映画「パラサイト 半地下の家族」の場面写真(C) 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED

 第72回カンヌ国際映画祭で韓国映画初となる、最高賞のパルム・ドールを受賞した映画「パラサイト 半地下の家族」(ポン・ジュノ監督)が、日本国内で韓国映画として異例のヒットを記録している。国内で、1月19日までの興行収入が昨年末の先行上映分も含めて6億円近くまで達しており、配給会社は最終的な興収は15億円前後になると見ている。

 ポン監督の最新作である「パラサイト 半地下の家族」は、“半地下住宅”に暮らす貧しい一家と“高台の豪邸”で暮らす裕福な一家という相反する二つの家族が出会い、徐々に貧しい一家が裕福な家庭にパラサイトしていく……というストーリー。予想を上回る展開が口コミで広がり、韓国国内では動員数1000万人を突破、フランスでは動員数160万人突破、6カ国で韓国映画の動員数を塗り替えるなど注目を集めており、映画の本場、米国での「第92回アカデミー賞」では異例の作品賞にノミネート、受賞も有力視されている。

 日本国内で同作は映画関係者を中心に称賛の声が上がり、口コミが拡大。公開初週に当たる1月11、12日の映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)は5位で、翌週18、19日も5位をキープ。今年の「第92回 アカデミー賞」では作品賞を初め、6部門でノミネートされ、さらに注目度が高まっている。

 国内で韓国映画は2000年代前半、ペ・ヨンジュンさん主演の連続ドラマ「冬のソナタ」から始まった“韓流ブーム”の追い風を受けて、日本でも恋愛作品が次々とヒット。2005年公開のチョン・ウソンさん主演の映画「私の頭の中の消しゴム」(イ・ジェハン監督)は、約30億円の興行収入に達したほか、“韓流ブーム”の火付け役であるペさん主演「四月の雪」(ホ・ジノ監督)は約27億5000万円を記録した。

 ブーム後は、シリアスな展開や社会風刺の効いた作品が高い評判を得ていたものの、興収的には15年ほどヒット作が出ていなかった。

 日本映画製作者連盟の調べでは、韓国映画で国内の興収が10億円を超えた作品は、2010年公開の「サヨナライツカ」(イ・ジェハン監督)が最後。同作はスタッフ陣や製作国こそ韓国だが、キャストは主演の中山美穂さんをはじめ、西島秀俊さん、石田ゆり子さんら日本人が中心だ。

 韓国で製作され、韓国人が主演を務めた“韓国映画”で、興収が10億円を超えた作品は、2005年の「私の頭の中の消しゴム」(最終的な興行収入は30億円)が最後となっており、「パラサイト 半地下の家族」が10億円を超えるヒットとなれば、15年ぶりの偉業達成となる。

 アカデミー賞ノミネートでますます脚光を集める本作。作品の秀逸さだけでなく、国内でどこまで興収を伸ばすことができるかにも注目だ。