食べ切れなかったり、使い切れずに捨ててしまう食べ物はどれくらいありますか? 日本では、食べられるのに廃棄される食べ物「食品ロス」が年間600万トンを超え、その約半数は家庭から出ているそうです。

◆毎日ご飯1杯を廃棄!?
皆さんは、「食品ロス」という言葉をご存じですか? 食品ロスとは、「まだ食べられるのに捨てられている食べ物」のことで、日本では年間600万トンを超えるそうです。

これは、「毎日10トントラック1760台分」に相当するというから、驚きです。

食品ロスは、食品メーカーや小売店、レストラン、家庭から発生していますが、家庭から出る量は、年間290万トンと、全体の約半数を占めるとのこと(政府広報オンラインより)。

1人当たりに換算すると、年間51kg、1日約140g(ご飯にするとお茶碗1杯くらい)を捨てていることになるそうです。

◆食品ロス、金額にするとどれくらい?
一方、家庭における食費はどれくらいか見てみましょう。総務省「家計調査(平成30年)(総世帯)」によると、毎月の消費支出は24万6399円。そのうち、食費が占める割合は25.5%で、6万2832円です。

「1人あたりの食品ロス、年間51kg」について、イメージしやすいようにお米で金額を試算してみます。仮に「お米5kg=2500円」とすると、年間約2万5000円。1カ月あたり2083円となります。

夫婦のみの世帯なら、毎月約4000円、4人家族なら毎月約8000円を食品ロスとして廃棄している、というイメージになります。意外とあなどれない金額です。

食費だけでなく、食材を保管する冷蔵庫の電気代、調理時の光熱費、さらにゴミ袋が有料の地域に住んでいる方は、廃棄の際のゴミ袋代といった物にもコストがかかっていることになります。

1つ1つは小さい金額でも、ムダに捨てているのなら、かけなくてもよい費用です。

消費税や物価が上がり、「家計をやりくりしなくては」と言っている一方で、せっかく買った食べ物を捨てているとしたら、まさに「もったいない」ですよね。

◆食品を廃棄した理由のトップは「食べ残し」
徳島県の調査によると、食品を廃棄した理由で最も多いのは「食べ残した」(57%)で、次いで「傷んでいた」(23%)、「賞味期限切れ」(6%)、「消費期限切れ」(5%)となっていました。

食品ロスの要因(アンケート自由記述)として、「もらいものであまり好きではない、調理が面倒」「大量に頂いた物が結局余る」「子どもの体調不良」なども挙げられていました。

また、「安売りの時にまとめ買い。結局使い切れず捨ててしまう」「野菜の保管が悪く食材を傷めてしまった」という声もありました。

(出典元)「平成 29 年度徳島県における食品ロス削減に関する実証事業の結果の概要(ポイント)」
急な体調不良などは、予測がつかないので仕方がない部分もあると思います。食材の保管については、共働きで数日分まとめ買いをする方も増えているので、傷まないうちに調理するのも、なかなか難しいと思います。

とはいえ、特価品やワゴンセール、見切り品などを見かけるとついつい買ってしまうという方は、本当に食べきれるかどうか、冷静に判断いただけたらと思います。

「腹八分目」を意識して、今よりも若干、買う量や作る量を減らしてみる、というのができたら理想ですが、「子どもが独立したけれども、今までの習慣でつい作りすぎてしまう」など、作りすぎてしまう、という方も多いようです。

私も夫婦2人分を作ろうと思っても、野菜を多めに、とか栄養バランスを考えると、作りすぎてしまうことがあります。

一度に食べると体調(体重)面が心配なので、多く作ったおかずは初めから「作り置きおかず」風に分けて、タッパーに保管しています。

◆食品のムダを減らすには?
食品ロスを減らす方法として、「買いすぎない」「作りすぎない」ことが大切ですが、妻など食事管理者の努力だけでなく、家族の協力も不可欠です。

例えば、せっかく妻が夕食を適量作ったとしても、夫が残業や飲み会等で急に夕食を食べない、などです。

シチューなど、翌日も使えるメニューならまだいいのですが、そういう時に限って生ものやでき立てを食べてほしいものだったりします。

「夕食のドタキャンは、できる限りしない」など、家族でルールを決めたり、お互いの予定が分かるように、リビングのカレンダーやグーグルスケジュールなどのツールを活用して、情報共有するのもいいでしょう。

