NTTデータは4月28日、情報銀行の仕組みを使用した個人によるパーソナルデータ提供に関する同意管理サービスの実証実験を5月7日に開始すると発表した。同実験での結果を基に、2021年度中の同サービスの提供・運用を目指す。

  • 実証実験の流れとサービス提供イメージ

同社は、個人が情報銀行を通じて各種規約に同意することで過去の同意内容を企業横断的に一元管理が可能になると考え、同サービスの検討を開始したという。

今回の実証実験では一般モニターを募り、同社が仮想の事業者として情報銀行の役割を担い、同サービスの実現に向けた課題の抽出及び解決方法の検証を行う。

また、個人の規約内容への理解を促すため規約内容の企業横断的な統一化を図り、個人が確認すべき箇所を明確化する。

さらに、規約に同意するかどうかの判断を助けるための指標値である安全値を作成し、その有用性を検証する。

実施時期は5月7日から15日まで、参加者は一般のモニター参加者400人(いずれも予定)。

実証実験に向けて、データ利用企業向けには個人に対するオファー(情報銀行を通じて企業が提案するサービスやキャンペーン)を作成する機能及び、いくつかの質問事項に回答することで規約の自動生成が可能な機能を開発したという。この機能を用いて実証実験に参加する複数の協力企業が実際にオファーを作成、さらにオファーに紐付く規約を自動生成し統一化を図り、その有用性を確認する。

個人向けには、情報銀行を通じてオファーに対する同意判断を行う機能を開発し、一般モニター参加者に企業が提示するオファーについて、オファー内容、規約、その安全値を確認した上で同意するかどうかの判断を行う流れを体験してもらう。

その後アンケートによって、ユーザーの同意プロセスの実態、規約の理解度、安全値の有用性や、オファー内容と安全値の関連性などを確認するという。

同社が想定する実用化によるメリットとして、まずデータ利用企業にとっては、個人にとって分かりやすく納得性がある規約の自動生成が可能、規約の自動生成機能によりサービスごとに作成する必要がある規約作成業務の効率化が可能、規約内容変更時にユーザーへの確実な通知可能、同サービスを通じた規約作成により今後の法改正などへの対応検討が不要の4点を挙げる。

個人にとっては、統一フォーマットでの規約の表示により確認が必要な箇所を容易に認識でき内容を理解した上で同意が可能、今までに同意をしたパーソナルデータ提供情報や提供先企業について一元的に把握・管理が可能、規約に同意するべきか安全値を確認して判断が可能の3点を挙げている。