も控えるなど、岡田健史旋風はすぐそこに迫っている。

(文・nakamura omame)