茨城県境町は1月27日、ソフトバンクの子会社であるSBドライブとマクニカの協力を受け、町内の移動手段として自律走行バス「NAVYA ARMA(ナビヤ アルマ)」(仏Navya社製)を4月をめどに定時・定路線で運行し、自治体が国内で初めて自律走行バスを公道で実用化すると発表した。

  • 「NAVYA ARMA」の外観

    「NAVYA ARMA」の外観

境町は、SBドライブが保有するナンバー取得済みのNAVYA ARMAと、複数の自動運転車両の運行を遠隔地から同時に管理・監視できるSBドライブの自動運転車両運行プラットフォーム「Dispatcher(ディスパッチャー)」を活用して、町内の医療施設や郵便局、学校、銀行などをつなぐルートで自律走行バスの運行を開始する。

  • 「NAVYA ARMA」の境町での走行イメージ

    「NAVYA ARMA」の境町での走行イメージ

  • 想定する境町での運行ルート

    想定する境町での運行ルート

その後、NavyaとNAVYA ARMAの販売代理店契約を結ぶマクニカから境町が同車両を3台購入して、夏頃をめどに車両での運行に切り替えを予定している。SBドライブは、町内のシェアオフィスにサテライトオフィスを開設し、初期の段階ではSBドライブの社員がバスの運行を請け負う事業者のドライバーにサテライトオフィス内でトレーニングを行い、Dispatcherを活用したバスの運行管理のサポートを行う。

  • 「Dispatcher」のイメージ

    「Dispatcher」のイメージ

車内での転倒事故につながりやすい乗客の着座前発進や走行中の車内移動などを、AI(人工知能)で検知して遠隔監視者に注意喚起を行う機能や運行ルートや車両設定の改善のために、それらの事象が過去に発生したカ所や回数を地図上で確認できる機能、出発地と目的地を指定して遠隔地から車両に走行指示を出す機能などを備えるDispatcherを、安全な運行管理に活用するという。

また、SBドライブは自律走行のためのルート設定や障害物などを検知するセンサの設定などを行う。マクニカは、自律走行のために搭載されたさまざまなセンサから取得した情報を基に、周辺環境を自動運転ソフトウェアで認知・判断して走行するNAVYA ARMAを境町に提供するほか、同町が車両を購入後も安定的にバスを運行できるようにソフトウェアのサポートを行う。

さらに、自動運転ソリューションを提供してきた知見をベースに各種センサのメンテナンスを行うことに加え、車両本体については地元の車両整備工場と連携して、境町での自律走行バスの運行を全面的に支援する。

境町では、高齢化に伴う免許返納者の増加や鉄道の駅の不足、バスやタクシードライバーの不足などに伴い、移動手段の拡充が喫緊の課題だったという。同町は、SBドライブおよびマクニカの協力を受け、自律走行バスを運行させることで、住民が便利に移動できる環境を構築することを目指す。

3者は新しいモビリティサービスを通して、地域および産業の活性化と町民サービスの向上に取り組むための連携協定を締結し、境町の発展に取り組む考えだ。