佐倉綾音が語る! 平尾アウリの楽しみ方! 佐倉&平尾 対談! 後編

声優・佐倉綾音が、実は、現在放送中のアニメ『推しが武道館いってくれたら死ぬ』の原作者・平尾アウリの大ファンだった! ということで実現した対談の後編をお届け。アニメ『推し武道』について、原作ガチファンの佐倉さんが先生に想いをぶつけます!





アニメは見ていますが、キャストは見ていません


——『推し武道』のアニメもご覧になられているとお聞きしました。

佐倉 見ていますよ、リアルタイムで。夜中1時過ぎると「そろそろだな」と準備し始めます。『推し武道』は雑誌か何かでたまたまアニメの絵を見て。そうしたら、先生が線を描いてる…?  というくらい、ちゃんと先生のテイストを保ったままアニメの線になっていたのでとてもびっくりしました。先生が最初にアニメの絵を見たときはどう思われましたか?

平尾 似てるって思いました。「あ、似てる。あ、そうだ私の絵だった」、私が元なんだという感覚で、新鮮に見られました。

佐倉 やっぱりそうなんですね。ちょっとした線の震えまで再現度が高いんです。色味とかもベタッとした塗りだけではなくて、淡くてちょっと儚いものがアニメで動かしやすいように色彩設計されていて。キービジュアルと他の版権絵も見て、アニメを観ようと思いました。でも、キャストは見ない、そういう楽しみ方をしてみようと思った作品の最初に『推し武道』を選んだのですが、こんなにハマるとは思っていなかったです。キャストを見ないということが、こんなにも自分にとって効果的になるとは思わなかったです。

——アニメの制作している方々も、原作を読んでお好きだった方が多いと聞きました。

佐倉 そうなんですね。何か、結構泣きそうになるんですよね。原作では淡々と描かれているエピソードが、ストンと心に落ちて面白かったり。アニメだとやっぱり他の人の手が加わって、よりドラマチックに描かれていたりする面もあって。ただそれが過剰じゃないところでちゃんと止まっているのもすごいなと思いました。私は勝手にアウリギャグと呼んでいるのですが、シュールなギャグが入ってくるじゃないですか。

平尾 はい。

佐倉 シュールという言い方が失礼にならないといいなと思っているんですが。

平尾 大丈夫です。

佐倉 「パンをひっくり返す仕事」とか。「パンをひっくり返す人がいなくて困ってるのよ」って。あなたがやればいいじゃん!  という(笑)。それを真顔でやる感じが、アニメで表現するのは結構難しいと思う。あと、すごく現実的じゃないもの、例えばダンボールを頭にのっけて移動してるえりぴよさんとか、アニメで表現するとスベりそうだなというシーンが、シレッとアニメで表現されていたりとか。すごいなと思いました。

平尾 そうですよね。確かに。全てが過剰ではない感じが、よかったと思います。

佐倉 そうですよね。あと、停電のシーンで優佳ちゃんが「今変顔してる」って言ったことに対して「なんで⁉️」という客席のオタクのツッコミ台詞があったと思うのですが、私だったら印象に残りたいから声を張って演じてしまうかもと思ったんです。それが「え、なんで?」って、本当に疑問に思っているようなテンションで言っているのが、本当におかしくて。録画して観ていたので巻き戻して見てしまいました。いいバランスでアニメ化してくださっていて、とてもうれしいです。ファンとして。先生は、アニメは全部観ていらっしゃるんですか?

平尾 アニメ、11話と12話はまだ見てないです。これまでに放送したぶんは観ました。
   (※対談時点では、10話までの放送でした。)

佐倉 聞かれ飽きているかもしれないですが、自分の絵が他の人によってこう、描き直されて動いているのはどんな気持ちなのでしょうか?

平尾 なんか、私の絵って、すごく難しいんだろうなって思って。私で1コマ描くのに、3時間くらいかかるときあるから。

佐倉 えええええ?

