楽天、全国の自治体にコロナ対策を提案 「ふっこう復袋」など成功例を解説

全国の自治体から約330人が参加
楽天は4月28日、全国の自治体向けにECを活用した新型コロナウイルス(コロナ)対策を紹介するオンライン勉強会を開催した。ビデオ会議システムを活用したオンライン勉強会には、全国の自治体から約330人が参加。楽天は自治体に、コロナの影響で行き場を失った商品を福袋として販売する「ふっこう復袋」など、すでに成果が出ている成功例を解説した。

楽天は以前から、日本を代表するECモールとして、地方創生を支援する取り組みを実施している。ITを活用した地域課題解決を目指す自治体との包括連携協定は、すでに12道府県18市3町の計33自治体と締結している。ふるさと納税においては、900以上の自治体が「楽天市場」で寄付の募集を行ってきた。

「ふっこう復袋」が自治体巻き込み進化
地方創生を支援する取り組みの一環として、コロナ対策の施策も提案した。1つが「楽天市場」で広がりを見せる「ふっこう復袋」だ。

「ふっこう復袋」は北海道にある山ト小笠原商店が、物産展中止によって行き場を失った商品を販売する取り組みとして開始した。「復興」と「福袋」を掛け、在庫商品のお得な詰め合わせを、届くまで中身がわからない「福袋」形式で販売している。


山ト小笠原商店の「ふっこう復袋」

山ト小笠原商店の小笠原航社長は、「ふっこう復袋」の販売パッケージを、「楽天市場」の仲間の店鋪に開放し、さまざまな店舗が地元の在庫を抱えて悩む業者に声を掛け、販売を開始している。

この取り組みが、自治体を巻き込んだ施策に進化していった。楽天と大分県の包括連携協定により、「楽天市場」内に開設した大分県公式のオンラインショップ「おんせん県おおいたオンラインショップ」でも「ふっこう復袋」を発売した。

大分は1日注文100件超、都城は4日で売上1200万円
大分県から委託を受け、このショップを運営する大木化粧品の小坂越司社長と山ト小笠原商店の小笠原社長は旧知の仲。小坂社長は「ふっこう復袋」の取り組みを聞き、コロナで観光や地域経済に打撃を受けている大分でも企画することを決めた。


「おんせん県おおいたオンラインショップ」で「復袋」販売

「おんせん県おおいたオンラインショップ」は、県公式のオンラインショップということもあり、県から食品関係事業者に対し「復袋」への出品募集を行ったという。

小坂社長は、「みんなでやろう、分かち合おうという取り組みは『楽天市場』ならではだと思う。『ふっこう復袋』はさまざまな地域で販売されているが、それぞれの特色が出ている。大分の『復袋』も発売してすぐに売れており、1日100件以上の注文が入っている。参加した事業者も始めは『本当に売れるのか』と疑心暗鬼だったが、売れ始めて喜んでいる。事業者が別の事業者に声をかけ、参加社数も広がっている」と話す。


オンライン勉強会で取り組みを紹介する大木化粧品の小坂越司社長

ふるさと納税で有名な宮崎県都城市も4月23日、「楽天市場」に開設している公式オンラインショップ「極上!みやこのじょう!」(運営は九南サービス)で「ふっこう復袋」を発売した。


都城市公式ショップでも「ふっこう復袋」

都城市 総合政策課の野見山修一氏は、「発売から4日で約1200万円を売り上げた。単発で終わらないように、次の取り組みにつなげたい」と話す。

楽天 地域創生事業 ヴァイスジェネラルマネージャーの塩沢友孝氏は、「『ふっこう復袋』は広がりを見せており、10地域以上で販売されている。販売事業者が出品する事業者から商品を買い取って販売するため、出品事業者は在庫を現金化することができる。地域に貢献できている施策だ」と説明する。

楽天が自治体とその地域の有力な販売店舗をマッチングし、「ふっこう復袋」の実現に向けた支援も行うという。

北海道とウェブ物産展を展開
他にも楽天が北海道と組み、「食絶景北海道」というウェブ物産展を「楽天市場」内を展開している。20%OFFのクーポンを限定配布し、北海道の特産品をお得に販売する取り組みだ。


「食絶景北海道」

楽天の塩沢氏は、「この取り組みは企画から実施まで1カ月かかっていない。異例のスピードで実現した」と話す。

過去には福島県と東日本大震災による風評被害を払拭するため、「ふくしまプライド。」と銘打った物産と観光を組み合わせた取り組みを実施している。

塩沢氏は、「売って終わりではなく、県産品に触れることで地域のファンになってもらい、『楽天トラベル』とも連携し、クーポンをフックに福島に旅行に行っていただく循環を目指した。今回のコロナにおいては、すぐに旅行に来てくれというのは難しい。今のうちに物産でファンを増やし、コロナが収まった後に観光に来ていただく仕込みをしていただければと思う」と話した。

楽天は他にも「ふるさと納税」によるコロナ対策も提案した。

オンライン勉強会に7、8人で参加している自治体もあり、関心の高さを伺うことができた。楽天は今後も自治体からの相談や要望に対応し、コロナ対策の取り組みを積極的に支援するという。