音楽プロデューサーのつんく♂が、自身初の絵本『ねぇ、ママ?僕のお願い!』(双葉社)の発売に先駆け、YouTubeで無料公開。読み聞かせ動画として声も収録されており、ネット上で反響を呼んでいる。

つんく♂

同書は詩をつんく♂、絵をイラストレーター・なかがわみさこ氏が担当。ある日、「ボク」は「買い物に行きたいんだ」とママにお願いするも、なかなか聞き入れてもらえず。ついには泣いてしまい、ママからは「泣いて頼んだってダメだから」と一蹴され……。昨年から、ゴールデンウィークの発売に向けて制作していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で発売の延期が決まっていた。

つんく♂は6日に更新したブログで、「アーティストとしてせっかく出来上がった作品の発表の時期を待つ…。世の中の皆様がいろんなことを我慢なさっていることも重々承知です。出版社の双葉社の皆さんとも幾度となく話し合い、どうすることが我々にとって本当のベストかを議論してまいりました」と経緯を明かし、「結論を申しますと、本の発売を待たずしてYouTubeにて内容を発表させていただくことといたしました」と報告。

「正直、出版社の皆様からしてみれば、とんでもないことというのもわかっております。だって誰もが無料で見られるのだから。でも、とにかくいち早くお届けしたかった」と公開に踏み切った思いをつづり、「私のわがままを聞いていただき、本当にありがとうございます」と双葉社への感謝も。

そして、「より多くの方にこの作品が届くことを祈り、そして少しでも気に入ってくださった方は家族、親戚、友人、知人の皆様方に共有拡散し、お知らせいただけると幸いです。例え、ひとときであっても、笑顔とキュンが世界中に響き渡れば!とそう思っております」と願いを込め、「どうぞ、未来が明るい未来で有りますこと、心より祈っております。ありがとうございました」と結んだ。

一方の双葉社は、「出版社としては死活問題」が本音ではあるものの、「……が、こうなれば、我々も腹を決めた!」。「つんく♂さんの想いとともに1人でも多くの読者に絵本動画をお届けしよう」と決意し、「併せて書籍絵本の発売日の確定を猛スピードで進めている」という。

YouTubeのコメント欄には、「感動で涙が出ます」「ハッとさせられる動画」「友人や恋人との関係についても考えるきっかけになりました」「気づかされる事沢山ありました」など感想が続々。つんく♂はブログで「主人公の少年の声は先日9歳になったばかりの僕の次女の声」と明かしているが、「声もとってもかわいい」「声に涙しました」といった称賛も書き込まれている。