セイコーエプソンは5月14日、同社のオフィス製紙機で使われている技術を応用してマスクの製造を開始すると発表した。合わせて、フェイスシールド5,600枚、および医療用マスク10万枚を、新型コロナウイルス(COVID-19)の治療に当たる医療機関などへ5月18日週から無償提供する。

  • セイコーエプソンの発表文

同社は国内外拠点向けにフェイスシールドや医療用マスクの配布を準備していたが、乾式オフィス製紙機「PaperLab A-8000」で使われている技術「ドライファイバーテクノロジー」を応用したマスク製造のめどがたったことから、購入を予定していたフェイスシールドや医療用マスクを医療機関へ無償提供する。

ドライファイバーテクノロジーは、使用済みの紙を線維化し、新たな紙を再成形する技術。使用済みの紙を、水をほぼ使わずに繊維に変え、繊維を結合。結合した繊維を加圧して、新しい紙に成形するものだ。今回はマスクに適した素材を用意してマスク製造を行う。

マスクの製造は現在、実証実験を行っており、長野県の神林事業所、諏訪南事業所で2020年5月末から量産を開始する。製造したマスクは社内の製造ライン向けに配布するほか、一部は医療機関にも無償提供するという。一般販売は予定されていない。