“デジタル声優アイドル” 22/7が、現実と二次元の交差点で見つけた夢「世界で愛されるグループになりたい」

人気クリエイターにより生み出された11人のキャラクターとそれを演じる11人の声優メンバーで構成され、秋元康が総合プロデューサーを務める“デジタル声優アイドルプロジェクト” 22/7(ななぶんの にじゅうに)。1月からはついにTVアニメもスタートし、声優としても歩みだした彼女たちにアフレコの裏側を聞いた。
──いよいよ1月から放送開始したTVアニメ『22/7』は、普通の女の子だったキャラクターたちがアイドルを目指すお話ですが、どこが魅力のアニメですか?

帆風 アニメに登場するキャラクターたちは、今までもバラエティ番組だったりVTuberとしても活躍していたんですけど、それぞれがなぜアイドルになったかっていう背景が描かれていたり、どう成長して今に至ったのかっていうところが見られるようなストーリーになっています。

──今までの「アイドルものアニメ」に比べるとかなり作風が変わっていますよね。

海乃 他のアイドルアニメに比べたら珍しくOPもEDもマイナー調で、内容もシリアスなので、そういったところは逆に差別化ができて、アイドルアニメ好き以外の方にも観ていただけるようなアニメになっているんじゃないかと思います。

天城 ミステリー要素も入っていますし、これから出てくる各キャラクターが大きくフィーチャーされる「お当番回」では、1人ひとりの生い立ちなども描かれているのでヒューマンドラマでもありますし……。ファンタジーな部分もありつつ、リアリティーに特化したアイドルアニメだと思います。

──それぞれお当番回は特にセリフ量が多かったのではないかと思います。アフレコはいかがでした?

天城 私がやっている藤間桜ちゃんのお当番回には回想シーンがあるんですけど、もともと声を高めに設定していたので、幼少期との声の差別化が難しかったです。

帆風 私がやっている佐藤麗華ちゃんのお当番回は結構大声を出すシーンがあるんですけど、そこはなんとなく自分のなかで一発OKをもらいたかったので、すごく気合い入れて声を張りました(笑)。

海乃 私の戸田ジュンちゃんお当番回はいろいろなシーンの演じ分けが難しくて、なので絵コンテの段階から「このシーンではどういう風に言ってるんだろう」とか考えたりして時間がいくらあっても足りないくらいでした。

宮瀬 立川絢香ちゃんのお当番回は本編で歌うシーンがあったんです。なのに、なかなか練習用の仮歌が送られて来なくて……。自分でピアノを使って譜面を起こしてお家で一生懸命練習したんですよ。そのまま現場に行ったらスタッフさんに「あれ? 仮歌送ってなかったっけ?」って言われて。実はメールで送られていたのにそのデータに気付かなかったんですよ(笑)。そういうことがあったから逆に思い入れが持てたっていうのもあるんですけど……。今じゃおかしい話です(笑)。



──それは大変でしたね(笑)。完成品を観てどう思いましたか?

海乃 自分達のキャラクターが実際に動いているのを観て「1本のアニメだ!」ってまず感動しました(笑)。あとは「この子って普段こういう服着てるんだ!」って。アフレコの時点では分からなかったので、キャラクターの新しい一面をまた見ることができました。

天城 やっぱり私達は担当キャラクターへの思い入れが強いといいますか、「このキャラクターがあなたの担当です」って言われたときの喜びが本当に大きかったし、そのキャラクターを大切に育て上げてきたっていう気持ちがみんなにあるので、彼女達がスクリーンの中で動いているところを観たときは感動でいっぱいでした。

──声優としての夢が叶った瞬間ですからね。続いては5thシングル『ムズイ』ですが、アニメの主題歌用に作られた曲なのに歌詞がネガティブだったりして、そこが“ナナニジ”さんらしいなと思いました。歌詞を見てどう思いました?

