九州産業大・児玉亮涼選手 [提供=プロアマ野球研究所]

◆ 地区別の大学ドラフト候補紹介も最終回

 アマチュア球界にも多大な影響を及ぼしている、「新型コロナウイルス」の問題。今後についても不透明な部分がまだまだ多いが、再び日常の光景を取り戻す日に向けて、選手たちによる不断の努力は続いている。

 そんな彼らを応援する意味でも、今年のドラフト会議の中心となりうる大学生の候補選手をリーグごとに紹介していこう、というのがこの企画。最終回となるここでは、中国・四国・九州のリーグに所属する有力候補を取り上げたい。


◆ 中国地区を代表するエース

 中国地区大学で筆頭候補となるのが、東亜大のエース・中内亮太(五條高)だ。

 たくましい体格から投げ込むストレートはコンスタントに145キロを超え、意外な器用さがあり変化球の制球も悪くない。

 昨年春は67回2/3を投げて防御率1.46、秋は89回1/3を投げて防御率1.21という見事な成績を残しており、そのタフネスぶりは際立っている。4月4日から行われた開幕週でも1戦目は先発完投、2戦目はリリーフとフル回転し、チームを連勝に導いた。


 投手では、徳山大の宮崎光志(長門高)も好素材。

 体はそれほど大きくないが、山岡泰輔(オリックス)を彷彿とさせるフォームで上背以上の角度があり、変化球の質も高い。140キロ台前半のストレートにもう少し力が出てくれば面白い存在だ。

 また、徳山大には野手でも注目株が。強打の外野手・中村拓貴(長門高)は昨年秋の大学日本代表候補合宿にも選ばれており、こちらも目が離せない。


 最後に、広島六大学からは広島経済大の吉嵜雄平(柳ヶ浦高)を挙げる。

 少しバットを引く動きは大きいものの、トップの形が安定していて対応力の高い好打者。運動能力が高く、脚力も十分だ。


◆ 大学球界では珍しい“二刀流”

 四国地区大学の注目選手といえば、四国学院大の水上由伸(帝京三高)。

 2年春には外野手として首位打者に輝き、昨年秋は投手として最多勝、最優秀防御率、ベストナインの三冠に輝いているという、大学球界ではなかなかいない二刀流だ。

 1年春に出場した大学選手権では4番打者として2試合で3安打と活躍したが、今年は投手として全国の舞台で活躍を見せてもらいたい。


 九州六大学で注目を集めているのは、北九州市立大の本格派右腕・益田武尚(嘉穂高)だ。

 福岡県内では高校時代から評判の投手で、大学でも下級生の頃から先発の一角に定着。体の成長とともに年々ボールのスケールもアップし、コンスタントに140キロ台後半をマークする。

 昨年秋は4勝負けなしの好成績でチームを優勝に導き、自身もMVPに輝いた。他では毎年のように好投手を輩出する九州国際大の岩田諒大(自由ケ丘高)も注目の右腕である。


◆ 大学球界屈指の名手!

 福岡六大学では、九州産業大のショート・児玉亮涼(文徳高)が最大の注目選手だ。

 165センチと小柄だが、抜群のフットワークとグラブさばきは大学球界でも随一。名手が揃う大学日本代表候補合宿でもそのプレーぶりは一際目立っていた。速く動いてバウンドを合わせられる技術はプロでも通用するレベルだろう。

 また、打撃もしぶとく、2年春と3年秋には3割台後半の高打率をマーク。2年時から大学日本代表にも選出されており、国際舞台での経験も豊富だ。


 野手でもう一人注目なのが、九州共立大の平良竜哉(前原高)だ。

 平良も170センチと児玉と同様に上背はないが、持ち味は全く異なり強打が魅力。体がねじり切れんばかりのフルスイングで長打を量産し、リーグ戦通算本塁打は14本を数える。また打率3割以上は4回、4割以上を2回、5割以上も1回記録しており、長打力だけでなく確実性があるのも魅力だ。

 それでいて2度の盗塁王に輝いており、脚力も備えているだけに、ファースト以外の守備も見てみたいところである。


◆ 注目を集める“準硬式”の右腕

 投手で面白いのが、九州産業大のサウスポー・岩田将貴(九産大九州高)だ。

 一塁側に大きくクロスステップし、そこから体を鋭く回転させて投げ込むボールの角度は唯一無二と言って良いだろう。スピードは130キロ台中盤でも、打者にはかなり打ちづらさがある。

 2年春に7勝をマークしてMVPに輝いて以降は故障に苦しんでいるが、完全復活すれば左のリリーフタイプとして注目を集めることになるだろう。


 九州地区大学では、宮崎産業経営大の八木大輝(れいめい高)と沖縄国際大の松川剛大(美里工)、2人のショートが注目選手。

 八木は昨年3番打者として大学選手権に出場し、2試合連続でタイムリーを放った強打が魅力。バランスの良いスイングできれいに引っ張ることができ、ショートの守備も堅実だ。

 松川は小柄だが抜群のミート力が光る。昨年秋の南部地区決勝トーナメントでは、プロ入りした小川一平(現・阪神)からも3安打を放って完全に効力して見せた。ぜひ全国の大舞台で見てみたい選手だ。


 そして、最後に紹介したいのが福岡大“準硬式”の大曲錬(西日本短大付高)だ。

 高校時代はサイドスローの控え投手だったが、大学ではオーバースローに変更してメキメキと力をつけ、昨年夏には最速153キロをマークした。ただ速いだけでなく、コントロール、変化球も高レベルで十分にドラフト候補と呼べるレベルにある。

 3月下旬に行われた春のリーグ戦では多くのスカウト陣が視察に訪れており、今後も高い注目を集めることは間違いないだろう。


☆記事提供:プロアマ野球研究所