韓国の電子業界メディアETNewsが「Japanese Semiconductor Materials Makers Looking to Build Production Bases in South Korea(日本の半導体材料メーカー各社が韓国に生産拠点建設を計画)」と題する記事を掲載し、韓国の半導体サプライチェーンからの脱落を避けようと、日本の半導体素材・製造装置メーカー各社が韓国内に生産拠点などを設置しようという動きが活発化してきたことを報じている。

当該の記事では以下のような事例が掲載されている。

  • ADEKA(旧:旭電化工業)は、これまで茨城県の鹿島工場で製造し韓国に輸出していたいくつかの半導体材料を韓国の生産拠点での製造に置き換えているという。その中にはSamsung ElectronicsがDRAMの量産に使用するHigh-k材料向け素材も含まれるという。
  • 関東電化工業は、韓国・天安市に建設した新工場でCVD装置のチャンバークリーニングのためのNF3ガスの生産を行うとしているほか、隣接地に研究施設も建設するとしている。
  • DuPontが2021年までに2800万ドルを投じて、韓国にEUV用フォトレジストの生産工場を建設するが、それに対抗する形で、東京応化工業(TOK)も韓国・仁川工場での既存のフォトレジストの増産に加え、EUVレジストの生産も検討を進めているという。
  • 東京エレクトロン(TEL)は、2020年1月に韓国・平沢市のSamsungのメモリ工場の隣接地に「平沢テクニカルサポートセンター(PTSC)」を開設。延べ面積7025m2の建屋に最大400名の技術者が詰めて、装置立ち上げなどの支援を行うとしている。同社はSamsungの華城事業所の隣接地にも「東京エレクトロン技術センター(TTCK))」も設置しており、こちらは製造装置の研究開発を担当しているという。

なお、韓国の半導体業界団体であるKSIA(Korea Semiconductor Industry Association)では、より多くの企業が韓国での半導体ビジネスができるように、参入障壁を下げる必要があるとの考えを示している。