天城 歌以外にも1人ひとりにセリフがあるんですけど、みんなにセリフが割り振られている曲は今までなかったので、声優アイドルとしてキャラボイスが試されるなと思って楽しみになりました。

──この曲にも「ナナニジらしさ」はあると思いますか?

天城 そうですね。やっぱりナナニジの楽曲は落ち込んでいる誰かを元気づけるっていうよりは、葛藤している人達に「1人じゃないんだよ」って寄り添ってあげるような楽曲が多いので、そういった面では『ムズイ』もナナニジらしくて、とても魅力的な楽曲だなって思います。

──それからカップリング曲の『空のエメラルド』は、TVアニメのエンディング曲になっています。

宮瀬 『空のエメラルド』はタイトルも綺麗だし、初めて曲を聴いたときはすごく壮大な感じがして、好きだなって思いました。私達のストーリーにふさわしい心地良い歌になっているので、ぜひ皆さんに聴いていただきたいなって思います。

──ところでアニメのスタートと入れ替わる形でバラエティ番組『22/7計算中』(TOKYO MXほか。キャラクターが3DのCGで出演する番組)が放送終了しましたが、あの番組はキャラクターが個性を発揮する良いきっかけになったのではないかと思います。

帆風 私は番組でスライムのASMR動画を撮影したんですけど、そこで私自身のクセでもある「よいしょ~」っていう言葉を何気なく発したんですよ。そしたらメンバーやファンの方が気に入ってくれたみたいで、握手会で「よいしょ~」って言って去って行く方もいたりしました(笑)。それまでどうやって佐藤麗華ちゃんというキャラクターをバラエティで演じていいのか分からなかったんですけど、もっと自然体でやってもいいんだっていうことに気付けた回でした。

海乃 『計算中』ではお化け屋敷に入らされる機会が多かったんですけど、私もただ怖がっていただけなのにまさかあんな面白い感じにしていただけるとは思わなくて(笑)。私はほんとに行きたくなくて泣いていただけなんですけど、自分の弱みだと思っていたところがプラスになるんだっていうことに気付けました。



──ちなみに4人のなかでアニメキャラクターと一番性格が一致しているのは誰だと思いますか?

海乃 (帆風が演じる)佐藤麗華。

宮瀬 私も麗華かな。

天城 麗華ちゃん……かな。

帆風 ……それは荷が重いよ。

3人 アハハ(笑)!

──バーチャルでもリアルでもリーダーですもんね。

帆風 あっそうですね。私自身は麗華ちゃんと近いとは思っていないんですけど、でもキャラクターをいただいてからそれに見合う人になろうと思っていたので、そういうところを頑張ったっていうのはあるかもしれませんね。

──最後はナナニジの目標についてですが、今年の抱負が「世界制覇」だそうですね?

天城 ハイ。やっぱり2020年は私たちのテレビアニメがスタートした年であると同時に東京オリンピックの年でもあるので、海外の方々が日本に注目しているなか、この「デジタル声優アイドル」っていう今までに無かったアイドルグループも注目してもらって、世界でも愛されるグループになりたいなっていう意味を込めて「世界制覇」に決めました。

──その鍵はアメリカ・カリフォルニア州出身で語学堪能な天城さんが握っているかもしれないですね。

天城 全然です(笑)。 鍵はあるかもしれないですけど、ドアを開けてくれるのはみんななので。

(取材・文/鎌形剛)
▼22/7(ななぶんの にじゅうに)
秋元康総合プロデュースの11人組デジタル声優アイドルグループ。大型アイドルイベントの出演や初の東名阪ツアーなど、リアルアイドルとしても精力的に活動中。通称は「ナナニジ」。
Twitter:@227_staff

▽天城サリー(あまき・さりー)
4月26日生まれ、ロサンゼルス出身。B型。

▽海乃るり(うみの・るり)
8月8日生まれ、東京都出身。A型。

▽帆風千春(ほかぜ・ちはる)
4月10日生まれ、兵庫県出身。O型。

▽宮瀬玲奈(みやせ・れいな)
5月26日生まれ、福岡県出身。A型。