「人と関わりたい」「人の役に立ちたい」という強い思いから、介護福祉士の道を選んだ篠田健さん。仕事を通じ、人間的にも大きく成長できたと語ります。少子高齢化社会が進む日本で今後ますます必要とされる介護福祉士の仕事について、やりがいや魅力を伺いました。

■ニコッと笑って「ありがとう」が、一番のやりがい

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えてください。
 
神奈川県・藤沢市の有料老人ホームで介護員として、生活の中で介助が必要な高齢者の介護業務に携わっています。介護の内容は入居者によって変わりますが、食事介助、排泄介助、入浴介助などが主な業務です。

<一日のスケジュール>
8:45 出勤
9:00 夜勤担当から申し送りを受ける・報告書を確認する
9:30 各階お茶の時間
11:00 体操
12:00 昼食
15:00 各階お茶・おやつの時間/介助・報告書作成など
17:30 夕食
17:30 食後の薬の時間
18:00 退勤
※夜勤は週一回程度で、その場合には、16:30に出勤、翌朝9:30まで勤務します。
 

Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?
 
入居されている方々との関わり合いの中で、認知症や失語症などお話が出来ない方でも、ニコッと笑って「ありがとう」と言ってくれるだけでとてもうれしい気持ちになりますし、やりがいを感じます。
入居者はそれぞれの症状や特徴、性格が異なり、認知症の人もいれば、心臓の病気を持っている人、胃腸の弱い人もいます。また、しっかり対応の出来る方でも認知症によって急に態度が変わってしまったり、怒りっぽくなってしまったりということもあります。それを理解して接しなければならないことはとても難しいことです。その人その人に寄り添い、介助することを心がけています。

 
Q3. 仕事で大変なこと・つらいと感じることはありますか?
 
日勤以外にも、早番・遅番・夜勤業務があり、慣れないうちはどうしても生活リズムが不規則になってしまうことです。

■「人の役に立ちたい」という思いが強まり介護の道へ

Q4. どのようなきっかけ・経緯でその仕事に就きましたか?
 
福祉の世界に初めて関わったのは、大学時代の課外キャンプで、障がい者施設でのボランティア活動に参加したことです。その施設は岩手県の山奥にあり、ほぼ自給自足のような生活をしているところだったのですが、入居者の方たちの幸せそうな様子が印象的でした。一方で、障がい者施設や介護施設が郊外や田舎に多く、まるで追いやられているような状況に疑問を抱き、変えていくことはできないだろうかと考えるきっかけにもなりました。就職活動を始めた頃は、サービス業やメーカーなども受けていましたが、「人と関わりたい」「人の役に立ちたい」という思いが次第に強まり、介護・福祉の道を選択。今の会社を受けることにしました。

Q5. 大学では何を学びましたか?

大学では「コミュニティ福祉学部」を専攻していました。入学当初は介護関係の仕事に就くことは考えておらず、地方行政や障がい者差別についてなど、どちらかといえば社会学に興味があって学んでいました。しかし、将来は「人の役に立ちたい」という根本的な思いは常に抱いていたと思います。

 
Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?

高校時代は、吹奏楽部に所属していたこともあり、将来は楽器に関わる仕事がしたいと漠然と考えていました。吹奏楽部では、トランペットを担当していたのですが、一つの楽曲を演奏するためには個人のスキルだけでなく、パートごと、チームごとのまとまりがとても大切です。この時学んだチームワークを大事にするという意識は、現在の仕事にも役立っています。

■人生の先輩との関わり、自分自身も大きく成長できる

Q7. どういう人がその仕事に向いていると思いますか?
 
相手の気持ちを思いやることができる人、だと思います。他人の気持ちに寄り添って接することができる人であれば、必ずしも「世話好きな人」「優しい人」である必要はないと思っています。
よく誤解を持たれるのですが、この仕事は優しいだけでは務まらないところがあります。入居者の中には、動くのが億劫になったり、大変に感じるようになったり、つい自室に閉じこもりがちになってしまう方もいます。大変そうだからと移動を全て車椅子にしてしまうと、足腰の筋力は衰える一方。時には厳しく「歩きましょう」と言う必要があります。いつまでも自分の力で歩く喜びを味わい続けて欲しいのです。その方のことを本当に思いやるとはどういうことなのか、常に考えられることが大切だと思います。

 
Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします。
 
介護業界の仕事は、「人手不足」「きつい」といったイメージが一人歩きしているように思います。
老人ホームは病院ではありません。認知症やさまざまな病状や症状、問題を抱えながらも、しっかりと自信に向き合って生活している方たちの姿を見ていると、今後、自分の身にも起こりうることなのだととても勉強になりますし、尊敬もします。
入居しているのは、人生の締めくくりにこの施設を選んでくださった方たちです。こうした人生の先輩方との関わりを通じ、一人一人のこれまでの人生や生き方に触れることで、自分自身が人間的に大きく成長できる、素晴らしい職業だと私は考えています。
少子高齢化は、今まさに私たちの社会で起きている問題です。今後ますます必要とされる介護職、若いうちに関われること自体アドバンテージになるはずです。

  
相手のことを思いやるとはどういうことなのかを常に考え、時には厳しくするという優しさも大切だと教えてくれた篠田さん。人生の先輩方と過ごす日々は学ぶことばかりだと言います。介護福祉士は、日々成長を重ねられる仕事であり、日本の未来を支える重要な仕事であることを教わりました。
 
 
【profile】サンライズ・ヴィラ藤沢六会 篠田健
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