爆音上映、赤ちゃんOK…映画批評家が太鼓判! 独自の個性を打ち出すユニークな映画館たち
さまざまな趣味と娯楽の奥深い世界をご紹介するTOKYO FMの番組「ピートのふしぎなガレージ」。3月7日(土)放送のテーマは「映画館」。今回は、映画批評家の前田有一さんに「シネコン時代の個性ある映画館」について伺いました。

※写真はイメージです



── 映画館によって違いってありますか?

昔に比べると、最近は“シネコン(複合型映画館)”が増えましたね。シネコンはチェーンなので、全国津々浦々どこへ行っても、同じクオリティのサービスが受けられるのが最大のメリット。日本の映画館の設備やサービスのレベルを上げてくれた良い文化ではあるのですが、それと同時に、映画館ごとの“個性”が失われ、画一的になってしまった部分もあります。

そんななか、昔から残っている映画館や、単館系の映画館、インディペンデント系の映画館などは、独自の個性を打ち出しています。例えば、立川の「シネマシティ」は“音”にこだわった映画館。「爆音上映」でも有名ですね。すごく良い音を大音量で流してくれるので、「音にこだわった映画を観たい」、「洋画の超大作を迫力あるサウンドで楽しみたいときにはここに行く」という人もたくさんいます。

── 前田さんが感心したユニークな映画館はありますか?

山手線の田端駅にある「CINEMA Chupki TABATA(シネマ・チュプキ・タバタ)」という映画館です。ここは日本初のユニバーサルシアター。簡単に言えばバリアフリーの映画館で、障がい者や赤ちゃんを連れたお母さんなど、誰でも分け隔てなく映画を楽しめる映画館を目指して作られました。

普通、赤ちゃんのいるお母さんにとって、映画館は一番行きにくい場所の1つでしょう。でも、ストレスの多いお母さんにこそ映画を楽しんでほしい。そこで、この映画館は後ろに“完全防音の個室”を用意して、赤ちゃんが泣き出したらそこであやせるようになっています。その個室でも、ちゃんと映画の続きを観られるので、何なら最初から最後までその部屋で映画を観ても構いません。

── 確かに赤ちゃん連れで行ける映画館って珍しいですね

聴覚障がいの人向けには、抱き枕のような振動スピーカーも用意されています。僕も試させてもらったのですが、なかなか新鮮な体験でした。目が見えない人向けにも座席にイヤホンガイドがあります。そして何より、赤ちゃんが泣き出して、後ろの個室へあやしに行くお母さんに対し、 “お互いさまだから”と観客のみんなが温かく見守る雰囲気が素晴らしいと思いました。

しかも「CINEMA Chupki TABATA」は、単にバリアフリーなだけではありません。25席くらいしかない小さな映画館なのに、ものすごく良い音響設備が入っているんです。支配人の方に話を聞いたら、アニメ「ガールズ&パンツァー」シリーズを手掛けた音響監督の岩浪美和さんが、限られた予算のなかで全力を尽くして音響の設計・監修をしてくださったのだとか。普通に観に行っても、そこら辺の映画館より、はるかに良い音で映画を楽しめます。

TOKYO FMの「ピートのふしぎなガレージ」は、《サーフィン》《俳句》《ラジコン》《釣り》《バーベキュー》などなど、さまざまな趣味と娯楽の奥深い世界をご紹介している番組。案内役は、街のはずれの洋館に住む宇宙人(!)の博士。彼のガレージをたまたま訪れた今どきの若者・シンイチと、その飼い猫のピートを時空を超える「便利カー」に乗せて、専門家による最新情報や、歴史に残るシーンを紹介します。

あなたの知的好奇心をくすぐる「ピートのふしぎなガレージ」。次回3月14日(土)放送のテーマは「昆虫食」。お聴き逃しなく!

<番組概要>
番組名:ピートのふしぎなガレージ
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国37局ネット
放送日時:TOKYO FMは毎週土曜17:00~17:50(JFN各局の放送時間は番組Webサイトでご確認ください)
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/garage