アシックスとカシオ計算機は、共同で開発中のランナー向け新サービスを「第6回ウェアラブルEXPO」に出展していました。腰に装着した小型デバイスから得たデータをもとに、スマートフォンアプリ上で走り方のコーチングを行うサービスです。両社が1月30日に発表したもので、現在のところ名称は未定ですが、2020年内には一般発売とサービス提供を開始するそうです。

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    アシックスとカシオ計算機が共同開発中の、ランナー向けサービスのデモ

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    ランナー向けサービスで使うモーショントラッカー(左)

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    「第6回ウェアラブルEXPO」のアシックス・カシオ計算機 共同ブース

走りのフォームを検出して“指導”、G-SHOCK連携も開発中

ランニングフォームのセンシングを行うモーショントラッカーには、加速度・ジャイロ・磁気の3つを計測できる9軸センサー、気圧センサー、GPS、GLONASS、みちびき(準天頂衛星測位システム)など各種センサーを搭載。取得したデータはアプリ上で6つの指標でレーダーチャート化され、スコアの形で可視化します。レーダーチャートの形によって、コーチングの内容が変わる仕組みです。

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    ランナー向けサービス用のアプリ画面

チャートの指標は「巧みな動き」「動きの力強さ」「スムーズな重心移動」「左右対称性」「安定した姿勢」「負担の少ない接地」。このほかベース速度、走行ピッチ、ストライド長も表示されます。コーチングの内容はアシックススポーツ工学研究所の知見によるもので、コーチング画面にはテキストによるアドバイスと併せて、自分のフォームに理想的なフォームを重ねたボーンCGが3D表示されます。

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    ランナーのフォームをレーダーチャートとスコアの形で評価

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    レーダーチャートの形状に応じて、フォームの改善点を指摘。赤いボーンが「意識したいフォーム(お手本)」で、青いボーンが「今日のラン(自分の走り)」

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    自分のフォームと理想的なフォームのボーンCGが3D表示されている。2つのボーンCGを重ねて表示することもできる

モーショントラッカーの本体サイズは6×4×2cm(縦×横×厚み)、重さは約40g。電源はリチウムイオン電池で、満充電時の連続使用時間は約15時間。IPX7相当の防水性能を備えています。

背面はクリップになっており、ランニングウェアの腰部分へ簡単に取り付けられます。ランニングは「身体重心(腰)を前に運んでいく動き」であり、腕振りと足の運びという異なる動きの繰り返しの中心は骨盤(腰部)になることから、腰は「ランナーの多様なフォームを採るのに最適な場所」と説明しています。

スマートウォッチとの連携機能も開発中であり、デバイスの測定開始/終了操作やランニング指標のリアルタイム表示、測定データのサマリー表示などが可能になる見込み。対応機種はカシオのスマートウォッチ「PRO TREK Smart」シリーズのほか、G-SHOCK、Apple Watchを予定しています。

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    スマートウォッチとの連携機能を開発中

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    カシオのスマートウォッチ「PRO TREK Smart」シリーズやG-SHOCKと連携予定