ローズオイルとローズウォーターの殺菌抗菌効果で手肌を清潔に


連日、新型コロナウイルスの話題が続いています。見えない感染源相手に不安な毎日ですが、マスクを着用して「咳エチケット」を守ったり、こまめに手洗いや消毒をして清潔な状態を保ったりすることが、今の私たちにできる最善の対策のようです。

病院や学校だけでなく、飲食店などにも消毒液が置かれているのを目にしますが、販売店などでは品薄状態が続いているようで、家庭用の消毒液が購入できない人も多いのではないでしょう。
消毒用エタノールでなくても、殺菌抗菌の効果を期待できるローズオイルについてお話しします。

ローズオイル、ローズウォーターに秘められた殺菌抗菌力

現在、消毒用エタノールが手に入りにくくなっているため、私たちのサロンではローズオイルを中心とした衛生対策を施しています。ローズオイルの効果はまだあまり知られていないようですが、実はとてもすばらしい殺菌抗菌効果があり、化粧品業界や医学の分野でもとても注目されています。

美しく華やかなローズは観賞用として、また香水の原料としてよく知られていますが、薬として使われていた歴史があります。ローズオイルやローズウォーターには元来スキンケア、ヘルスケアに有効であり、その効能はさまざまな研究により証明されつつあります。保湿効果や血流改善、整腸作用などにより肌の調子や血の流れ、便通がよくなるほか、女性ホルモンのバランスを整える働きにより、生理痛や更年期症状といった女性特有の不調を緩和すると言われています。また、その豊かな香りから得られる高いリラックス効果もよく知られています。

ブルガリア産のバラ、ダマスクローズ

世界で一番品質の高いローズオイルとローズウォーターは、ブルガリアのダマスクローズから採れます。ブルガリアはその風土と気候、土壌がバラ栽培に非常に適しており、一年に一度の収穫が国の経済を支えるほどバラの産業が盛んな国です。ダマスクローズは摘み取られたその日のうちに蒸溜所で蒸溜され、精油(ローズオイル)とローズウォーターになります。ローズオイルは、殺菌抗菌効果や抗アレルギー効果、ストレスや不眠症にも有効で、昔からアンチエイジングの高貴薬として王侯貴族に使用されてきました。

ローズウォーターも、バラが持つ天然の殺菌抗菌作用が高く、真菌培養試験でもその効果が実証されています。殺菌抗菌の力があることから、保存料や防腐剤を使用せずに化粧品を作ることもできます。これらは香りもよく、ドイツの学者によると、人がダマスクローズの香りを嗅いだほんの2秒後には香りが視床に到達し、「エンケシェリン」という物質を発生させて人に心地よさを感じさせるそうです。人がバラの香りを好む理由はここにあるようです。

ブルガリアにはいくつかのバラ蒸溜所がありますが、ブルガリア大使館の折り紙つきで、栽培から生産までを完全にオーガニックで行っている工場の有機JAS認証を受けている製品は、信頼に値する品質です。4kgのバラからわずか1mlしか採れないその精油は「液体の宝石』と呼ばれ、その希少さゆえとても高価なものになっています。

ブルガリアでは毎年5月の収穫期に、バラの感謝祭が行われます。バラの命をいただくこと、今年も無事に終わり収穫期を迎えられたこと、ここに平和に暮らしていることなどへの感謝祭で、「ありがとう」の言葉と一緒に一輪のバラの花を交換しあいます。

ローズウォーターを用いればマスクの有効活用法も

今、おすすめできるローズの使い方をお伝えします。ローズウォーターをティッシュなどにスプレーしてマスクの内側に挟むと、爽やかな空気が広がりとても心地良いのと、ローズウォーターが持つ抗アレルギー性から花粉症の症状の緩和にも役立ちます。ティッシュを取り替えれば、貴重なマスクを大切に使う方法のひとつにもなります。また、ローズウォーターをマウススプレーとして使うことで口臭予防や口腔ケアになるほか、のどの乾燥などからも守ってくれます。ブルガリアのローズオイルとローズウォーターが、私たちの衛生面を大きく支え、またその香りが生活に潤いをもたらし、バラと私たちの生活が身近になることに期待したいと思います。

(渡辺 幸子:フレグランスネイルアーティスト)