米ディズニーCEOボブ・アイガー氏が退任「今こそ最高のタイミング」

15年近くにわたるディズニーの黄金時代を支えたボブ・アイガー氏が同社のCEOを退任した。後任のボブ・チャペック氏は、同社のディズニー・パークス・エクスペリエンス・プロダクツ部門の会長を務めた人物である。

米現地時間2月25日、米ウォルト・ディズニーはボブ・アイガー最高責任者(CEO)の退任を発表した。
アイガー氏の後任を務めるのは、同社のディズニー・パークス・エクスペリエンス・プロダクツ部門を率いたボブ・チャペック氏。アイガー氏は、取締役会長として2021年末まで同社にとどまる。

アイガー氏は、2005年に同社の元CEOのマイケル・アイズナー氏の後を継ぎ、ディズニー史上もっとも高い収益を上げた黄金時代の指揮を執った人物である。アイガーCEOの在任期間中、同社はピクサー、マーベル・エンターテイメント、ルーカス・フィルムといったメディア企業を買収した。そのなかでも、2019年春の21世紀フォックスの買収は記憶に新しい。同社が2009年にマーベル・エンターテイメントを買収して以来、映画スタジオのマーベル・スタジオが手がけた9作品は、全米で合計10億ドル以上もの興行収入を集めた。なかでも、『アベンジャーズ/エンドゲーム』は、興行収入は世界歴代1位という記録を保持している。

さらに、ディズニーが手がけた『スター・ウォーズ』シリーズ5作中4作は、10億ドル以上の興行収入を記録。メディア王ルパート・マードック氏から21世紀フォックスを手に入れるための713億ドルという大型買収の結果、ディズニーは映画『タイタニック』やアニメ『ザ・シンプソン』などのコンテンツはもちろん、21世紀フォックスの映画スタジオとテレビネットワークも手中に収めた。また、21世紀フォックスが持っている動画配信サービスHuluの所有権においても過半数を獲得している。


さらに同社は、獲得したコンテンツを配信するためのストリーミングアプリとして2019年11月から米国で新しい動画配信サービス、Disney+を開始したばかりだ。同社の最新の財務報告書によると、Disney+の会員数は2650万人とのこと。

25日に突然CEOを退任する以前から、アイガー氏は数回にわたって引退を先送りにしてきた。「お客様にダイレクトにコンテンツを提供できる事業の立ち上げが成功し、21世紀フォックスとの事業統合も順調に進むなか、いまこそが新しいCEOに引き継ぐ最高のタイミングだと思いました」とアイガー氏は声明を発表した。「私は、ボブ(・チャペック)に全幅の信頼を置いており、これから22カ月にわたってボブとともに仕事をするのが楽しみです。この期間でボブはCEOという新しい業務を引き継ぎ、ディズニーの多彩なグローバル事業やオペレーションに深く関わることになるでしょう。その一方、私はディズニーの独創的な試みにフォーカスし続けます」

同じ声明でチャペック氏は、アイガー氏からCEOのバトンを受け継ぐ興奮を語った。「世界でもっとも偉大な企業だと心から慕うディズニーのCEOに就任し、比類なき才能を持つ仲間やスタッフを率いることに私は大変恐縮するとともに、とても光栄に思っています」とチャペック氏は述べた。「ボブ・アイガーは、ディズニーをもっとも高い評価と成功を手に入れたメディア・エンターテインメント会社へと成長させてくれました。私は彼のリーダーシップチームの一員として、最前列でその成長を享受する幸運に恵まれたのです」