献立を考える際に、家族の帰宅が遅くなる可能性がある日は、アレンジできるメニューを決めておくのもおすすめです(わが家の場合は、ポトフやラタトゥイユです)。

◆食品ロスをなくすキッチンの5S(ゴエス)
「5S」とは、職場環境の改善方法として取り入れられている手法で、「整理・整頓・清掃・清潔・躾(しつけ)」の頭文字から名付けられています。

以前、コラム『不況に打ち勝つ家計術、家計の「5S」』で、家計改善に5Sを取り入れた方法を紹介しましたが、食品ロスをなくすために、キッチン(冷蔵庫やパントリー)でも「5S」を取り入れてみましょう。

◇整理
要らない物を捨てる。まずは、賞味(消費)期限切れで、食べられない物は、「今回は本当にごめんなさい」と廃棄する。

「期限切れでも、加熱するなどして食べられそうな物」「期限が近い・保存から日数が経っている物」は、手前に置いて優先的に使う。

◇整頓
必要な物を出しやすく配置し、ジャンルごとに置き場所を決め、家族みんながどこに何があるか分かるようにする。

◇清掃
冷蔵庫の中やパントリーの中を掃除するだけでなく、賞味(消費)期限が近い物は残っていないか、鮮度が落ちたり中途半端に残った食材はないかどうか、常にチェックする。

◇清潔
上記3S(整理・整頓・清掃)を維持する。仕事や家事・育児等で忙しいと、あっという間に物に溢れてしまいがちなので、週末や月末など、定期的にチェックする。

◇躾(習慣づけ)
整理・整頓・清掃・清潔を維持するために決めたことを家族みんなが習慣づける。そのための方法としては、

・家族のスケジュール(残業、懇親会の予定、子どもの行事等)を参考に買い物をする。
・買い物をする前に冷蔵庫やパントリーの在庫を確認する。
・アレンジメニューのレパートリーを増やす。
・食品ロスは、家計のロスになることを家族で意識する。

などが考えられます。廃棄してしまった場合は、その分を金額に換算してみると、より意識しやすくなると思います。

◆我が家の例をご紹介
大層なことはしていませんが、わが家の例をご紹介します。

・ネットスーパーを注文する際に、在庫を確認。日頃から買い足したいものは、携帯のメモに保存し、買い物の際に確認しています。

・残り野菜をレンジで蒸して、ごましゃぶやバーニャカウダで食べたり、カットサラダは茹でてコールスローサラダにしたりしています。

・にんじんや大根を使う際に、ついでにスライスして、マリネとして保存。

・まとめ買いした野菜で、鮮度が持たない可能性がある分(特に大根やキノコ類)は、マリネにし、葉物を早めに使う。

・中途半端な食材がある場合は、ネットで検索して簡単に作れるおかずを作ります(簡単に、がポイント高、です)。毎月の予算内で抑えるように、冷蔵庫やストックの整理を兼ねてメニューを工夫しています。
  
「消費者庁クックパッド」では、食材を使い切るレシピやリメイクレシピが掲載されています。

◆フードバンク、フードドライブで社会貢献
食品ロスがある一方で、食べ物を必要としている方も大勢いる、という背景から、フードバンク活用やフードドライブ活動が行われています。

フードバンク活動は、食品会社や農家などから未利用食品を寄付してもらい、必要としている人や施設等に提供する仕組みです。フードドライブ活動は、家庭にある未利用食品を持ち寄って、必要としている施設等に寄付をする仕組みです。

呼び方の違いはありますが、目的は同じで、NPO法人や自治体等で実施しています。

前出の徳島県の調査で、もらいものが食品ロスの要因の1つに挙げられていました。

ご自宅に乾物や缶詰など、食べきれない食品があるという方は、寄付をしてみてはいかがでしょうか(「フードドライブ 東京」などと検索すると、実施している自治体を見つけることができます)。

皆さんも、ご家庭に合った方法で食品ロスを減らして、家計も改善してみてください!

文=平野 直子(マネーガイド)