これまで『ぼくたちは勉強ができない!』や『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』など、数々のTVアニメの主題歌を歌ってきたシンガー・halcaが、5月27日に5thシングル「時としてバイオレンス」をリリースする(※配信は5月13日開始)。

  • halca(はるか)。7月7日生まれ。ミュージックレイン所属。2013年に第1回「ウタカツ!オーディション」で準グランプリを獲得。2018年にTVアニメ『ヲタクに恋は難しい』EDテーマ「キミの隣」でメジャーデビュー。2020年7月放送予定のTVアニメ『彼女、お借りします』EDテーマも担当する
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『邪神ちゃんドロップキック’』のOPテーマに起用された爽快感のあるアッパーチューンで、自身初となるアニメOPテーマを担当することとなった。そんな新譜のリリースにあたってインタビューを敢行。充実のカップリング2曲も含めて、たっぷり語ってもらった(本インタビューはビデオ通話にて実施)。

●自身の歌を振り返る機会として活かした、“STAY HOME"期間

――最近は自宅で過ごされる時間が増えていると思います。ライブ開催も難しい状況が続いていますが、そんななかで歌うことについての想いに何か変化はありましたか?

すごく鼻歌が増えました! ライブやイベント、レコーディングで早く歌いたいなっていう気持ちがあふれ出ているというか……有難いことに今まで歌える機会をたくさんいただいていたので、「歌いたい! 聴いてもらいたい!」という抑えられない気持がが出ているような感じなのかな、と思っています(笑)。あと、改めてCDで自分の曲を聴き返すと、「最近のライブではこう歌う癖があったけど、当時はこうやって歌っていたなぁ」という曲もありました。

――ご自身で、自分の変化に気づいた。

はい。それで、今の自分でもう1回歌ってみて聴き比べてみると、「ここは最近のほうがいいから、次のライブでもそうしよう」という部分や「ここは初心に戻って、CDの自分をお手本にしたほうがいいな」みたいなところもあったんですよ。そういうふうに自分の楽曲を振り返る、良い機会にもなりました。

――ニューシングルの表題曲「時としてバイオレンス」は『邪神ちゃんドロップキック’』のOPテーマですが、作品自体はもともと知っていましたか?

はい! ツッコミどころ満載な部分があったり、わかる人にはわかるようなパロディっぽいものが入っていたり、「それ流していいの!?」みたいな部分もあるとても賑やかな作品じゃないですか(笑)。そういうところがすごく面白くて、私も観てゲラゲラと笑っていたんです。でも、今まで主題歌を担当させていただいた作品は恋愛ものの作品が多くて、こういう女の子がいっぱい出てくるがっつりコメディな作品は初めてなので、最初にお話を聞いたときは「私が歌わせてもらえるの!?」ってびっくりしました。曲も「どんな曲になるんだろう?」とすごくわくわくしました。

――そのとき予想した曲調と実際の曲調は、結構近かったですか?

いい意味で近くなかったです。作品になぞらえてちょっとネタっぽい曲といいますか、わちゃわちゃした掛け合いとかがいっぱいあるような曲なのかな? と予想していたんですけど、"ザ・王道OP曲"と思うような疾走感のある曲で、嬉しかったです。あと、OP映像がプレミア公開されたときに私も観ていたんですけど……。

――どんな反応がありました?

映像のおかげもあって、"邪教徒"(※『邪神ちゃんドロップキック』ファンの総称)の方々が「あれ? 観るアニメ間違えたかな?」みたいにコメントされていて……「しめしめ」って思いました(笑)。正直にお話しすると、2期から主題歌を担当させていただくということに、ちょっと不安もあったんです。でも、邪教徒の皆さんはすごく優しく前向きに受け入れてくださって、みなさんからのコメントを見てとても嬉しかったです。「みんなで一緒に楽しく『邪神ちゃんドロップキック’』を盛り上げていこう!」という想いが感じられて、すごく温かさを感じました。

●レコーディングで意識した、気持ちよさとOPらしさ

――そんなOP曲のなかで、halcaさんお気に入りのポイントは?

いっぱいあります! 全体的になんですけど、初めて聴いたときにベルが鳴っているような明るい感じもしましたし、特にサビでは階段を駆け上がっているような曲だなという印象も受けました。その2つのイメージが、聴いていてわくわくさせてくれているように思います。

――また、歌詞には邪神ちゃんとゆりねの関係も反映しつつ、アニメを離れてラブソングとしても聴ける曲のように感じました。

邪神ちゃんって、ほんとはみんなと仲良くしたいけどついつい意地悪しちゃってお仕置きされちゃうじゃないですか? なので"邪神ちゃんの曲"と思って歌うとツンデレの曲っぽいんですけど、ラブソングの目線から聴いてみると、追いかけても、追いかけても追いつけないすごく鈍感な人にアピールしているような感じがするんです。そういうところも、すごく面白い曲ですよね。

――ただ、そうなるとレコーディングでは多様なイメージのバランスを取るために、いろいろと考えて歌われた部分も多かったのでは?

実はあまり頭を使わずに、勢いと感覚で歌っていったんです。でも、そのなかで「歯切れ良く歌うこと」には気をつけました。サウンドがすごく気持ちいい曲なので、「聴く方にとって、耳に気持ちいい曲になったらいいな」と思って、歌声からもそう感じてもらいたくて、そこは意識して歌いました。

――特にどんな部分に気をつけられましたか?

自分の発する言葉の中で、カ行が一番得意だと思っているんですけど、そういうところはいつもよりも強調しました。たとえば、1番の「サプライズのバクダンも」というフレーズの"バクダン"の"ク"とかで、特にそういうものを感じてもらえるかもしれません。

――そういう部分の子音を立たせることを、意識したというか。

はい。あと、サビとかでの高音を裏声にするんじゃなくて、でも優しかったり余裕そうだったりでもなく、しっかりスパーンと突き抜けるように歌ってみました。実はこの曲、最初に聴いたときはまだOPかEDなのか決まっていないタイミングに出会ったのですが、なんとなく曲調から「OPかな?」と勝手に思っていたので、「最初に流れるなら、パーンと弾けるような元気が出る感じがいいよね」と思ったんです。

――そのアプローチ、ラブソングとしてこの曲を見たときに、女の子の必死さのようなところにもつながるかもしれません。

たしかにそうですね! 必死そうな「待ってよー!!」みたいな姿を感じていただけるかもしれませんね。