ルネサス エレクトロニクスは3月10日、衛星通信(Satcom)、レーダーおよびフェーズドアレイ用途向けミリ波IC製品として、送信アクティブビームフォーミングIC「F65xx」ならびに低ノイズアンプ(LNA)「F692x」を発表した。

F65xxは8チャネルTxアクティブビームフォーミングICで、Ku帯の「F6521」と、Ka帯の「F6522」、CDL(Common Data Link)用の「F6513」がラインアップ。いずれも2.3V単一電源により、電源設計を簡素化しつつ、高効率動作による100mW/ch未満の消費電力を実現している。また、ビーム更新時間は100ナノ秒未満という高速ビームステアリングで、平面フェーズドアレイアンテナの実装要件を満たす省スペース性を提供しながら、高いパフォーマンスを実現できるものとなっていると同社では説明している。

一方のF692xもKu帯向け「F6921」、Ka帯向け「F6922」、CDL向け「F6923」をラインアップ。15~20mWの消費電力で19dBの利得といった、低消費電力、低ノイズ、高利得、およびコンパクトなサイズの組み合わせにより、アンテナアレイG/T(性能指数)を最大化しつつ、アンテナ径の物理的サイズを最小化できるため、システム全体の低消費電力化と低コスト化が可能になるとしている。

なお、いずれの製品ともに2020年4月より、評価キットと量産前サンプルを条件を満たすユーザーに対し、供給を開始する予定であるとしている。

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    ルネサスの衛星通信やレーダー向けミリ波ビームフォーミング製品の活用イメージ (提供:ルネサス)