突如コイン精米所、食べ放題が建ち放題…「田舎あるある」まとめ

2019年末時点の日本の人口は1億2,744万3,563人。このうち、三大都市圏の人口総計が6,639万256人と、全人口の半数以上が都市圏で生活している計算です。

とはいえ現在、都市圏の住人でも、地方で生まれ育ち、進学や就職がきっかけで地方から引っ越してきたという人も少なくありません。

今回は、そんな地方在住経験がある方なら首がもげるほどうなずきたくなる、「田舎あるある」をお届けします。

突如現れる謎の小屋「コイン精米所」

都市圏で育った方は、白米は、スーパーやネット通販で購入するのが当たり前。
田舎ではよく見かけるにもかかわらず、都市生活者がその存在すら知らないかもしれないものの一つが、スーパーやホームセンターなどに併設された駐車場の片隅でよく見かける小さな小屋、「コイン精米所」です。

コイン精米所とは、精米機が設置されている無人精米所のこと。玄米を入れてコインを投入すると、糠(ぬか)を自動で取り除いて白米にしてくれます。

ちなみに精米の過程は以下の通りです。

・田んぼで稲を収穫
・脱穀して実の部分だけ取り出して「籾(もみ)」の状態にする
・籾すり作業で殻をはずして玄米にする
・玄米を精米して白米にする

コイン精米所の精米機は玄米を白米にするものが多いですが、まれに、籾の状態から精米できるコイン精米所も存在します。

最近は、米の出荷時に精米が不要なケースが多く、精米機を持たない農家が増えています。そのため、自家で消費する米を精米する目的で農家の方がコイン精米所を利用する例も多いようです。田舎のホームセンターでは、精米した米を入れるための中古の米袋が販売されていることもあります。

米は籾や玄米の状態で保存しておいたほうが、新米のときの味や質が保たれます。つまり、こまめに精米したほうがおいしく食べられるということ。誰でも手軽に精米できるコイン精米所は、田舎には欠かせない施設といえるでしょう。

知り合いに会いがちな大型ショッピングモール

田舎の週末のお出かけ先といえば、イオンモールやイオンタウン、ジャスコといった郊外型の大型ショッピングモールが人気。レジャー施設はほかにもたくさんありますが、天候を気にせず子どもも大人も楽しめて、アパレルショップや雑貨屋さん、レストランなどが集まる全部入り施設は、幅広い世代の心をつかんで離しません。

そのため、週末にショッピングモールに出かけると、知り合いに遭遇してしまう確率が高いです。小中高時代の同級生や、会社の同僚、ママ友や学校の先生、などなど。週明けに学校に行くと「昨日ショッピングモールにいたでしょ」と言われることも少なくありません。

このような郊外型の大型ショッピングモールのイメージを持つ地方民が、都会で小さなイオンを見たときの衝撃はかなり大きいもの。「小さいイオンなんてあるの?」と驚いた方も多いのではないでしょうか。

パーキングエリア? いいえ、コンビニです

都会のコンビニの駐車スペースはゼロ、もしくはかろうじて数台停められるのが関の山。場所によっては自転車すら停められないところもあります。

他方、田舎のコンビニの駐車場は広大です。特に、地方間を結ぶ主要な国道の山間部にあるコンビニの駐車場の広さは圧巻。乗用車だけでなく10台程度の大型トラックの駐車スペースが用意されていることも珍しくありません。

広い駐車場では、ドライバーさんたちが車内でご飯を食べるなどしてゆっくりご休憩。コンビニ側も、長時間の駐停車に目くじらを立てることは稀です。

店内に設置されているトイレも清掃が行き届いていて、常に清潔。入り口のドアに「ご自由にご利用ください」と書かれていることも多く、男女別となっていることも珍しくありません。

そんなコンビニ像を持っているせいか、地方民が都心部に出て、用を足そうとコンビニに駆け込もうものなら大変。「トイレがない!」「従業員に声をかけないと使えない!」と、愕然としたことがある方も多いのではないでしょうか。

一般家庭に屋号がある

地方には、名字ではなく「屋号」で呼び合う風習が残っていることがあります。たとえば、田中さんなのに、近所からは「そんざぶろ」と呼ばれるという具合です。屋号は先祖や出身地の名前、地形などに由来しているといわれています。

屋号が使われている理由は諸説ありますが、農家や商人などが名字を持つことが許されなかった時代に、名字の代わりのように使われていたという説が有力なようです。また、同じ名字の家が多いなど、名字で呼ぶには不都合があるという理由で現代でも屋号で呼ぶ風習が生き続けているといわれます。

「あれ? この野菜誰からもらったの? 」
「ああ、そんざぶろの嫁さんが持ってきてくれたよ」

こんなふうに屋号で会話することが当たり前なので、小さい頃はご近所さんの正しい苗字を知らなかったという方も少なくありません。

大人になると自転車にあまり乗らなくなる

都市圏ほどに公共交通機関が充実していない地方では、車が主要な移動手段という方が多め。そのため、就職後に自転車に乗る機会が激減するという方が少なくありません。大人1人あたり1台の自動車を保有しているケースが多く、自転車に乗る必要がないからです。

平成30年の自転車産業振興協会の調査をもとに、都道府県ごとに自転車保有台数と1人あたりの自転車保有台数の順位を作成してみました。

自転車保有台数順位(上位)

東京,大阪と都市圏が上位を占めていることがわかります。これまで人口2,000人、10万人、30万人規模の地方都市に住んできた経験から言うと、地方では、地方都市の中心部を除いて、自転車を利用するのは学生さんが多い印象があります。

ところが、都市圏では、学生だけでなく子育て世代やお年寄りまで、多くの方が自転車を利用しているのを見かけます。地味に馬力がある電動ママ自転車に、Uber Eatsの配達員さんが乗っているマウンテンバイク…。駐輪場を探すだけでも一苦労で、道路には自転車があふれています。

地方民が転勤などで都会に来ると、「自転車なんて10年以上乗ってないのに!」と自転車利用者の多さに驚いてしまうはずです。

食べ放題のお店が多い

地方都市に行くとよく目につくのが、インターチェンジ近くにある食べ放題のお店。都市圏にもホテルのビュッフェなど、おしゃれな食べ放題店は多いですが、地方の郊外にある大型食べ放題店の多さに驚くのではないのでしょうか。


大型店舗を構えていることが多い、人気食べ放題店「すたみな太郎」の公式ページに掲載されている店舗数(2020年3月9日現在)と2019年1月1日時点の各都道府県の人口を調査し、1店舗あたりの人口を比較してみました。

1店舗あたりの人口が少ないほど、人口比ですたみな太郎の店舗数が多いことになります。1店舗あたりの人口が少ない都道府県の上位10位は、以下の通りです。

1店舗あたりの人口が多い都道府県の都道府県ランキングは以下の通り。

企業の戦略もありますし、食べ放題が好きな県民性もあると思いますが、ランキングの上位には地方都市が目立ちます。それに対して、1店舗あたりの人口が多いランキングの上位には、大阪、神奈川、愛知、東京がランクインしており、都市圏にすたみな太郎が少ないことがわかります。

大型食べ放題店は、地方民の憩いの場として愛されているらしいことが想像できます。

便利ではないけど心地よい田舎暮らしを体験してみては?

地方での暮らしには、都市圏ほどの「すぐに何でも手に入る便利さ」があるわけではありません。

しかし、地方には、都会では得がたいのどかで穏やかな暮らしがおくれるというメリットも。都会の刺激的な暮らしにちょっと疲れたら、地方に足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。

執筆者:平林 亮子