ドラマ「恋はつづくよどこまでも」に出演している毎熊克哉さん

 連続ドラマ「恋はつづくよどこまでも」(TBS系、火曜午後10時)で、上白石萌音さん演じる新米看護師・佐倉七瀬と佐藤健さん演じる超ドSなドクターの天堂浬(かいり)と同じ病院に勤める医師、来生晃一役で出演している毎熊克哉さん。NHK連続テレビ小説(朝ドラ)「まんぷく」の“塩軍団”森本元役で注目を集めた毎熊さんは、今作での”来生先生”役の反響の大きさに「自分は聞いていない」と照れ笑い。毎熊さんに、役作りや自身の10年後、今後挑戦してみたい役を聞いた。

 ◇これまでの役とはイメージが異なる来生先生

 「Iターン」(テレビ東京系)や「少年寅次郎」(NHK総合)、「蝶の力学 殺人分析班」(WOWOW)など、どこか癖のある役を演じることが多い毎熊さんだが、来生は優しく穏やかな性格で、屈託がなく憎めない笑顔が魅力。これまで演じてきた役と真逆の役どころだ。

 「医者の役も初めてですし、来生のようにニコニコしているような役ではない方が多かった」と毎熊さんは話し、「パブリックイメージみたいなものは、そこまでない方だと思いますが、(演じる上では)ない方がいいとは思う。(演じている役のような)そういう人だと思ってもらえたらいい」と演技へのスタンスを明かす。

 ドラマ制作発表のイベントで、自身について「怖い人だと思われているのでこういう役は難しい」と話していた毎熊さん。「心は穏やかだけど穏やかに見えないということですかね(笑い)」と自虐的に話し、「顔の作りは変えられないけど、怖い役が自分に向いているとはまったく思っていなかった。ただ、やってみたら意外と(自分の)顔って怖いんだなって」と笑う。

 ◇意外な演技論を明かす

 来生役と自身の共通点について、毎熊さんは「似ているなと思うのは、わりと誰にでも平等というか、言ってしまえば当たり障りのない対応というか。それってあまり人に不快感を与えないと思う。そこは似ているかな」と分析する。

 その理由を、「本当の自分をあまり表現していないから、誰にも不快感を与えない。『本当の自分はこう思う』ということを好き放題に出したら、合わない人には嫌われてしまう。(来生は)それがなく、ある程度、自分を隠している。そこは似ていると思う」と説明する。

 毎熊さん自身は、「隠している部分を楽しんでいるというか。さっき(自分は)すごく優しい顔をした気がするけど、実はむかついていたなとか、そういうときはある」と明かし、「出すことも必要だとは思うけれど、あまりしない方」と普段はあまりストレートに感情は表現しないという。

 ストレスはたまらないのかと聞くと、「たまっていることもあると思いますけど、それを役で出せるので、ためっぱなしではない」と答え、「自分の中にある“悪しき思い”とかを役でできる。例えば暴力的な役の怒りの感情は日ごろためているものだったりします(笑い)。だから、ためっぱなしではなく、ちゃんと還元できています」と俳優業に生きているという。

 ◇ドクター役として演じてみたい場面は…

 今作で共演している上白石さんや佐藤さんの印象について、「それぞれ役としての“居方”を意識していると思う」と毎熊さん。「魔王なら魔王でこういう感じとか、七瀬は七瀬でキャラクターを模索しているような印象ですね」と話す。

 初のドクター役で苦労している点を聞くと、「難しいなと思っているのは、今のところドクターっぽいシーンがないこと(笑い)」とちゃめっ気たっぷりに話し、「歩いていて見かけられるとか、恋の話をしたり、シュークリームの話をしたり、あまり仕事していないような感じになっているので、仕事しているシーンがあればいいんだけど……」と意外な悩みを明かす。

 ドクター役として演じてみたいシーンは?と水を向けると、「あってほしいけど、専門用語は言い慣れないのでせりふが難しい。ちょっとでも書いてあるとドキッとしますね」と笑い、「オペのシーンなどでは想像より早く掛け合いが進むことがあり、言葉が足りない……となってくると、監修の先生が、こう言えばいいと教えてくれるのですが、そんな普段言わないような言葉をアドリブ的に言うのはやっぱり難しい。ちょっと緊張感ありますね」と撮影エピソードを語る。

 ◇初めてハマったポップカルチャー

 毎熊さんが人生で初めてハマったポップカルチャーは、「映画。あとは音楽とダンス、芝居、いわゆる芸事ですね」という。「映画を作りたくて映画学校のようなところに行ったのですが、映画は監督が作ると思っていたところ、その学校には宣伝部などいろいろな専攻があった」といい、「それで監督だけが映画を作るのではないと気づいたのですが、やっぱり映画を作りたい気持ちはあって。それは変わらずにある中で、役者として携わる感じに変わった」と俳優業に進んだ経緯を説明する。

 そんな毎熊さんに自身の10年後を想像してもらうと、「うまくいっていれば、相変わらず俳優をやっているのでは」といい、「だんだん体力は減っていくと思いますけど42歳ならまだ動けるだろうなと。できればさまざまな人、いろんな国の人と(作品を)作ることができたら。関わる人は多い方がいいかなと思う」と思いをはせる。

 ◇チャレンジしたい役は?「絶対に苦労するだろうなとは思いつつ…」

 今後チャレンジしてみたい役は?という質問には、「絶対に苦労するだろうなとは思いますが、歴史上の人物など実在した人」と回答。「時代が昔なら昔ほど難しいし大変そうだけど、やってみたい。特に、この人という人はいないのですが、難しいけど(演じるための)ヒントはいっぱいある。今まであまりやったことないような考え方になるのではと興味があるし、実在の人物をどう自分が考えていくかというのは、やってみたい」と目を輝かせる。

 そんな毎熊さんに、今作での来生先生の今後の注目ポイントを聞くと、「皆さんが疑問に思っているように、本当に来生はいい人なのかというところを注目してもらえたら」といい、「来生は街の人気者でもあり、パーフェクトにいい人に見える。それを見せられれば見せられるほど……『本当に?』と思うでしょうから、それが本当かどうかをお楽しみに(笑い)」と呼びかけた。

 「恋はつづくよどこまでも」は、円城寺マキさんの同名マンガ(小学館)が原作。偶然起きた出来事で運命の男性となる医師と出会い、恋をした佐倉七瀬(上白石さん)は、彼に会いたい一心で猛勉強し、晴れて看護師に。念願かなって5年越しに再会した天堂浬(佐藤さん)は、毒舌ばかり吐く超ドSなドクターで通称「魔王」と呼ばれていた。天堂に素直な思いを伝え続け、くじけず突き進む「勇者」七瀬と、「魔王」天堂の恋模様を描く医療ドラマ。「中学聖日記」などの金子ありささんが脚本を手がける。

 (取材・文・撮影:遠藤政樹)