日立製作所は1月28日、Equinixのデータセンター(Equinix International Business Exchangeデータセンター、以下Equinix IBX)を活用し、パブリッククラウドとの高速通信を可能としたプライベートクラウド環境を提供する「ストレージボリューム提供サービス on Equinix IBX」を同31日から販売開始すると発表した。価格は個別見積もり。

新サービスは、データをプライベートクラウド環境に保持しつつ、AWSをはじめとしたパブリッククラウドのコンピュートリソースやアプリケーションのみを利用できるという。具体的には、パブリッククラウドと高速回線で接続されたEquinix IBXに日立資産のストレージを設置し、リソースを使った分だけ月額課金で提供する。

  • 「ストレージボリューム提供サービス on Equinix IBX」の概要

    「ストレージボリューム提供サービス on Equinix IBX」の概要

Equinix IBXは各種のクラウドやキャリアと幅広い相互接続性を有し、国内のみならずワールドワイドでも活用が進んでおり、パブリッククラウドとの高速接続に強みを持ち、さまざまなクラウドの迅速な利用開始を可能としている。

Equinix IBXに設置した日立のフラッシュストレージにデータを格納し、パブリッククラウドから高速回線を通じてデータを利用することで、高いデータアクセス性能を実現するとともに、利用するクラウドサービス切り替え時のクラウド間のデータ移動は不要になるため、クラウドサービスの切り替えコストを抑え、複数のパブリッククラウドが有する最新の可視化・分析ツールを柔軟に使い分けることを容易するという。

また、重要なデータは保全性や堅ろう性に優れた日立のストレージで保持し、使用頻度の少ないデータはパブリッククラウドのストレージリソースに保管するなど、適材適所で適切なコストでのデータ保管が可能なことに加え、通常はデータセンター内のサーバで処理を行い、繁忙期にはパブリッククラウドのコンピュートリソースを素早く活用するといったことも可能としている。

日立のストレージを活用したプライベートクラウド環境をEquinix IBX内に構築することで、信頼性や可用性を維持しつつ、パブリッククラウドの併用によるITインフラコストの最適化を図ることができるという。さらに、従量制の月額課金でストレージリソースを利用可能なため、初期費用を抑えて投資コストの平準化やデータ量の増加にも柔軟に対応できるとしている。

新サービスと、従来から提供しているオンプレミスのIT基盤サービスやパブリッククラウドの設計・構築・運用サービスを組み合わせることで、信頼性・可用性が求められるデータをさまざまなクラウドサービスから柔軟に利用できるマルチクラウド環境の迅速な設計・構築から運用までをフルマネージドサービスとして提供する。加えて、日立のデータセンター(横浜/岡山)と接続し、オンプレミスや高信頼な日立クラウドとのハイブリッドクラウド環境も提供が可能となっている。