新型コロナウイルス対策で休止休業あるいは営業時間短縮の協力に応じた中小事業者や個人事業主に支給する「東京都感染拡大防止協力金」の受付が開始。申請書類の入手・記入方法、添付書類の確認についてお伝えします。

新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、都の要請や協力依頼に応じて、施設の使用停止や営業時間の短縮に全面的に協力する中小事業者や個人事業主に対し、協力金を支給する制度、いわゆる、東京都感染拡大防止協力金の受付が令和2年4月22日(水)から開始されています。

家賃や従業員の給与、あるいは借入の返済など、いわゆる「売上が0円でもかかる支出」がある事業者の身になってみると、支給額が50万円(2事業所以上で休業等に取り組む事業者は100万円)の給付金でも「打てる対策はすべて打っておきたい」と考えるのが通常ではないでしょうか。

そこで、ここでは東京都感染拡大防止協力金について、この制度の給付対象者となるかどうか、申請書類の入手方法、申請書類の記入の仕方、あるいは添付書類や添付書類の確認といった実務上の注意点について整理しておきたいと考えます。

◆対象となるかどうかを確認する
東京都協力金の準備ですが、まず対象となるかどうかの確認からはじめましょう。対象となる要件を箇条書きに整理してみると以下のようになります。

◇東京都内に主たる事業所又は従たる事業所を有していること
他の都道府県でも踏襲する動きがあります。

◇中小企業基本法第2条に規定する中小企業及び個人事業主であること
たとえば、サービス業の場合資本の額又は出資の総額が5000万円以下で、常時使用する従業員の数が100人以下といった要件とされています。卸売業や小売業では別の規定となっていますので、個別に確認する必要があります。

また、「大企業が実質的に経営に参画していない」という要件も付されているので、「飲食店の店長ではあるが、一従業員である」といったように、その店長が経営者でも個人事業主でもない場合は、「そこの経営母体がこの支給要件を満たすかどうか」で判断することになるでしょう。

◆具体的な業態や対象施設はどこで確認する?
この制度はそもそも「都の要請や協力依頼に応じて」という前提条件もあります。

したがって上記の中小企業の経営者、あるいは個人事業主で「休止、休業あるいは営業時間短縮の協力を要請されている施設」に該当しているかどうかもポイントとなります。

東京都の場合、令和2年4月17日19時現在の対象施設一覧をホームページ内で公表していますので、こちら(表参照)で確認していくことになります。
東京都感染拡大防止協力金対象施設一覧 抜粋(出典:東京都感染拡大防止協力金Webサイトより)

◆申請書類はどこで入手する?
申請に必要な書類等の入手方法ですが、東京都感染拡大防止協力金のサイトから入手できるほか、都税事務所や支所、都内区市町村で配布されています。

「人と会う」ということを極力避けるのが喫緊の課題なので、東京都感染拡大防止協力金のサイトから入手する方法をお勧めします。

◆申請書の記入の注意点その1
東京都から発表されている資料では東京都新宿区内にある喫茶店という記載例で説明されていますので、以下、注意点を絞ってみていきます。
東京都感染拡大防止協力金申請書兼事前確認書の記載例(出典:東京都感染拡大防止協力金のWebサイトより)

申請事業主や対象施設の情報は確定申告書の情報を転記すればいいので問題はないでしょう。休業する事業所が2カ所以上あり、営業時間の短縮等について、営業日や営業時間が異なる場合には、別紙にて補完する必要があると、吹き出しに記載されているので注意しましょう。

なお、4月16日(木)から5月6日(水)まで、全ての期間休業するだけでなく、この記載例のように営業時間の短縮といった部分休業でもOKなので、こまめに記録を残しておくことも重要です。

◆申請書の記入の注意点その2
この記載例では中小企業者を前提に書かれていますので、資本金や法人のマイナンバー(国税庁法人番号公表サイトで調べることができます)を記載することとなります。

申請書をエクセルデータに入力して作成する場合は、プルダウン方式で入力する箇所もあるので注意してください。

なお、対象施設が複数ある場合は、画像の記載例のようにそちらの情報も記載することとなります。
東京都感染拡大防止協力金申請書兼届出確認書 抜粋(出典:東京都感染拡大防止協力金のWebサイトより)

