輸入車[2020.02.07 UP]


アウディが2020年の計画を発表。新型Q3導入や主力モデルのアップデートなど


文と写真●内田俊一

 アウディジャパンは新たな都市型ショールームとして日本初のAudi City紀尾井町を2月7日にオープンする。事前に一部報道陣に内覧会が行われ、そこで2019年のアウディジャパンビジネスの振り返りと、2020年の活動計画が語られた。


2019年の実績振り返りは「前年割れだが健闘」

アウディジャパン代表取締役社長のフィリップ・ノアック氏

 2019年、アウディはグローバルで184万台を販売し、前年比1.8%の成長を記録。この牽引役はQ3、Q5、Q8といったQモデルであった。ここで重要なのは「昨年2万6000台のe-Tronを販売したということです」とはアウディジャパン代表取締役社長のフィリップ・ノアック氏の弁。
 一方、残念ながら日本は2万4222台と8.4%の前年割れであった。その理由はマーケットに供給することができなかった主力モデルが多かったことが挙げられた。例えばA1はほぼ1年なく、Q3も在庫が無い状態で、「これまで台数の重要な柱であった2車種がない状態が1年間続いてしまったのです。この要因は主にWLTPへの対応によるものでした。同様にA6の2リッターモデルの導入が遅れ、TTについても同じでした」と苦渋をにじませるが、それを踏まえた実台数は、「非常に健闘した素晴らしい実績でした」と評価し、グローバル同様Qモデルの進捗が大きかったと明かす。
 中古車ビジネスにおいては、「7%以上の対前年成長を遂げました」とし、「今後もオペレーションを改善し中古車の拠点の強化を図っていきます。中古車はアウディの将来のビジネスにとって非常に重要な柱で、2020年も引き続き中古車に注力していきます」と述べた。


2020年度のニューモデル計画を発表。いよいよe-Tronも導入へ

アウディジャパン代表取締役社長のフィリップ・ノアック氏

 アウディジャパンは昨年同社の戦略を発表した。それは商品構成、販売ネットワーク(教育・トレーニングを含む)を強化し、優れた実績を上げること、そして最後はもっとも重要視しているものでもある、顧客中心主義だ。、これは、「お客様が何を求めているのかをしっかり理解し期待に応えるということです」とノアック氏。
 それを踏まえ2020年の商品構成は、1月にはA6とA7の2リッターTFSIエンジンを導入。そして第2クォーターにはディーゼルエンジンも投入予定だ。また、「今後の成長さらにねらうために非常に重要なモデルであるA1 1リッターエンジンを年央に予定しています。新しいマイルストーンになるのが新型Q3で、Q3とQ3スポーツバックを同時に発売しさらに販売台数の増加をねらいます」と期待を寄せる。そのほか、A4、A5、Q7もアップデートしたモデルを発売する予定。また、TT RSとRSQ3も今年導入する予定だという。そして、e-Tronも今年度中に発売予定とされた。


ディーラーのCS向上を重視


 販売ネットワークの強化では「継続的な投資を我々は重視しており、ディーラーでもさらに投資が予定されています。この投資はアウディビジネスの未来を見てくれていることです。今年は総額60億円以上のディーラーによる投資が予定されています」とのことだ。
 また、顧客中心主義は、「我々が重視している戦略の根幹にあたるもの」とノアック氏。「お客様が何を望んでいるのか、特に日本市場のお客様を理解することがとても重要です。日本はアウディにとってグローバルでトップ10に入るマーケットですので、そこでディーラー向けのオンライントレーニング、オフライントレーニング、集合研修、店舗ごとのオンサイトトレーニングも提供していきます」という。こういった成果が既に2019年に現れており、J.D.パワーのラグジュアリーブランド、セールス部門でナンバーワンを獲得。「この受賞はディーラーの取り組みの賜物でとてもうれしく思っていますので、このアプローチを今後も継続していきます」と語った。
 さらに昨年はアウディが各国を招聘し、開催するサービスアドバイザーとテクニシャンのレベルの高さを競う、ツインカップの世界大会において、日本が両部門で優勝している。


