レナウン経営破たんの一因はEC化の遅れ?売り場の変化への対応が命取りになったか

アパレル大手のレナウンは5月15日、東京地方裁判所から民事再生手続きの決定を受けたと発表した。ブランド力の低下や、親会社からの資金回収の遅れで経営悪化している中、新型コロナウイルスによる営業休止が経営破たんのダメ押しになったと報道されている。ブランド力低下や販売不振の背景には、百貨店偏重の販売チャネルにもありそうだ。進めていたEC化の遅れも経営破たんの遠因となった。

レナウンの2019年12月期(9カ月の変則決算)の業績を見ると、EC売上高は11億900万円。EC化率は3.2%だった。販売チャネル別の売上構成比では、百貨店が55.4%を占めている。


販売チャネル別の売上構成比

EC売上を拡大する計画を掲げていたが、思うように伸ばすことができていなかった。EC売上高は前年同期比4%増と拡大しているものの、2019年12月期の計画では13億円にまで拡大する計画だった。達成率は85%に留まった。


販売チャネル別売上高の前年比推移

2020年12月期も、EC売上高を18億円(前年の同期間と比べ53.9%増)まで拡大する計画を掲げていた。



EC化を推進する方針を掲げていたが、実際は百貨店依存から脱却できない状況に陥っていたようだ。

既存事業が不調な中で、ECだけ伸ばすのは簡単ではない。アパレル大手でEC化が進んでいる企業は、リアルも比較的強く、ネットとリアルの相乗効果でECも拡大できている面もある。

ただ、レナウンが売り場の変化に対応するのが遅れていたのは間違いないと言える。売り場の変化とは消費者の購買行動の変化でもある。旧態依然としたプロダクトアウト型の販売手法は通用しなくなっているのかも知れない。

大手アパレルもユーザーとのダイレクトなつながりを重視するD2Cモデルを取り入れ始めているのは、その顕れだろう。新型コロナウイルスがその流れを一気に推し進めた。もう後戻りはしないだろう。