2億円超えで落札!ポルシェのあるレーシングマシンが歩んできたヒストリー

2020年2月にフランスで開催されたオークションに出品されたポルシェの中で、最高値が付けられた一台はポルシェ906 ”カレラ6”だった。その落札値段は、173万600ユーロ(約2億658万円)だ。

今回出品されたシャシーナンバー”906-115”の一台は、1966年3月9日にファクトリーから出荷されイタリアに住むオーナーのもとへ納車された。オリジナルのボディはホワイトカラーで、エンジンは906-113のユニットを搭載していた。すべての写真を見る

最初のオーナーは、アマチュアドライバー。メジャーなイタリアのヒルクライムイベントにこの906で参加を重ねていた。1967年には友人に手渡したが、彼もまた906でヨーロピアン・チャンピオンシップなども含めたイベントに姿を現していた。イタリアに限らず、オーストリア、スイス、ドイツ、フランスでのイベントにも1967年を通して参加を重ねた。1968年には、イモラ500kmやムジェロでのレースイベントなどイタリアを拠点としていたそうだ。



1977年にこの906を手にした5人目のオーナーはドイツ人のMr B.ベッカーだった。彼はボディを赤にペイントし、レストアのためドイツのスペシャリストへ預けられた。

彼は906よりも910をドライブすることを好み、あまりこの一台を表に出していなかった。1995年頃、存在を思い出しガレージから引っ張り出したほどだったという。2001年までドニントンやニュルブルクリンク、モンツァなどで走って遊び、2000年には南アフリカでのレースにすら連れ出した。そこでのドライバーはベッカーではなかったが、3位に入賞している。2001年のヒストリック・ヒルクライムではスイス人で初めてF1優勝に輝いた、ジョー・シフィールの息子がステアリングを握り4位獲得というヒストリーを持つ。



そして、ベッカーから引き継いだオーナーが手にすると、ふたたびボディカラーが変えられた。彼が過去にアメリカのミュージアムで見た906と同じカラー、ボディはホワイトで赤く塗られたボンネットが印象的な姿へとなった。2002年にフランスのコレクターが購入し、ツアー・オートなどのイベントに参加している。

2007年には、オークションに出品され北フランスのエンスージアストのもとへ。彼は、2014年にフェラーリコレクターとして著名なイタリア人エンスージアストに手放した。このコレクターはポルシェを所有したいと常に思っていたそうだ。念願叶ってのポルシェだったため、壊すことを恐れてこの906を走らせることはめったになかったそうだ。実動している時間は短かったにも関わらず、著名なスペシャリストにメンテナンスを頼んでいたためコンディションは極めて良い。



この906を購入した新しいオーナーも大切に保存していって欲しいものだが、レーシングマシンとして秘めたパワーも発揮させてほしいものだ。