ZOZO、「WEAR」販売、D2C参入など続々 『売場』と『商材』拡張する新戦略

新たな成長モデル構築へ
ZOZOは4月28日、今期(2021年3月期)以降、売り場と商材を一気に拡張し、新たな成長モデルを構築すると発表した。ファッションコーディネートアプリ「WEAR」にカートを実装し、商品購入を完結できるようにしたり、インフルエンサーとD2Cブランドを立ち上げたりする。新たなテクノロジーでコスメ販売を本格化したり、ハイブランドの取り扱いを開始する計画もある。前期業績が計画未達になり、新型コロナウイルスの影響も出ている中、あらゆる手を打ち、成長を加速させる考えだ。

今期以降の経営戦略として、「売り場と商材の拡張」を掲げた。売り場拡張の第1弾はすでに着手している「PayPayモール」での販売強化だ。新規顧客の獲得においては、すでに「PayPayモール」が「ZOZOTOWN」の半数近い規模に達している。「PayPayモール」では30代後半〜50代の獲得に成果が出ており、10代後半〜30代の顧客に強みがある「ZOZOTOWN」と補完関係にあると説明する。


「ZOZOTOWN」と「PayPayモール」の年代別の顧客層

今後は、「ZOZOTOWN」のノウハウを提供し、「PayPayモール」のUI/UXを改善したり、ブランドクーポンなどのノウハウを提供したりする。

MAU(月間アクティブユーザー)が1200万を超える「WEAR」上で「ZOZOTOWN」の商品を販売する。これまでは「WEAR」から「ZOZOTOWN」に顧客を誘導し、購入を促していたが、「WEAR」上で購入まで完結できるようにすることで、購買率が高まると見ている。


「WEAR」上で購入を完結できるようにする


インフルエンサーとD2Cブランド
商材の拡張のため、インフルエンサーが企画した商品を販売するD2C事業を開始する。「WEAR」を利用するインフルエンサーなどと商品を企画し、ZOZOが製造・販売を行う。今期中にも販売を開始する計画だ。


インフルエンサーと商品を企画し、ZOZOが製造・販売

コスメの販売も本格化する方針だ。コスメを販売するための新しい技術の開発を進めており、一部のプロトタイプは完成しているという。「ZOZOMAT」で足型を計測し、靴を販売しているように、コスメも独自の方法で販売をする戦略だ。

澤田宏太郎社長は、「(コスメ販売の新サービスが)世に出れば『ZOZOMAT』を超えるサービスになる」と期待している。

ハイブランドの取り扱いや法人向けの販売施策についても実施する計画。


コスメやハイブランド、法人向けの展開も計画


リアルの在庫を「ZOZOTOWN」で表示
リアル店舗の販売支援も本格化する。

現在も「販売力でファッション業界を下支えする。ブランドから預かっている在庫を現金化してお渡しする。新たに出店を希望する企業は迅速対応する」(澤田社長)と説明する。

さらに今後、ファッション企業のデジタルシフトが加速することを見越し、売り場・商材の拡張とリアル店舗支援の強化を積極的に展開する考えだ。

まず手始めにリアル店舗の在庫を「ZOZOTOWN」上で確認できる機能の提供を進める。「ZOZOTOWN」で購入し、近くの店舗で受け取れるようなO2Oサービスの提供を行う。


「ZOZOTOWN」でリアル店の在庫を確認し、店舗で受け取り可能

先日、Zホールディングスが「X(クロス)ショッピング」というリアルとネットの垣根を超えた販売支援サービスを発表し、ZOZOもその取り組みに参画することを明らかにしていた。ZOZOは「Xショッピング」だけでなく、「ZOZOTOWN」上でもリアル店舗と連携した仕組みを構築し、ブランドの販売支援体制を強化する。

今後、店舗チェックイン機能や「WEAR」のコーディネー卜データをリアル店舗の接客に活用できる機能なども提供する方針だ。


店舗のチェックイン機能の提供や「WEAR」のデータで接客支援も

「これまであまり進まなかったネットと店舗の融合を進めていく。ZOZOの顧客基盤を生かして支援する。業界の早期回復を先導する」(同)と意気込みを語った。