平尾 アニメでそれを何枚も描くのは大変だろうなって思います。私でも描きにくいですもん。

佐倉 アニメはライブシーンでも、ちゃんとキャラの動きがバラバラですし、良かったですよね。最近では3DCGじゃないのは珍しい気がします


くまささんが品格を決める!



——いろいろなスタッフさんや声優さんの話をきくと、みんな愛があってやっているというのが伝わります。だからいいものができてるんだなと。

平尾 どうやったら恩返しできるんだろうって考えちゃいます。

佐倉 先生が描き続けてくれることが恩返しになると思います。私、くまささんのエピソードがとにかく好きなんです。くまささんのアイドルの推し方って本当に優しいじゃないですか。人間対人間と、人間対アイドルのちょうど真ん中をちゃんと歩いていて、自分より他人の幸せを願えるタイプ、のような。えりぴよさんもちゃんとそういうところがあるけれど、自分のほうが大切になっている場面とかもちょっと見受けられて。自分に対して好意的でないように見える子に、よくあんなに惜しげも無く感情をぶつけられるなと思うのですが。くまささんとれおの関係性は、ちゃんと成立しているというか、1ミリもお互いが踏み外していない感じがすごくよくて、何かわからないけど泣いてしまいそうになるんですよね。くまささんの優しさは、アウリ先生の中のくまささんなのかなと、今の先生の言葉を聞いて思いました。

平尾 そうありたいと思っています。自分の中の、理想のオタク像です。人間慣れしていない感じとかも。

ーー監督が「くまささんの振る舞いがこの作品のキャラクターたちの品格を決める」とおっしゃっていたようです。

佐倉 確かに。

ーーオタクの中では一目置かれていて、くまささんの振る舞いがお手本になる。こういうちゃんとした人に推されてると、推されてるアイドルの振る舞いもちゃんとしてくる、ということをおっしゃっていました。実際にそうなっていますしね。

平尾 すごい! くまささんがそんなふうに思っていただけてよかったです。


——Blu-ray Vol.1に同梱される、原作の「第0話」も読んでいただきました。いかがでしたか。

佐倉 ヤバかったです。どう考えても最初は、えりぴよはなぜ舞菜を推してるんだ?  と思うじゃないですか。その答え合わせみたいなものかなと思って読んだりしていたんですが、結果的に答えは物理的には出てなくて。ただ、好きなものに対して「こうだから好き」っていう理屈付けや言い訳はたくさんできると思うんですけど、結局本物って、説明できないところに存在していたりするんだろうなっていうのが、すごく理解できて。説明できる好きなものの好きなところって、じゃあそれが全部、好きなものの中から急になくなったら、どうなの?  って。その残ったものを無条件で愛することはできるの?  と考えた時に、それで愛せなくなったら、それは本当の愛ではないんじゃないかって。理屈を越えた何かで好きになってしまったら、その人がどうなろうと、どう転ぼうと、どう進もうと、多分好きなままでいてしまうと思うんですよね。えりぴよさんの中で舞菜は、多分そういう存在になってしまったんだろうなって。えりぴよが「舞菜のここがこうだから好きなんだ」って100%断言しなくてよかった、と思いました。…えりぴよさんも先生も、そこまで考えていらっしゃらないかもしれませんが(笑)。勝手なオタクの深読みですけれど。

平尾 (笑)。いいと思います!  もともと、あの頃のお話って、全然考えていなかったんです。このオファーをいただかなかったら、おそらく一生描いてなかったと思います。そもそも好きになるのに理由とかいらないと思っているので。

佐倉 合ってる…!
▲「第0話」試し読み映像

ーー描きたくなかったのでしょうか。

平尾 描きたくないわけじゃないんです。機会がないというか、描く必要がなかったというか。言わなくてもいいことかと思っていたのですが、でも言わなきゃみんなわからないんですね。

佐倉 「理由がない」って漫画で描くの難しいですよね。

平尾 そうですね。

——「第0話」は、作業的にはどれくらいかかったんですか。

平尾 実は、すごく早かったんです。「描けるな」って思ってからすぐだったと思います。きっと、多分自分の中にあったんだろうな。

佐倉 私、このお話が最終話の内容なのかと思っていました。えりぴよが舞菜を追い続ける理由。ずっと続いていてほしいけれど、どんな作品もずっとは続かないんですよね…。


ChamJamは武道館に行ける?



