日本電信電話(NTT)とインテル コーポレーション(インテル)は5月14日、消費電力の大幅な削減など従来技術の限界を超える新しいコミュニケーション基盤「IOWN」の実現に向け、2023年4月までの共同研究契約を締結したことを発表した。

両社の提携は、研究開発における戦略的協業として、NTTのフォトニクス技術、デジタル信号処理(DSP)技術、コンピューティング技術ならびにネットワーク基盤運用技術と、インテルの豊富な技術ポートフォリオ、サポート体制、ハードウェア・ソフトウェアに関する専門知識を活用するもの。

光技術を電子回路と連携したプロセッサチップ内の信号処理部にも導入し、光電融合による新しいコンピューティング基盤を実現すること、大容量・低遅延な将来の通信インフラを最大限に活用して地上、エッジ、クラウドをつなぎ、実世界からの膨大なデータを効率的に処理するコンピューティングインフラを実現すること、そして同インフラでAI演算デバイスを活用するためのソフトウエアフレームワークを開発するということだ。

今後は、これらの共同研究成果を活用したスマートモビリティ、スマートインダストリ(スマートアグリカルチャ含む)、スマートエリアマネジメントのPoC、ユーザー評価を2020年度下期より開始し、IOWN構想の具現化を加速させていくとしている。

また、この共同研究はフォトニクス・ネットワークの全インフラストラクチャを統合して、将来のデータおよびコンピューティング要件を満たす新しい通信インフラストラクチャの採用促進につながる取組みとして、NTT、インテル、ソニーによって設立されたIOWN Global Forumでの活用についても検討していくということだ。