米ServiceNowは3月11日、AI(人工知能)とアナリティクス機能からなるという「Now Intelligence」を搭載する「Now Platform」の最新バージョンである「Orlando」を提供開始した。Now Intelligenceの利用により、従業員はよりスマートかつ迅速な業務の遂行、ビジネス上の意思決定の合理化、新たな段階の生産性の実現が可能になるとしている。

新バージョンは、ServiceNowのIT担当者、従業員、顧客のワークフローにアナリティクスを提供し、インテリジェンスとモビリティのソリューションを高めるという。

その重要な要素として、まずアナリティクス・ソリューションズでは、クラウド・インサイト、リスクアセスメント(リスク評価)、ソフトウェア脆弱性評価の3点を挙げる。

クラウド・インサイトでは、業務時間内のクラウド利用状況の管理、適切なリソースの選択、利用ポリシーの適用に関するインテリジェントな推奨を提示することで、ITチームのクラウド資産のコストを最適化できるという。

リスクアセスメントの利用により、第一線に立つ組織のチームが日常業務の多様なリスクを容易に評価可能になるため、 他のチームはビジネス全体にわたる運用上のリスクやその他のリスクを分析及び管理する際に、 変化に効果的に対応可能になるとしている。

ソフトウェア脆弱性評価では、セキュリティチームとITチームが脆弱性のあるソフトウェアと関連デバイス及びサーバを即座に特定し、標準的なITワークフローを通じて迅速に変更を加えることで、ゼロデイ脆弱性の潜在的な影響を最小限に抑えられるとのこと。

インテリジェンス・ソリューションズでは、作業割当におけるエージェント親和性、自然言語を理解する仮想エージェント、CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)の3点を挙げる。

エージェント親和性については、カスタマーサービス・チームがインテリジェントなコンテキストを使用して最適なエージェントに作業を割り当てることができ、 顧客満足度を向上できるという。 作業を割り当てられるエージェントには、 常に特定の顧客にサービスを提供する特定のチーム、以前にその顧客にサービスを提供したことのあるエージェント、または関連タスクの経験があるエージェントを含む。

仮想エージェントに関しては、Now PlatformのMadridバージョンとNew Yorkバージョンで発表したイノベーションを継続的に進化させ、自然言語理解(NLU)モデルの作成と保守を容易にするとしている。

CI/CDは、選択的コミットや衝突回避による開発者コラボレーションの強化や、開発期間を短縮する簡潔なデプロイメント・プロセスなど、チームによる標準DevOpsツールを使ったオン・プラットフォームの大規模な開発をサポートするという。

モビリティー・ソリューションズでは、モバイル・エージェント機能の強化、モバイル・ブランディングとアナリティクス、モバイルを対象としたキャンペーン(目的別アプローチ)の3点を挙げる。

モバイル・エージェント機能の強化に関しては、ネイティブなモバイル体験の提供により、サービスデスクのエージェントとオペレーターが任意のデバイスを使用していつでも問題を解決できるようになるという。 これらの機能は、ITSM、ITOM及びフィールド・サービス管理ソリューションで利用できるとのこと。

モバイル・ブランディングとアナリティクスでは、採用応募者、新規採用者、従業員が最もよく利用する自社サービスを、従業員との関係をより密にして、アナリティクスを使用することで顧客ブランドの環境でNow Mobileの企業体験を設定できるという。

モバイルを対象としたキャンペーンについては、部署や職種などのプロファイル情報を使用して、重要で関連性のある情報(課税期間、サイトの更新、地域のITイニシアティブなど)を、モバイル・デバイスを介して従業員に提供する。 従業員のコミュニケーションに対するアプローチにより、従業員満足度が向上し、サービスデスクへの問い合わせの減少が期待できるとしている。