◆添付書類その1:緊急事態措置以前から営業活動を行っていることがわかる書類
その他の添付書類としては、緊急事態措置以前(令和2年4月10日以前)から営業活動を行っていることがわかる書類とされています。具体的には以下の3点すべてです。

◇営業活動を行っていることがわかる書類(写しで可)
税務署の受付印又は電子申告の受信通知のある確定申告書。

ただし設立後決算期や申告時期を迎えていない場合は、都内税務署の受付印がある個人事業の開業・廃業等届出書、あるいは法人設立設置届出書に直近の月末締め帳簿を添付するなどの営業実態がわかる資料を添付することとなります。

◇業種に係る営業に必要な許可等を全て取得していることがわかる書類(写しで可)
飲食店営業許可、酒類販売業免許に代表されるように法令等が求める営業に必要な許可等を取得していることがわかる書類。

◇本人確認書類(写しで可)
法人であれば法人代表者の運転免許証、パスポート、保険証等の書類。個人であれば運転免許証、パスポート、保険証等の書類となります。

以上3点が、緊急事態措置以前から営業活動を行っていることがわかる書類となりますので、リストを作成してひとつひとつ準備しましょう。

◆添付書類その2:その他
その他の添付書類としては、以下のようなものになります。

◇誓約書
誓約書の最下部にある所在地、名称及び代表者名などの欄はゴム印等ではなく必ず自署してください。オンライン申請の場合も自署の上、誓約書全体をスキャナ又は写真で取り込み送信することとなります。

◇休業等の状況がわかる書類(写しで可)
休業を告知するホームページ、店頭ポスター、チラシ、DMなど。

◇支払金口座振替依頼書
オンライン申請の場合は押印不要となります。

◆できれば、専門家の確認を
ここまでできれば、申請書の記載内容、添付書類のすべてが準備できているかどうかを専門家に確認してもらったほうがいいでしょう。

「専門家による事前確認がなくとも申請いただくことは可能」とあるので必須ではありませんが、「追加書類の提出を求めたり、確認のための連絡をすることがある」と、東京都感染拡大防止協力金【申請受付要項】に記載があります。
東京都感染拡大防止協力金申請書兼事前確認書 専門家記載欄 抜粋(出典:東京都感染拡大防止協力金のWebサイトより)

◆申請の受付期間や申請方法は
申請の受付期間は令和2年4月22日(水)から同年6月15日(月)までです。

申請受付方法はオンライン提出・郵送・持参と3つの方法がありますが、「対面での受付・説明は行わない」旨が、東京都感染拡大防止協力金【申請受付要項】にも記載されているので、オンライン提出か、郵送のいずれかの方法が現実的かと考えます。

オンライン提出の場合、画像の申請サイト画面にあるように必要書類をアップロードをしていきます。
東京都感染拡大防止協力金オンライン申請画面 抜粋(出典:東京都感染拡大防止協力金のWebサイト)

郵送の場合、宛先は以下のとおりです。

〒163-8697 東京都新宿区西新宿 2-8-1 都庁第一本庁舎
東京都感染拡大防止協力金 申請受付

なお、簡易書留など、郵便物の追跡ができる方法で郵送することもポイントです。

持参の場合も申請書類をお近くの都税事務所・支所庁舎内に設置した専用ボックスに、「東京都感染拡大防止協力金申請書類在中」と明記して投函することとなります。

なお、不明な点がある場合は必要に応じて連絡してみるのもいいでしょう。

【問合せ先】東京都緊急事態措置等・感染拡大防止協力金相談センター

【電話】03-5388-0567

【受付時間】午前9時から午後7時まで(土、日、祝日開設)

なお、余談ですが、すでに事前確認を行い、オンラインで申請を済ませたという方もいらっしゃいます。

上述のように説明すると、「相当な手数」がかかると感じられる方もいらっしゃると思いますが、実際の作業にかかった時間は延べで「3時間から半日程度」という方がほとんどです。

対象事業に該当する方はひとつひとつ取りこぼしのないよう、準備してみてください。

文=田中 卓也(マネーガイド)