本国では2025年までに30以上のEVを


 アウディは“持続可能なモビリティの美しさを解き放つ”という新しいブランド戦略を打ち立てた。これがアウディの新しい戦略だ。これは、「アウディにとって持続可能であること、そしてさらに持続可能になること。これがいまAudiにとってとても重要な戦略なのです」という。また、「技術による先進の再定義も行います。これは今後、電動化、持続可能性、顧客中心主義、コネクティビティを中心に置くということなのです」と説明。
 まず「2025年までに30以上の電気自動車(PHEVを含み、ピュアEVは20車種ほど)を導入します。そして販売台数の4割を電気自動車にしていきます。その目的はco2の排出量を2015年より3割削減することです」と話す。
 持続可能なためのアクションの一例としては、「ベルリンではe-Tronの使用済みバッテリーのリサイクル使用を始め、同じくe-Tronの生産工場であるブリュッセル工場でカーボンニュートラルの生産を実現します。また、Q5の生産拠点であるメキシコ工場で排水ゼロの生産を実現していきます」と述べる。
 アウディジャパンとしても、「カタログをペーパーからデジタルバージョンへ移行します。これにより紙の消費量を年間30トン以上削減することが可能なのです。本当に小さな一歩ですがここからスタートし、こういった活動を継続していきます」。
 また日本初の給水アプリ“MyMizu(マイミズ)”とパートナーシップを組んだ。ペットボトルの廃棄削減を目的としたプロジェクトで、補給スポットを探すアプリにアウディは協力しており、アウディディーラーも補給スポットとして参加。「これも非常に小さな一歩ですが正しい方向に進み、アウディが更なる持続可能性を目指していることを示す大事な取り組みのひとつです」とコメントした。


Audi Cityが紀尾井町に誕生。世界で6拠点目


 Audi City紀尾井町は現在活動している世界で6拠点目のAudi Cityだ。大都市の中心部にフィットしたコンパクトストアであり、プレミアムの販売方法を新しいモデルとして将来に向けて紹介するものだ。ここでは新しいテクノロジー、デジタル化がショールームのテーマになり、ここで実現を目指すものであるという。
 Audi Cityは、「2012年に実店舗の強みとデジタルイノベーションを組み合わせたサイバーストアとして誕生しました。デジタルでつながった販売活動のための実験の場としての役割を持ち、新たなカスタマーエクスペリエンスを創造するものです」と関係者。このコンセプトは、「各国の主要都市の中心部用に開発したものです。トレンドが生まれ、社会の多様性が息づいた各業界のプレミアムブランドが店を構える都心部用のコンセプトです」という。
 これまでAudi Cityはロンドン、北京、ベルリン、イスタンブール、モスクワ、バリ、ワルシャワで展開。日本と同日Audi Cityウィンブルドンもオープンした。
 「江戸時代、特に徳川将軍家に由来する豊かな文化や歴史のある紀尾井町に出店しました。ここは2フロアで400平米とかなり小さいショールームですが、アウディジャパン販売と協力し、日本のお客様のニーズと期待にあうアウディシティソリューションをコンセプト化しました」という。
 アウディシティ紀尾井町はAudi Cityのデザインランゲージを踏襲し、シグネチャー的な商品デザインをモチーフとされた。例えばR8のフロントグリルやヘッドライトのデザインをモチーフとしたデザインを天井などに散りばめられた。
 また様々な日本の要素も各所に取り入れられた。例えば緩やかに区切るという日本の考え方を踏襲したパーテーションを設計。また大谷石も採用している。麻の葉文様をAudi Cityのシグネチャーとアウディのロンバスパターンと融合させ、天井やカーペットのデザインに取り入れられた。
 全体の設計はお客様との親密な関係を旨とされた。1階のスペースはあえてオープンに設定し、商品のハイライトやお客様とのインタラクションに合わせてフレキシブルに展示レイアウトを変更できるようにした。また、さらにカスタマーラウンジを地下に配置し、商品説明や新車の納車ができるようになっている。
 地下にはアフターセールスの板金塗装チームの手で仕上げられたミサノレッドのパネルを地下に配置し、日本の高い品質の仕上げとワークマンシップも表現された。
 Audi City紀尾井町ではほぼフルラインで試乗できる20台ぐらいの試乗車も用意する予定のほか、デジタルショールームではVRゴーグルをつけると3Dでクルマの色を変えたり様々なシチュエーションでクルマが見られたりするなどの新しい体験も可能だ。
 アウディジャパン広報部長の丸田靖生氏は、「Audi City紀尾井町はビジネスとしてきちんとお客様を獲得しながら、ブランドとしての新しい形、新しい体験をしてもらえるようなお店に育てていきたいのです」と方向性を語った。


天井のLEDライトはR8のフロント周りをモチーフに


壁には大谷石を使用