北の達人コーポレーション、売上高100億円突破 快進撃も今期計画が減収減益のワケ

1700万枚超のヒット商品
健康食品・化粧品通販を行う北の達人コーポレーションの2020年2月期における売上高は、前期比21.4%増の100億9300万円だった。「ヒアロディープパッチ」など「刺す化粧品」シリーズの累計販売枚数は、1700万枚を超えるヒット商品となり、ついに大台を突破した。しかし、2021年の業績予想では、売上高・利益とも大幅に減少する計画を発表した。快進撃に冷水を浴びせるマイナス予想の要因はどこにあるだろうか。

4月14日に発表した2020年2月期の業績を振り返ろう。
2020年2月期業績のハイライト(画像は決算説明資料からキャプチャ) 売上高、利益ともに高い成長となった。2019年2月期の増収率が57.1%増だったことと比べると売り上げ成長が鈍化しているようにも見えるが、規模が拡大している中で20%超の増収率は立派な数字だ。

「刺す化粧品」がヒット
同社は医療にも用いられるマイクロニードル技術を応用し、美容成分の浸透を図る「刺す化粧品」シリーズを開発し、ヒット商品に育てた。もともと、健康食品が主力だったが、近年は基礎化粧品が成長を牽引している。「刺す化粧品」シリーズも競合商品が出ているものの、価格や品質面で優位性を保っているという。


「刺す化粧品」シリーズが成長を牽引(画像は決算説明資料からキャプチャ)

「刺す化粧品」以外にも、オリゴ糖食品「カイテキオリゴ」や、目元美容液「アイキララ」の売れ行きも好調だ。「びっくりするほどよいものができたときにしか商品化しない」というポリシーのもと、商品開発にこだわり、ヒット商品を連発している。

マーケティングにも強みがある。独自の広告運用システムを開発し、新規獲得効率を高めている。定期購入型のビジネスモデルのため、顧客が安定的に積み上がり、高成長を維持してきた。


高成長も売上高は計画未達だった
独自の強みを持ち、高成長を継続しているが、2020年2月期の売上高は計画未達だったと。要因は生産体制強化の遅れや新規顧客獲得件数の伸び悩みだという。


売上高のみ当初予想を下回った(画像は決算説明資料からキャプチャ)

主力商品である「刺す化粧品」シリーズの「ヒアロディープパッチ」が、注文に対して生産が追いつかず、発送遅延が発生した。既存の定期顧客への商品発送を優先し、新規顧客への発送を遅らせたため、新規顧客の定期会員への引き上げが遅れたという。

他にも課題がある。商品開発やマーケティングの人員は拡充しているものの、教育が不十分だったり、体制画の整備が遅れていたため、パフォーマンスが上がらなかった。2020年2月期に発売した新商品は3点のみ。定期的なクリエーティブの更新も思うように進まなかった。

売上18.5%減、純利益31.2%減の業績予想
2021年2月期における売上高は前期比18.5%減の82億2700万円、営業利益は同31.2%減の20億600万円、当期純利益は同31.2%減の13億5700万円を計画している。


大幅なマイナス予想を発表(画像は決算説明資料からキャプチャ)

弱気な業績予想は、課題として顕在化している「クリエーティブ部門」「商品開発部門」が現状のままであり、新商品の売上高を加味しないという条件のもと作成されたものだ。

つまり「弱気」というよりは「手堅い」予想と捉えた方が正しい認識かもしれない。木下勝寿社長は決算説明会で「2021年2月期は足元の課題解決とともに、長期的成長を睨んだ組織体制立て直しの1年という位置付けとする」と明言している。マイナス予想を「成長が止まった」と判断するのは早計な判断だろう。

東京圏で経験者採用
体制を整備するために、経験者の採用を強化するという。経験者を採るために、「東京圏での採用を強化する」(木下社長)と話す。事業規模の拡大とともに、本社のある北海道だけで経験者を集めることに限界を感じているようだ。

19年4月に東京・日本橋に支社を開設した。すでに東京圏での採用は進めており、「応募も増えている、人材の質も上がってきている」(同)と自信を覗かせる。


東京支社の人員が増加(画像は決算説明資料からキャプチャ)

北の達人コーポレーションの快進撃は、小休止するかもしれないが、まだまだ止まらなそうだ。