新型コロナウイルスの拡大防止策を検討する政府の専門家会議(座長・脇田隆宇・国立感染症研究所長)は9日、「現在は爆発的な感染には進んでおらず、一定程度は持ちこたえているものの警戒を緩めることはできない」とする新たな見解を発表した。また会議のメンバーである舘田一博・日本感染症学会理事長は同日夜の記者会見で「インフルエンザのように暖かくなると消えるウイルスではない。このため新型コロナウイルスとの戦いは数カ月から半年、もしかしたら年を越えて続けていかなければならない」と指摘した。政府はこの専門家会議の新見解を受け、大規模なイベントなどの自粛要請を継続するか検討している。

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    感染リスクの3条件。条件が揃う場所はクラスター(集団)感染のリスクが高いとされた(新型コロナウイルス感染症対策専門家会議提供)

専門家会議は2月24日に「この1~2週間が今後急速に感染拡大するかの瀬戸際だ」とする見解を示した。3月9日で2週間が経過するため新見解をまとめた。

新見解は日本国内の感染状況について、まず爆発的感染には進んでいないとした。その上で(1)感染者集団(クラスター)の早期発見・早期対応を柱とした感染防止策を当面維持する(2)重症者を治療するための医療提供体制を強化する(3)市民の行動変容を要請する――の三つを柱とした戦略を当面の間、維持すべきだとした。

こうした戦略を維持する時期について専門家会議は、大規模イベント自粛や学校の一斉休校は、対策の効果が見えてくる今月19日ごろをめどととする、としている。

厚生労働省によると、クラスターはこれまで、北海道、愛知県、大阪府などで発生している。9日示された新見解はこうしたクラスターを早期に発見し、対応することが重要と指摘した。専門家会議はまた、「密閉空間で換気が悪い」「手が届く距離に多くの人がいて密集している」「近い距離での会話がある」という条件がそろった場合に感染するリスクが高くなると改めて指摘し、3条件を満たす場所に行くことを極力避けるよう要請している。

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    国立感染症研究所で分離された新型コロナウイルスの電子顕微鏡画像。(国立感染症研究所提供)

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