ーーちなみに、これを聞いていいのかわからないですが、ChamJamは武道館に行けるかどうか。行ってほしいかどうか。

佐倉 絶妙ですね…。これはあまり考えないようにしていたんですよ…。だって、「武道館いったら死ぬ」じゃないですか。これもオタクの深読みなんですが、「死ぬ」って、実際に死ぬわけではきっとなくて。例えばえりぴよさんがもうオタクをやめることを「死ぬ」という表現にしているのか、はたまた、オタクってよく「死ぬ」と言うから、もうただのブラフというかケレン味なのかなとか。いろいろ考えていたら苦しくなって、あまり考えないようにしていました。あとはもう、シンプルに編集者さんの考えた押しの強いタイトルだっていう説。だって普通にこのタイトルってパワーワードじゃないですか。このタイトルはどなたが考えたものなんですか?

平尾 編集担当の方と、一緒に考えました。でも「死ぬ」っていう言葉とか、使っても大丈夫なのかわからないからって担当の方が調べてくれました。

ーーBlu-ray Vol.2特典の原作0.5巻には、初期に描かれていたネームが収録されていますが、当初は読み切りのつもりだったんですよね。

平尾 そうです。読み切り中の読み切りですよ。4ページ漫画ですからね。

佐倉 読み切りだともったいないですよね。これだけアイドルちゃんがいるから、それぞれの話が読みたくなるじゃないですか。空音の男性と歩いている写真の流出とか、エゴサしているっていうのも面白いと思うし、眞妃とゆめ莉の百合っぽい感じもいいなと思いますし。でもそのネームも楽しみにしています。

平尾 ありがとうございます。

——今回は対談という形ですが、実際にはファンの声を直接聞けた場にもなったと思います。

平尾 わりと私の考えていたことが伝わっているということにびっくりしました。描いていることが、こんなにも伝わっているんだとわかって嬉しかったです。これからも頑張ります。今日すごく緊張して来たんですが、お話できてめちゃくちゃ嬉しかったです!

ーー先生からお墨付きをもらったので、今後佐倉さんはご自分の解釈を堂々と言えますね。

佐倉 そうですね(笑)。これからもアウリ先生の、くまささんでいたいなと思います。


(C)平尾アウリ・徳間書店/推し武道製作委員会


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 〈収録内容〉
  ・原作平尾アウリ描き下ろしエピソード『第0話』
  ・初期キャラクター設定案
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【封入特典】
・ChamJamメンバーイメージアイテムステッカー
 (全7種+シークレット/ランダム1枚封入)
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・ノンクレジットオープニング
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価格:1万6000円+税/PCXP-50742/2020年4月15日発売予定
第7話~12話/本編144分+映像特典6分
【仕様】
・キャラクターデザイン下谷智之描き下ろし特製ボックス
・原作平尾アウリ描き下ろし特製デジパック
【初回限定特典】
・『推しが武道館いってくれたら死ぬ』コミックス0.5巻(64P)
 〈収録内容〉
  ・初期ネーム(3種)
  ・原作平尾アウリインタビュー
【封入特典】
・ChamJamオタクイメージアイテムステッカー
 (全7種+シークレット/ランダム)
・5/24開催メインキャスト出演イベント〈夜の部〉チケット優先販売申込券
【映像特典】
・PV集(第1~4弾)
・『ずっと ChamJam』Special Music Video
・次回予告集


(C)平尾アウリ・徳間書店/推し武道製作委員会