2018年から医療費控除に関する添付書類が大幅に改正されていますので2019年の確定申告の際にも注意してください。医療費控除を受ける際に従来からの領収書ではなく、「医療費控除の明細書」が必要です。

◆医療費控除に必要な書類が2018年申告分から変更! どう変わった?

医療費控除の申告については毎年毎年、確定申告時に質問項目の多いひとつです。

たとえば「医療費控除の対象って通院や入院のほかに風邪薬も対象になるって聞いた」とか、「年間合計10万円いかなくても医療費控除が受けられるって聞いた」とか、「電車やバスを利用したときって領収書残らないんだけどどうしたらいい?」というようなものです。

2018年(平成30年3月期)の確定申告から医療費控除に関する添付書類が大幅に改正になりました。一言でとりまとめると、医療費控除を受ける際に従来からの領収書ではなく、明細書が必要となったということになります。

以下、ポイントをとりまとめましたのでおさえておきましょう。

◆医療費控除を受ける際に領収書ではなく、「医療費控除の明細書」が必要に
国税庁から発表されているパンフレットによると、

・医療を受けた人別に
・病院、薬局ごとに医療費を集計し
・合計額を転記する

という3点がポイントになってきます。
H29年以降の医療費控除明細書の記載例(出典:国税庁資料より)

この記載例からは、

・国税太郎さんが■■病院で支払った診療費を合計
・国税太郎さんが▲▲薬局で支払った医薬品を合計
・国税花子さんが○○診療所で支払った診療費・医薬品を合計

していることが読み取れるでしょう。

また、2018年の申告から、医療費のレシートの提出は必要がなく、5年間自宅で保管すればOKということになりました(ただし、税務署から求められたときは、提示又は提出しなければならないので、保管場所を定めきちんと保管しておいくことも重要です)。

◆「医療費控除の明細書」のフォーマットが大幅変更に
医療費控除の明細書のフォーマットが大幅変更になりました。

従来の医療費の明細書と比較すると、治療内容・医薬品などを記入していた箇所がなくなり、

・診療・治療
・介護保険サービス
・医薬品購入
・その他の医療費

という4区分を設け、チェックマークを付すということに変更になったことです。
H29年以降の医療費控除の添付書類(出典:国税庁資料より)

一方で医療を受けた人の続柄や病院・薬局などの所在地を記載することはなくなりました。

なお、冒頭で紹介した「電車やバスを利用したときって領収書残らないこともあるんだけどどうしたらいい?」というような通院費を医療費控除の明細書に記入する手続きですが、

・病院・薬局などの支払先の名称……JR・○△バス など
・医療費の区分……その他の医療費にチェックマークを付す

といった記載例が国税庁から発表されています。

◆健康保険組合等が発行する「医療費のお知らせ」が、領収書代わりに
おおむね、医療費控除の明細書(従来の書式は医療費の明細)に転記する前の集計作業がやや煩雑になったということは言えるのかもしれません。

ただし、それらを解消する税制改正も同時になされています。それは健康保険組合等が発行する「医療費のお知らせ」が、領収書代わりに利用できることです。

この「医療費のお知らせ」は、2016年分以前の医療費控除の添付書類としては認められておらず、領収書代わりにはなりませんでした。

ところが2017年分の確定申告から健康保険組合等から送られてきた「医療費通知書」(医療費のお知らせ)は、医療保険者が医療費の額を通知する書類に該当することになったことがタックスアンサーに明記されたほか、「医療費通知書」を添付すると、医療費控除の明細書への記入が簡略化できるのです。

反対からみれば、「医療費通知書」(医療費のお知らせ)を紛失してしまったものだけ、医療費控除の明細書へ記入すれば済むことになります。

◆医療費の集計フォームを利用する方法も
また、医療費集計フォームを利用する、という方法もあります。

医療費集計フォームとは国税庁ホームページ内の確定申告作成コーナーにある誰でも利用できる表計算のフォーマットです。
医療費集計フォームのダウンロード画面(出典:国税庁確定申告作成コーナー)

入力したものをプリントアウトして、医療費控除の明細書に記入する元データとして利用できるほか、入力し保存した「医療費集計フォーム」を、所得税の確定申告書作成コーナーの医療費控除の入力画面でデータ読込の操作を行うことで、入力された内容を反映することができるといった便利な機能があります。

◆領収書から明細書添付への確定申告手続きに慣れていきましょう
そうはいっても、従来からある医療費控除の手続きに慣れてしまっているのだけれどという人も多いのではないでしょうか。あるいは「医療費通知書」(医療費のお知らせ)を破棄してしまっている人もいるかもしれません。

したがって、このような改正が周知されるまでの一定期間、「従来からある医療費控除の手続きでもかまわない」という経過措置期間があります。

この経過措置期間は平成29年分から令和元年分(平成30年3月期確定申告から令和2年3月期確定申告)までです。

この期間に徐々に領収書から明細書添付への確定申告手続きに慣れていきましょう。

◆セルフメディケーション税制の明細書はコチラ
また、同様に平成29年分確定申告(平成30年3月期申告)から開始されているセルフメディケーション税制の明細書は次のとおりとなります。
セルフメディケーション税制の明細書(出典:国税庁資料より)

これは、前述の通常の医療費控除との選択制、つまり、どちらかを選択して適用することとされていますので、通常の医療費控除ではなく、セルフメディケーション税制を活用して確定申告する場合には、コチラの明細書を添付することとなります。

◇領収書の記載例
この明細書に記入する領収証の原本の記載例は図のとおりです。
セルフメディケーション税制の領収書の記載例(出典:国税庁資料より)

こちらの記載例にあるように★印を付すなど、セルフメディケーション税制の対象商品である旨が記載されています(①商品名、②金額、③当該商品がセルフメディケーション税制対象商品である旨、④販売店名、⑤購入日の明記が必須であることが厚生労働省から示されていますが、フォーマットは小売り店ごとに異なることもあります)。

その後、この内容を集計(記載例では1273円+891円=2164円)し、薬局など支払先の名称には国税薬局と記載し、医薬品の名称にはゼイムEX、カクテイ胃腸薬MNなどと記載することとなります。

なお、ひとつの薬局内で購入した医薬品は医薬品の名称が枠内におさまらない場合には医薬品の名称を二段書き、三段書きすればOKです。

文=田中 卓也(マネーガイド)